キノの旅二十一巻第四話 読書が許されない国 感想 |
●読書が許されない国 -Read or Lie-
一言でいうなら:違法だといわれるとやりたくなる国
名言:(強いてあげるものはなし)
登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:口語がメインの話
あらすじ
出国前に国の感想を求められた。キノはこの国の住人に読書好きが多いことを指摘し、なぜこのようになったか歴史を教えてほしいと言った。すると話し相手はこう答えた。この国では本来読書は違法であり、国中で読んでいた住人は違法行為なのだという。なぜ堂々と違法行為をし取り締まらないのか聞いてみると、過去にはこの国では読書が嫌われていたのだが、前国王は読書好きで国民も本を読むように啓蒙した。しかし押し付けられたのでは楽しいはずもなく、読書は全く普及しなかった。そこで現国王は奇策を講じ、本を禁止にした。すると読書嫌いだった人々が、禁止されているのなら魅力的なのかもしれないと勘繰り手を出すようになったのだという。それにより今のような読書が盛んな国になったのだそうだ。
オチ
エルメスが取り締まりや罰則がないのかと聞くと、あると言われた。警察は多くの違法行為を犯しているものを見つけ出し、"今月一番たくさん法律を破った者"と"その犯罪において得た感想"を新聞で公表しているそうだ。つまり月刊読破ページ数ランキングと読書感想文の掲載?とエルメスが指摘した。
感想
禁止されているからやりたくなる。具体的な事例を挙げるのは避けるが、それらは禁止されている故に人を寄せ付けているのではという事である。しかし、だからと言ってこのように形だけの禁止が取り締まらないとなると、普通の法律も魅力を感じ破られないか不安である。
英題の「Read or Lie」はライトのベルのR.O.D(Read or Die)が元ネタであろう。本作は長らく未完のまま時が流れていたが、2016年8月には10年ぶりの新刊12巻が登場。著者によると完結編となる13巻を一年以内に刊行すると宣言したが、いまだ刊行されず。管理人はR.O.Dのファンなので心待ちにしている。さらにキノの旅の過去作には「遺作の国 -Write or Die-」が存在し、そちらの記事の末尾にて現在のR.O.Dシリーズについての見解を述べているので興味ある方は参照されたし。あとあまり公表する機会がなく放置してしまったのだが、「R.O.D これまでのシリーズを年表でまとめる」と題したサイトを作ったことがある。
キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:48)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:56)
国の技術レベルと特産物等:現代・読書
収穫:なし