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キノの旅アニメ二期第十話 優しい国 感想

●優しい国 -Tomorrow Never Comes.-
登場人物:キノとエルメス
本編約25分
小説版「優しい国」ページ

アニメ一期「優しい国」ページ

 

 

2018/4/14〜感想にてツイッターリンクを追加

 

あらすじ

 

   一面が紅葉の森の中。エルメスを走らせながらキノは言った。これから行く国は旅人の評判がかなり悪いらしい。道はいくらでもあるのだから行かなければいいのにとエルメス。そこまで言われているのだから興味があるとキノ。そして目の前に目的の国が見えた。「とっても思い出深い、一生忘れられない国になるかもよ」とエルメス。「だといいね」とキノ。

 

   城門の兵士に何日滞在するかと聞かれたので、キノは例よって三日と答えた。すると兵士たちは顔を綻ばせた後、すぐに敬礼し門を開けた。入国審査をしないのかと聞いたが、犯罪を起こさない限り失礼だと返された。門の向こうでは多くの住人達が出迎え、口々に歓迎してくれた。絶対に別の国だとエルメス。キノは歓迎に感謝すると、安いシャワー付きのホテルがないか聞いた。住人達がそれぞれしゃべる中、「うちがそうだよ」と声がした。現れたのは少女で、私はサクラだと自己紹介をした。キノはサクラの両親が経営しているというホテルに泊まることにした。

 

   多くに住人から声をかけられつつ、サクラに案内され道を歩くキノ。サクラが「キノ」と言う名前が響きが良く素敵だと言った。キノは一旦昔そう思ったと言い、今でもそう思っていると言った。そしてキノはサクラという名前も響きがいいと言った。サクラは自分の名前について話すと、キノが押し黙った。どうしたのとエルメスが言うと、キノは「なんでもない。説明できるようなものじゃないよ」と言った。

 

   ホテルに着くとサクラの両親が出迎えた。サクラは、エルメスを入れやすいようにと一階のドアが広い部屋を選び、そこへ案内した。さらに、この国を案内させてほしいとキノに言った。キノはそれを承諾した。どこに行きたいかと聞かれたキノは、パースエイダースミスの元へ案内してもらった。怖そうな老人がパースエイダースミスだった。キノはカノンを差し出した。一日ぐらいかかると老人は言った。明日来るとキノが去った後、老人は驚いた長生きするものだと言った。

 

   街の公園で、国の歴史を伝える劇をしていた。劇はある程度進んでいたが、キノが現れたことで席を譲られ、さらには最初から劇をやりなおすことになった。それを受け見てキノは照れた。改めて劇が始まった。祖先は迫害され放浪の身であったが実り豊かな森を見つけ、ここに国を作ることにした。そして今があるのだった。劇の後でキノはバーベキューに参加した。キノは焼く係りで、大した手際だと褒められた。エルメスからは焼くだけだからと念を入れられた。エプロンを渡されそれを着たキノは、ここでも照れた。それを見たエルメスは「なんか楽しそうじゃん」と言った。

 

   次の朝。キノはいつも通り起きてエルメスを起こした。そして昨日差し出したカノンを受け取りに行った。カノンを確認するキノは驚いた、初めて手にした時以上だと言った。老人は怖そうな顔のまま、そうかいと言った。お代はとキノがいうが、いらんと老人。そしてキノに、師匠と呼ばせる凄腕のパースエイダー使いを知らないかと聞いてきた。キノは知らないと答えた。老人はさらに、森の人というパースエイダーをキノに使ってほしいと言ってきた。キノは受け取ることにした。すると老人は調子をよくし、試し撃ちなどをするとキノを強引に連れていった。

 

   ようやく老人から解放されたキノ。するとサクラがお連れしたい場所があると言った。そこは城壁の上で、夕日がとても綺麗だった。ここが自分の一番好きな場所で、いつかお客さんが来たら絶対案内しようと思っていたとサクラ。そして、両親のあとをついで立派な観光案内人になりたいと言った。キノはなれるさ、いやもう立派な観光案内人だと言った。

 

   ホテルに帰ると、サクラがキノに旅をしていると辛いことはないか聞いてきた。たまにあるが、それでも旅を続けるとキノ。それはするべきことだと思っているからですかとサクラ。やりたいと思うことだからさとキノ。それを聞いてサクラは感激した。そこに両親が来て、サクラも旅にでてもいいのよと言った。サクラは少しの間考えたが、ここで勉強して一番の案内人になると言った。

 


   次の日。結婚式を見に行った。これから小さな袋をたくさん投げるそうだ。欲しい子供の数だけ木の種が入れられており、この種を持って明日を迎えられた人が次に幸せな花嫁になれるのだという。サクラは手にできなかったが、キノは木の種を引き当てサクラにあげた。

 

   ホテルに戻ると入り口に兵士がいた。出国の準備をと言われたキノは、もう一日二日滞在できないかと言った。驚くサクラとエルメス。だが兵士はルールですからと断った。城門にて、サクラの父から野宿の場所を教えてもらい、サクラの母親からはお弁当を貰った。多くの人に見守られたキノは感謝した。最後にサクラ歩み出てきた。キノはありがとうと言い握手をした。そしてみなに「またいつか」と言い、エルメスを走らせた。三日以上の滞在を望むなんて珍しいとエルメス。自分で驚いているとキノ。そして、噂と違ったことについて、最初は気にしていたが途中からどうでもよくなったと振り返った。

 

   夜。寝ていたキノが急に起きた。どうしたのとエルメス。キノはいつになく低い声で、嫌な感じがすると言った。その後、大きな音がした。火山が爆発し、火砕流が国を覆った。あそこへ行ってできることはあるかとキノ。全員死んでる、行っても死ぬだけだよとエルメス。

 

   夜が明けようとしていた。キノはサクラの母からもらったお弁当に、手紙が入っていることに気が付いた。そこには、一ヶ月前に火砕流が襲う事を察知していたこと、住人はそれでもこの場所にとどまることを決意したこと、これまで旅人に対する不遜な態度をとったゆえにその印象だけ残ってしまうということ、この国を素敵だと旅人に伝えたかっただが全く来なかったこと、そこへ来たのがキノだったことが書いてあった。また追伸としてサクラはそのことを知らず、キノに無理やりあずけようともしたが、サクラが望んだので連れて行くことにしたとあった。

 

   「今、ボクが何を考えているのか、当ててみようか」とキノ。「どうぞ」とエルメス。「ボクは、こう思っている」「サクラちゃんが、無理やりにでもお預けされなくて、助かったと、ほっとしている」とキノ。「だろうね」とエルメス。

 

   「エゴだよ、これはエゴだ」とキノ。どのみち二人乗りで旅は無理さとエルメス。さらに弁当を見てみると、サクラの手紙もあった。そこには私が持っていても仕方がありません、私達の事を忘れないでと書かれており、木の種が入っていた。

 

   完全に夜が明け明るくなった。森の人を装備したキノに、エルメスは似合うよと言った。いい国だったねとエルメス。キノはそれに同意し、エルメスを走らせた。

 

 

感想


   評判が悪い国に来たキノとエルメス。だが実際はその真逆で、あまりの心地良さにキノは三日以上の滞在を希望するほどだった。全く評判と異なる国に、最初こそ戸惑うキノとエルメスであったが、サクラの案内のもと国を回り住人達と交流した。だがこの国には悲しい運命があり、キノがそれ知ったのは国が失われてからであった。このエピソードは、キノの旅公式15周年スペシャル投票企画「人気の国」第一位であり、アニメ第一期でも取り上げられた鉄板エピソードである。悲劇的ながらも、人気投票一位とみなから支持されたエピソードが、今回再びアニメ化となった。

 

   今回のアニメ化において最も特筆すべき点は、手紙を読む際の追加されたキノの台詞。上記あらすじに書いた「今、ボクが何を〜」の段落部分は、原作小説や第一期アニメには存在しない台詞である。管理人はアニメを見ていてこれらをキノが急に喋りだしたので驚いた。この台詞だが、自身のニコ生放送で指摘された後、原作者ツイートこのツイートにてようやく真意を知ることができた。この追加された台詞は原作者が本来意図したバージョンであり、別冊等で取り扱ったものであったのだ。内容は、サクラを引き取る展開にならなくて良かったというキノである。そしてそれが次の「エゴだ」と続く。管理人は追加台詞がない状態でこの「エゴだ」を読んだ際、母親がサクラを連れて行ってしまったことをエゴだと言ったのだと思っていた。しかしその真意は、こんな悲劇を目にしてもサクラを引き取る展開にならず、自分は今まで通り旅を続けることができるので良かったという感情を持っている、そんな自分に対する非難の言葉として「エゴだ」と言ったようである。旅人キノ。改めてキノの旅へ執着がうかがえた。

 


   今回のアニメは定例のOP・ED共々カットされ、最大限ストーリーに尺を割くように配慮してあった。背景美術に関しては冒頭の紅葉の森や、城壁から見渡す夕焼け、さらに暗くなり明かりが灯る国までとても細かく綺麗であった。また住人達に優しくされキノが照れるのは、なかなか見る機会のないレアな表情であった。

 

   一方でいくつかのシーンは気になった。カノンを受け取るパースエイダースミスだが、その際カノンが瞳に映る描写のみにとどまった。ここは原作にある通り表情の変化を見たかった。次に、国を出て夜目覚めた際のキノの声。いつになく低い声は尋常ならざるものを察知しているためだと思うが、あまりにも今まで聞いてきたキノの声と異なった。とても違和感が残る。そしてこれは確証がないのだが、どうもサクラの存在感が薄い気がし、最後の手紙があまり心に響かなかった。原作や第一期で見慣れてしまったせいかもしれないが、それとは別に今回のアニメはパースエイダースミスや劇に多めの尺が取られ、サクラ不在の時間が多かったせいとも思える。


   原作小説との違うと思ったことについて。小説ではエルメスのメンテナンスを優しくて腕のいい機械工がしてくれるのだがカットされていた。また、パースエイダースミスに銃を差し出した際、小説では半日でメンテナンスしてくれたのがアニメでは後日引き渡しになっていた。あと、バーベキューの際に味オンチなキノが手をださないようにとエルメスが注意した。これは小説にはないクスリとくるアレンジである。そして、重大だと思うのが三日目の朝にキノが寝坊するシーンがカットされていたこと。これはあまりにキノが滞在が心地良すぎて調子が狂ったことを表すシーンであり、カットすべきはなかったと思う。

 

   第一期アニメと違うと思ったことについて。一期の方では劇はカットされており、国の歴史は博物館ですまされた(劇をしている今回の方が原作小説準拠)。また国を出る際の野宿する場所について、一期の方では念を押すように強く場所を言っていた。あと、出国して目覚める際キノは銃を手にしながら起きたが、第一期アニメではうつ伏せで寝ていた。ちなみに小説は体の向きに関しては指定はない。しかし起きてからホルタ―のカノンを抜いたと記述されており、少なくとも第二期アニメのようにカノンを構えたまま寝ているわけではない。


   そして、次回は大人の国である。ここからの文章はアニメ二期がキノの旅初見の方はネタバレになるので見ないでいただきたい。
   今回のエピソードで、サクラという名前を聞いた際に説明できないとキノが言ったり、国を案内してくれるサクラを優しくキノが見守っていたのは、キノが自分の昔と重ねているためである。そして大人の国では今回のようなお話の展開となるが、その展開は狂気的なものとなる。順番的には「大人の国」→「優しい国」と見るのが気持ちいいのだが、第二期アニメでは逆の構成となった。この試みはいい方向に出るか否か。「優しい国」という良いお話を見て、「大人の国」も似ているなと思いきや狂気的な展開で、初見の視聴者が突き落とされた気分にならないか心配である。

 

   小説版「優しい国」ページ

   アニメ一期「優しい国」ページ

 

 

 

キノの容姿と装備:茶色のコート・カノン・森の人入手
エルメスの言い間違い:家財道具→正:火砕流

 

[ アニメ2期 ] 10:24 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.12.09 Saturday
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[ - ] 10:24 - | - | - |2019.06.09 Sunday









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