キノの旅を総括したい

"世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"
そんな世界を余すことなく総括する、キノの旅まとめサイト。ネタバレ注意


 
 〜 管理人コメント 〜

小説22巻を語るニコ生放送を
7/19(金)の23:00から行います
放送コミュニティはこちら


キノの旅データベース
作中言語解説記事
〜それぞれ公開中です


全話リストはこちら



キノの旅XXII
the Beautiful World
(電撃文庫)

   


 記事検索

 全話リストはこちら



 
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
         









































<< キノの旅21巻第八話 鍵の国 感想 | main | キノの旅アニメ二期第二話 コロシアム 感想(ネタバレあり) >>
キノの旅21巻第九話 女の国 感想

●女の国 -Equalizer-
一言でいうなら:師匠の旅立ちの話
名言:「いいでしょう。私は、あなた達の"師匠"になりますね」

 

登場人物:師匠、レジ―、アルト
話の長さ:約40ページ
備考:戦闘あり

 

 

2018/10/28誤字修正〜「レジーが撃った」ではなく「アルトは撃った」に訂正。重要な箇所で間違えて申し訳ない

 

あらすじ
   パースエイダーの発砲音が鳴り響いた。レジ―は師匠にゴム弾で撃たれた。レジ―は師匠にこってり痛めつけられ、今度までに射撃訓練と筋トレを欠かさないように命じられた。レジ―が室内戦闘訓練場を後にすると、外には赤いオープンカーが止まっていた。


   アルトと呼ばれた男が敬語を使い恭しくレジ―を迎え入れた。だが車に乗りほかの人から会話を聞かれる心配がなくなると、いわゆるタメ口で話し始めた。その方がいいよとレジ―は言い、この国の理念である女尊男卑からなるルールに苦言を言った。この国のあらゆる面で女性優位で男性差別が行われていた。だが男であるアルトはそれは女性がヒトとして優れているからだと答え、この事は公の場では言わないように、知れれば治療院行きで亡くなった両親が悲しむと言った。話は変わり、アルトはついに車を所持する許可を得たと喜んだ。レジーも喜びクルマはどうするのかと聞くと、黄色小さいやつにすると答えた。

 

   レジ―は師匠の前でライフルの射撃をしていた。それをしつつレジ―は、師匠にこの女社会をどう思うか質問をした。レジ―としては男女が協力していけばよりよい国になるのではという意見だったが、師匠はあまり賛同してくれなかった。

 

   レジ―はうかない様子だった。アルトがどうしたのかと尋ねると、冷静に戦った事で師匠に念願の一撃を与えられたのだが、長年の夢が叶って腑抜けてしまったのだという。話を変えクルマはどうとアルトに聞くと、もう少しで許可証がもらえるとのことだった。レジーは国外で走ってみようと言った。するとアルトは国の外へ行くのを不安がった。

 

   再び師匠と訓練をしたが、今日も師匠には敵わなかった。更衣室に師匠が来た。そして、レジ―達が国の外へ出て行こうとしていることを見抜かれた。レジ―は師匠が送り出してくれると知り感謝すると、師匠は国の外で見聞を深めてくることはいいことだ、何を見ることになっても負けないようにと言った。レジーがはいと返事をすると、たぶんそれが一番難しいことなのですよと師匠は言った。

 

   夏真っ盛りの早朝、ついにレジーとアルトの出国準備が整った。新しい黄色くて小さな車、リヴォルバーにライフル、旅荷物が揃っていた。城門が開き、ついに2人は車で走り出した。初めて見る国の外の景色に2人は感動していた。レジーはこのまま2人で、どこまでも行ってしまってもいいと言った。

 

   目の前に商人達のトラックが四台見えた。商人の一人が女の強い国から来たのかと聞いてきて、一緒にお茶をすることになった。商人達は8人で数人は常に周囲を警戒していたりと、旅に手慣れた様子だった。その光景を2人は興奮しながら見ていた。

 

   お茶会は和気藹々(わきあいあい)と進み、ずいぶん時間が経った。商人の男は最後にと、アルトにあの国で一生を終える気かと言った。すると商人の一人がレジーを羽交い絞めにした。商人の男はアルトにあの国の女が強いということの異常さを説き、さらには自分達の奴隷である鎖につながれた女達を見せつけた。そしてアルトにこの世界で力があるのは男であり、レジーを好きにしていいんだと言った。商人の男はレジーの持っていたリヴォルバーを奪い、アルトに持たせた。アルトは最後にレジーは悪くない、国のシステムが悪いんだと言った。そしてレジー(誤字修正)アルトは撃った。それはレジーの胸に直撃した。

 


オチ
   その瞬間、レジーは自らの右肩の関節を意図的に脱臼、男による拘束を解き、男から奪ったナイフで刺殺、さらに男からパースエイダーを奪っていき、立て続けに商人達全員殺した。そして最初に撃ったアルトに近づいた。アルトの銃は、殺人は避けたいと思ったレジーの意向により一発目だけがゴム弾だった。そして、人生初の殺人は全然大したことはなかったとレジーは言った。そしてリヴォルバーを持ったアルトに笑顔で話しかけた。一発だけ発砲音が轟いた。


   男達の死体の後始末をし、宝石類は車に詰め込み、使えそうなパースエイダ―は失敬した。そしてずっと黙って座っていた奴隷の女達に、残ったトラックなどはあなたたちの物だと言った。ようやく一人がしゃべり、運転の仕方が分からない、だから教えてほしいと言った。レジーは満足そうに頷き、あなた達の師匠になると言った。


   去りゆくトラックを見送り、レジーは車の脇へやってきた。そして、旅にでよう、気の向くまま飽きるまで、またはこいつが壊れて走れなくなるまでと言った。黄色くて小さくてピカピカの新車は、勢いよく走り出した。

 


感想
   まさかのレジー=師匠だったお話。管理人としては最初から作中で「師匠」と呼ばれる人がいつもの師匠ではないと思っていたが、レジーが師匠とは思わなかった。洞察力のある方であれば、黄色い車のくだりで気付いたのかもしれない。


   旅立ちから師匠は飛ばしているというか…。いきなり商人達8人を殺して言った台詞が、人生初の殺人は全然大したことはなかった、訓練通りに体が動いたと言ってのけるのだから凄いものである。そしてアルトは最後に自殺してしまったようだ(管理人はうっかり読み飛ばしてしまったのだが、ツイッターで優しい方に指摘してもらい気付いた)。しかし、気弱なアルトなのだから、強い男達に凄まれたらそれに流されてしまうのは分かる気がする。だがアルトはそんな自分を許せなかったようだ。

 

 

追記

   感想にて「アルトは自殺した」と書いたがいろいろと思うところがあり追記。まず管理人が女の国を始めて読んだ際は「師匠がアルトを殺した」と思った。そしてツイッターにて「師匠がアルトを殺した」かもしれないしアルトの気持ちを考えたら「アルトが自殺した」かもという意見を頂き、考え付かなかった「アルトが自殺した」という視点が正しいのではと思い、そちらを主とした上記の感想を書いた。それから時間を置いて改めて読んでみたのだが「師匠がアルトを殺した」のでは思った。これは簡単に言うと弱虫なアルトに自分を撃つ勇気もないと管理人が思ったため。加えてネット上の各レビュー等では「師匠がアルトを殺した」という説が多く見受けられ、本記事のコメント欄においてもたい焼き様より自殺ではないという意見を頂いた。

 

   だが「アルトが自殺した」という意見を否定する意図は全くなく、最初にツイッターで教えてくれた方や、自身のニコ生放送にて「アルトが自殺した」説を支持する方も確かに存在する。ここは原点である小説本文に注目したい。本文では…

 

・レジーは商人達を返り討ちにした後右手にパースエイダーを持っている

・レジーはアルトに敬語で一緒に旅を続けるか、もしくは一緒に国に戻るかを笑顔でたずねた

・そんなレジーに、アルトはハンマーを起こしながらリヴォルバーを向けた

・一発だけ発砲音が轟いた

・空行を挟み「その草原が傾く太陽に照らされて、金色に輝く頃、」にレジーは「"男達"の死体を埋めて」と記述

 

   …とある。つまり、これ以上は語られていない事からどのような可能性もありうる。何があったかはそれぞれの読者に委ねる。これを結論とし、多くの説を許容する形を本記事では採ろうと思う。

 

 


師匠達の容姿と装備:二十歳そこそこ・リヴォルバー・ライフル
殺害人数:9(師匠達の累計殺害人数:120)
師匠達が狼藉を働いた回数:1、正当防衛な殺人(累計数:12)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:黄色い車・商人達が残した物

 

 

[ 小説第21巻 ] 23:22 - | comments(2) | trackbacks(0) |2017.10.13 Friday
スポンサーサイト

[ - ] 23:22 - | - | - |2019.06.09 Sunday
アルトは自殺ではありませんよ。
| たい焼き | 2018/07/24 3:01 PM |
なるほど…。コメントありがとうございます!
よろしければ、そう思ったきっかけをぜひ教えてください。
| 管理人 | 2018/07/25 6:54 AM |









http://umidorinakoto.jugem.jp/trackback/414