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キノの旅アニメ二期第八話(その1) 電波の国 感想

●電波の国 -Not Guilty-
登場人物:シズと陸とティー
本編約15分
アニメ次話「ティーの一日」ページ
小説版「電波の国」ページ

 

 

 

あらすじ

 

   渚にて。ティーが手榴弾を両手に海を見ていた。付近のテントにはシズ。船の国にて負った傷は治ったようだった。そして爆音。手榴弾を海に投げ魚を採るのがティーの漁だった。それをよそに、シズは出発を決意した。

 

   バギーを走らせていると特徴的な城門があった。宿をとり夕食をとる一同。シズはピザをほおばるティーに旅について教えた。定住の地を探していること、他の人の役に立ちたいこと、この国は詳しくわからないので国をみて回ること、そしてティーに気が付いたことがあれば教えてほしいと言った。そのうえで自分達が旅で滞在している身なので、いきなり人を傷つける行動は控えなければならないと説いた。ティーは「うん」と言い頷いた。

 

   シズが役所でこの国について問い合わせたところ、国の代表は公平な選挙で選ばれ経済は安定、そして珍しく移民を受けれていた。そのことについてシズは丁寧にティーに教えた。再びホテルにて、ティーはシャワーから出た。濡れた陸がシズに体を拭いてもらっているを見て、ティーも自分の濡れた髪を拭いた。陸がシズにこの国を気に入ったかと聞くと、しばらくこの国に住んでみるのもいいかもしれないと言った。

 

   ガソリンスタンドにシズ達がいた。ティーと陸が待っていると、道路を挟んで反対側から何者かが現れた。その男は血まみれで、片手に首を持っていた。シズが話しかけると、男はみんな殺してやると言った。シズはすぐに男を気絶させた。警察が来て調べたところ、犯人は近くの学園の関係者だった。シズ達は警察に同行し学園に行った。そこでの惨状を見たティーが「みんなしんでる」と言った。

 

   シズは、警察署の応接室にて署長と副署長から話を聞いた。署長はシズに男を取り押さえてくれたことに感謝を述べ、数年に一度こういった事件が起こると説明した。国が大きいとこういうことが起きると理解を示すシズ。だが署長達の認識は違った。なんでも電波せいなのだという。この国は昔たくさんの奴隷が集められ作られた。その際奴隷の管理のために機械を埋め込み人を操った。だが突然奴隷達が解放され今に至る。そして、昔からある電波基地からの電波が人に作用し、今回のような凶悪犯を生み出すのだそうだ。その論理に沿い、今回の犯人も被害者で罰することは出来ないと署長達。シズは人に埋め込まれたらしい機械が子孫に伝達するのかと疑問を述べるが、彼らは歴史的事実といいまるで受け付けなかった。そこでシズは問題の電波基地破壊を申し出た。

 

   森を進み電波基地を目指すシズ達。電波のせいなんて信じていないでしょうという陸。シズはそれを認めつつも、もしかしたら自動発電で基地が動いているかもしれない、破壊することで住人を安心させられればと言う。そして電波基地に着いた。だが見るからに朽ちており電波を発しているようには見えなかった。ティーと陸を被写体に添え証拠写真を撮るシズ。それが終わり爆破しますかと聞く陸。だがシズは爆薬がもったえないと言った。

 


   シズが街へ帰ってくると報道陣、そして署長がどうだったかとシズに聞いてきた。シズはありのままを正直話し、過去の事件は個人の問題だと言った。しかし署長は今までの事件が電波のせいでないなんてことはありえないと言い、しまいにはこの写真は偽造でシズは電波におかされてしまったのだと言い始めた。周りの住人も賛同し、シズを捕まえる雰囲気だった。

 

   すると、いつのまにかティーが赤ちゃん抱えており、もう片方の手で手榴弾を取り出し「わたしたちのじゃまをするのはゆるさない」と言った。シズはため息をつくと、それに乗じて電波の影響で正気を保てないと演技を始めた。陸もそれに従い遠吠えを上げる。赤ん坊を人質にとるなど!と署長。それを聞いたシズは人質交換ということで赤ちゃんを解放し署長を拘束、バギーを発進させた。

 

   人里離れたところで停車した。安全ピンのない手榴弾は遠くへ投げて爆発させた。そして拘束した署長を自由にした。拘束を解かれた署長はシズに二度と我が国に来るなと言った。シズはわかりましたと言い、最後にと電波基地は今でも作動中だと言った。やはりと署長。シズは続けて、電波出力を最大にしてきたので明日にでも影響がでるだろうと言った。走るバギーにて、最後の嘘を署長はどういう意味でとったでしょうかと陸。それに対しシズは、「さあね、電波のように簡単に伝わればいいのに」と言った。

 


感想


   新たな旅立ちとなったシズと陸、そしてティーのお話。船の国のラストにて、ティーにナイフで刺されたシズであったが、それでもティーに一緒に生きていこうと言った。そして傷は癒え、新たな旅立ちして辿り着いたのは電波の国であった。その国では電波が凶悪犯を生み出していると信じられており、シズが真実を述べても聞き入られなかった。船の国でも同様であったが、人は信じたいことしか信じないらしい。

 

   かつて人に機械が仕込まれていた。それにより意のままに人を操ることができた。そこまでならまだ理解できる。だがこの国の住人は、機械が埋め込まれていない子孫に対しても同様だと信じていた。国の住人が凶悪犯になることを否定するため理由がほしかったようだ。現実世界においてよく人間は理解しあえない的なことを聞くが、今回の話から鑑みるに人は他人を理解したい気持ちは確かにあるのではと思った。知らない人は怖い。だからなにかしら行動原理を知りたがる。だがその認識は偏見の場合もあり、この国ではそれが電波だった。

 

   結果論になってしまうが、シズは電波施設が朽ちていると知っていても爆破すべきだったと思う。爆薬の無駄だとシズは言ったが、そうすることで説得力が増し今回のような事態にはならなかったのではないか(小説版では爆薬は警察から貰ったと記述されているので、シズが損するというわけではない)。だが偏見が強いこの国においては、今回の事態を回避したところで別の問題が起こりそうである。

 

 

   今回のアニメ化で思ったことは、ティーの細かな様子である。さまざまな場面でティーが映し出されるが、動きが少ないながらも確かに動いている。また小説にはない頷き時の「うん」という言葉等、アニメにて付け加えられている言葉があった。これが小説だと、ティーは問いかけに対し「………」と何も言わず、何を考えているのかわからないと陸が思うパターンである。だが今回ようなアニメであれば何も言わなくとも細かな動きから心情を察することができる。さらに、シズに拭いてもらっている陸を見てティーが自分の髪を拭く姿は、アニメオリジナルであり新鮮だった。

 

   今回は生徒達を皆殺しにした凶悪犯が登場する。そのため、小説著者を含め放送のために現実で事件が起きないよう願われていた(著者ツイート)。実際過去にはアニメ「スクールデイズ」のいわゆるniceboat騒動など、事件発生によりアニメ放送休止があった。今回はさして問題なく放映されたかに思えたが、実はTV放送にあたりそれなりに配慮があったようだ。これは自身のニコ生放送にて指摘されて気付いたのだが、小説では「幼稚園」の「園長」なのに対し、アニメでは「学園」の「関係者」と大幅に設定が変更されていた。にぶい管理人は全く気付かなかったのだが、配慮をうかがわせる事実である。

 

   さらに、首を持った凶悪犯の描き方もよくよく見れば巧妙であった。ティーが凶悪犯を見つける際、映像がスローになり車が横切る。だがこれにはちゃんと意味があるようだ。その次のカットで血だらけの男が右手に首をもっているのだが、首の部分だけが車に重なって見えないようになっている。これもTV放送に配慮しつつも、映像として自然に見せる演出のようである(製作者側関連ツイート)。一方で、シズに倒され凶悪犯が倒れる際に首がころん転がるのも、おっかなくも細かい描写だった。

 

 

   ほかに印象深かったのは、特定の場面でのシズの表情。ひとつは、演技で正気が保てなるかもいう時の目が見開いた顔。もうひとつは終盤署長を解放し嘘をつく際の、ものすごく蔑んだ目。シズがいわゆるイケメンということもあってか、表情がとても印象的だった。

 

   その他こぼれ話。城門の独特なデザインで特徴的あったこと。安全ピンをなくしたので遠くになげて捨てたが、逆に安全ピンがあれば爆発させずに済むこと(これも放送での指摘で知った)。シズの最後の台詞で電波のように簡単に伝わればと聞いて、人の痛みが分かる国のあれがあればこの国はどうなるかなと思ったこと、といった感じである。

 

   アニメ次話「ティーの一日」ページ
   小説版「電波の国」ページ

 

 

 

 

[ アニメ2期 ] 08:35 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.11.25 Saturday
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[ - ] 08:35 - | - | - |2019.06.09 Sunday









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