キノの旅二十二巻口絵 誕生日 感想 |
●誕生日 -the Day-
一言でいうなら:誕生日埋めに協力してあげた話
名言:(強いてあげるものはなし)
登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:人口数万
あらすじ
国に入ると挨拶もそこそこに誕生日を聞かれた。キノとエルメスは分からないと答えた。残念がる住人に事情を聞いてみる。この国では誰かの誕生日を盛大に祝う文化があり、以前は親しい仲の人だけの行事だったが、今では同じ国の人であればみなで祝うという。そのため毎日のように誰かの誕生日を祝えて幸せなのだが、七月十日と十一月十一日だけ誰の誕生日でもないらしい。キノ達の誕生日がその日ならと住人は残念がる。するとエルメスが、キノにちょっとタンクを叩いてみてと言った。キノが従うとエルメスは誕生日を思い出したと言った。
オチ
今日はキノの誕生日だよとエルメス。キノはあの国で誕生日をでっちあげた事を思い出し、エルメスの誕生日の時もあの国で祝ってもらえるだろうねと言う。いつだったっけとエルメスは答えた。
感想
この日だけ誰の誕生日でもなく祝えない。そこでその誕生日埋めに協力してあげたお話。最初に読んだ際、2ページ目下段のアスタリスク3つに気付かなかった。これがあることでアスタリスク以降が後日談だということが分かる。どちらがどちらの日付にしたかは伏せたようだ。
埋まってない誕生日である七月十日と十一月十一日、この日付になったのには理由があるのか。七月十日は本書初版発行日=発売日と同じである。一方で巻末の書籍情報によるとこのお話の初出は電撃マガジン2018年7月号であり、加えて文庫収録にあたり加筆修正しているともある。こちらは2018年6月9日発売なので、発売日に合わしているとすればこちらでは日付が6月9日になっているはずである。申し訳ないが個人的に調べる機会がないため、ここまでの推測止まりとなる。
このお話は「キノの旅」らしさが詰まっているように感じる。そのらしさとは、言葉にするならば「行事の誇張とその影響」である。誕生日という「行事」を現実のものと変え「誇張」し、それゆえに起こった「影響」を挙げる。これまでキノの旅ではさまざまな行事や習わしが誇張され、それゆえに起きた出来事がお話になってきた。キノはそれを聞き入れ、時には今回のように協力してあげるのだ。
キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:49)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:57)
国の技術レベルと特産物等:不明・誕生日をみなで祝う
収穫:誕生日を祝ってもらえた