キャラクター「陸」について |
シズと共に旅をする白い犬。言葉をしゃべることができる。自称シズの忠実な僕(しもべ)であり(出典:コロシアム)どこまでシズに付き従うと決めている。性別については小説では直接の言及はないが(キノは陸君と呼んでいる)、アニメでの声は明らかに渋い男性の声である。シズのお話における語り手で、笑っているようにみえるが生まれつきだと言うのがお約束である。
●性格
シズを呼ぶ際は「〜様」を付けており、基本的に誰に対しても敬語である。しかしエルメスに対してだけは例外で、犬が喋ることを驚かれて以来目の敵にしている伏しがある。シズに対しては「逆立ちしても導くことはできない(コロシアム)」、「私の許可など必要ありません(船の国)」と述べているように、主人を最大限に尊重している。だが続・絵の話では道理を外れようとしたシズを諌(いさ)めたこともある。移住先が決まらないことに関しては「シズ様がいる場所が、私のいる場所ですから(愛と平和の国)」と答えており、何があってもシズに従う姿勢を見せている。
●役割や特性
・戦闘の際シズと連携、陽動をこなす(たかられた話)
・シズがお茶を飲む際は毒が入っていないか匂いをうかがう(のどかな国・戦って死ぬという事)
・シズが刀を置き目を離す際、それを見張るのが自分の役目だと自負している(のどかな国)
・シズがバギーを洗う時(川原にて)や寝る時(船の国)は見張りを務める
・鼻が訊き敵の待ち伏せを察知できると推察される(山賊達の話)
・物事を細かく数えるのが得意。船の国にて複雑な街を進んだ際、数十回単位の右折左折数を覚えていたり、ティーが地図に指さした回数が143回だと数えていた
●シズとの出会い
陸とシズの出会いについては小説21巻を経てもあまり明かされていない。続・絵の話にて、シズが復讐を誓い自分を鍛えようと苦労していた頃、陸はシズに出会ったと記述されている。また川原にてではシズは用心棒の仕事がないときにバギーを拾い、その後に陸と出会ったとの記述がある。それ以来陸はずっとシズに付き従っているようである。
●復讐の旅
シズはいよいよ復讐を果たすため故郷へと向かうこととなった。しかし陸は最後まで反対した。故郷へ向かう途中の国(祝福のつもり)でも理由をつけてやめさせようとしたが、シズは受け付けなかった。そしてついに故郷に到着。シズはコロシアムで勝ち進み、決勝戦を前にして陸に別れを告げた。しかし決勝戦の相手であるキノに惨敗。陸は当時を思い出し複雑な心境だったと振り返っている(続・絵の話)。だが勝利したキノが王を撃ったことで復讐が果たされ、シズが死ぬ必要もなくなった。これにより再びシズに付き従うことができ、陸はそれを実現してくれたキノに大変感謝している。
●新しい仲間ティー
復讐をという目的がなくなり放浪の旅をしていたシズと陸は、船の国に入り無口な少女ティーに出会う。そして紆余曲折を経て主人のシズがティーに刺される。その時、陸は重要な選択をキノに問われることになる。それは、シズを見殺しにするか、助けるためにティーを殺すかであった。考える余地もなく陸は決意しそれを言おうとしたが、負傷したシズがそれを遮った。シズはどちらでもなくティーと共に生きることを選んだのである。
シズの傷は回復し、新たにティーを含めた三者の旅が始まった。しかし陸はティーを殺してほしいと思ったことを気にしていた。だがティーが「りくはなかまだ」と言い、陸は心からの笑顔を見せた(ティーの一日)。ティーを仲間だと認識しはじめる陸であったが、相変わらずティーが何を考えているかは分からない状態が続いた。しかし長い時を経て小説19巻首輪の国で「何を考えているか予想がつくようになってきた」とあり、ようやくティーの事が分かり始めた。
●喋る犬について
コロシアムにて陸が喋った際、エルメスはとても驚いていた。あの博識なエルメスに関わらずである。そもそもキノの旅において人間の言葉を喋る動物は全く登場しておらず、ペットの国では動物が大量に登場しているものの動物は一切喋らない。こうなると喋っているのはシズの妄想とも考えられるが、少なくとも祝福のつもりにてラファが陸の発言を踏まえた会話しているので、妄想である可能性は低いのではないだろうか。一方で犬に首輪をすることが稀ということ分かるエピソード(首輪の国)もあり、逆説的にみれば一般人は陸が特異な存在ではないようである。