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キノの旅十巻第七話 歌姫のいる国 感想

●歌姫のいる国 -Unsung Divas-

一言でいうなら:少年と少女がキノから逃げ回る話
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス、エリアス、サラ、ユアン、ケイン、ロブ
話の長さ:約170ページ
備考:第三者が主体の話・他話とリンク(長のいる国、依頼時の回想)

 

 


あらすじ
   エリアスは少年で、大人と比べ仕事量が少ないという理由で仕事を失ってしまった。そんな折、ある男達から仕事に協力させられた。それは、サラという令嬢の誘拐であった。


   誘拐は成功した。エリアスは自分の家でサラの見張りをし、男達は身代金取引現場へと向かった。そこに現れたのはキノで、アタッシュケースを差し出した。ケースを受け取りこの場を後にしたリーダー格の男は、誘拐稼業はこれで終わりでエリアスにもいずれいい思いをさせると言った。しかしアタッシュケースが爆発し男達は全員死亡した。


   キノは取引時、仲間と人質がいる場所を聞いていた。なのでそこへ急行したが、エリアスとサラは偶然通りかかった警官を警戒して逃げ出していた。次の日、エリアスは仲間の男達を探したが、見つかったのは男達の見るも無残な姿であった。


   その後、エリアス達とキノは逃走と追跡を繰り広げるが、エリアス達の運と必死の逃走が重なり、キノは何度も仕留め損ねてしまった。逃走から一息ついたサラは、自分が歌姫として歌っている事、メディアに出ているのはモデルの役割の子だという事、そしておそらくその子が死んだので自分も見捨てられたという事だった。エリアスは自分がサラを守ると誓った。


   そしてついにキノは二人を追い詰めた。その時、銃弾がキノの左腕をかすった。サラを殺すことに納得がいかない歌姫の関係者によるものだった。負傷しつつもキノはエリアスを倒し、サラの前でナイフに手をかけた。


   見守っていた関係者の前にキノが現れた。キノは袋に首が入っているといい関係者を驚かせた。そしてそれを燃えている建物の中に放り投げた。

 


オチ
   馬車の商人達と出国した。そこにはエリアスとサラの二人がいた。

 


感想

   ターミネーター1を思わせるお話(実際ターミネーターにおいても同名のヒロインサラが登場し構図が同じである)。キノ視点の描写は多いものの、エリアスらをどこまでも不気味に追いかけてくる。この話の導入は題名よりも手前、つまり「ティーの一日」の直後のページから始まっている。これは異例である(題名より先に本文が来るのは口絵だが「なっていないひとたち」がある)。キノが珍しく負傷する回でもある。味方からの完全な「不意打ち」だった。

 

   本来であれば報酬にはエルメスのパーツのほかに、小さな木箱一杯の宝石がもらえるはずだった。これはキノの報酬上最も高価な稼ぎとなるはずであったが、爆弾が仕込まれていると見抜いたキノは捨ててしまい獲得には至らなかった。だが、エルメスのパーツは探し求めていた希少なものであった。


   この話には誤植がある。後の巻のあとがきでエリアスをエアリスと誤植していると書かれている。そこで記事を書くために改めて読み直した際に探してみたのだが、分からなかった。やむなくネットでさがすと「117P」の最初に確かに「エアリス」となっていた(初版本以外だと修正されている可能性)。

 

 

追記

   改めて読み返してみると、書体を意図的に書き分けていることに気付かされる。話の前半、キノが登場するの文章の語尾は「〜いた。」といった断定調なのに対し、エリアスの場合は「〜した。」=ですます調なっている。そしてそれで終わらず、エアリス達が見た仲間の男達「三人の無残な躯でした(不自然に語尾に「。」がない)」を境に、両者の断定調とですます調が入れ替わっている。これらの使い分けは両者の緊張感の違いを感じるのに一役買っている。

   発売当時は本作のキノが「報酬目当てに殺し屋の仕事を強引に進めた」ということから拒否反応を示した読者が目立った(2chスレッド「時雨沢恵一総合スレ48 アリソンリリアトレイズキノ」など)。管理人としてはこれもキノの側面の一つなんだなという程度で拒否反応や非難まではいかなかったものの、エリアス達の描写が実に純粋に描かれているので同情でき、それを傍目にキノが迫ってくるので敵はキノだという認識で読んでいた。

  

   今回のキノの行動をまとめてみると、

・仕事内容が理由で一旦断ったが、希少なエルメスのパーツの報酬が決め手となり引き受けた

・爆弾入りの身代金を渡し男3人を殺害した(死体を見て黙禱)

・2度はサラを狙撃する機会があったがエリアスが邪魔等で撃たなかった

・貧民街捜索の際、エリアスに撃たれたリーダー格の少年を銃で脅した(こういった銃の使い方は嫌いだが空腹もあり早く終わらせたかったため)

・エリアス達が同乗する一般市民のトラックに発砲、サイドミラー破壊した(無関係な人を巻き込みたくないのでタイヤまでは撃たなかった)

・随所で師匠ならと思い出す発言

・サラが歌姫だと認識し方針転換をした(依頼主からは彼女の正体は興味がないので聞いていなかった)

 

…ということになる。書き出してみると今までになく強引に事を進めているように思える。ただ、仕事を引き受けた理由であるエルメスという存在がやはり大切なのではと思う。ふと思い出したが「神のいない国」ではエルメス奪還のために大分殺している。自身の旅を続ける上でなくてはならないエルメスという存在。そのためにキノは多少強引なことをするのはやぶさかではないのだと思う。
 

 


キノの容姿と装備:茶色いコート・黒いジャケット・ゴーグル・カノン・ハーモニカ型サイレンサー付の森の人・フルート・スコープ
エルメスの言い間違い:秋晴れ→正:天晴れ(累計言い間違い数:23)
殺害人数:3(キノの累計殺害人数:23)
キノが危害を加えられそうになった回数:3、はやまったキノの監視人・エリアス・報酬入りの爆弾(累計数:31)
国の技術レベルと特産物等:現代・歌姫
収穫:摩耗しかけて困っていたレアで高価なエルメスのパーツ

[ 小説第10巻 ] 21:07 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.17 Thursday
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[ - ] 21:07 - | - | - |2019.05.17 Friday









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