キノの旅十七巻第二話 自然破壊の国 感想 |
●自然破壊の国 -Human Nature-
一言でいうなら:建物を壊し自然を取り戻す国
名言:「人間は、"造った何か"より、"何かを新しく造る"ほうが好きだからさ」
登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約10ページ
あらすじ
このあたりは自然豊かなジャングルであったが、これから向かう国はそれに反し見事な建造物が立ち並んでいるらしい。建物といった人間が作り出した見事なものが好きなエルメスは、入国を楽しみにしていた。入国すると、石を用いた見事な建造物や道路があった。だが住人達はキノに対しなぜかよそよそしかった。そして、ホテルの人はなぜか数日後に来てくれればよかったのにと言った。翌朝、住人達が国の中央に立つビルを見ていた。キノもそれに従った。すると、ビルの根本で爆発、ビルはゆっくりと倒壊した。それを見た住人は、満足げによくやったと言った。
オチ
事情を聴くと、住人達曰くこれで立派な国への第一歩を踏み出せたという。この国は石造りの建造物ばかりで自然の美しさがなく、これでは余所の人に見せられない。なので石造りの物を壊し、自然を取り戻していくことが圧倒的多数の投票で決まったそうだ。石造りの町並みを昨日見れてよかったとキノ。エルメスは住人に不便だよというが、自然の前に不便さなどなんだと住人。
国の外でエルメスはなんてもったいないんだ、わざわざ壊さないで今あるジャングルを新しい城壁を囲えばいいと声を荒げた。それを聞いてキノは名言を残した。
感想
新しく造ったもの方が好きというお話。現代社会の人が古代遺跡を見て素晴らしいと思っても、当時の人からしてみれば見慣れてしまったので、古いデザインを壊して新しく立て替えたいと思ったかもしれない。物であれ新製品というだけで魅力があるようだ。
ほかの方のブログで、なるほどと思うことがあった。ネタバレ解説、しまうました『時雨沢恵一「キノの旅」17巻2話「自然破壊の国」のネタバレ解説』(http://shimaumashita.blog.fc2.com/blog-entry-336.html)の文末にて、「あの国の住人達は30年かけて国の中に自然を取り戻したら、数年後にまた1から石でできた家を作り始めるような気がしますw」とのこと。確かに。十分あり得る話である。
キノの容姿と装備:黒いベスト(もともとジャケットで温度に応じて袖を脱着)・白いシャツ
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:37)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:217)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:47)
国の技術レベルと特産物等:近代(馬車)
収穫:美味しい野菜料理