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キノの旅五巻第八話 用心棒 感想

●用心棒 -Stand-bys-
一言でいうなら:仕事なので仲良くなった女の子を見捨てる話
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:師匠と弟子
話の長さ:約10ページ
備考:戦闘あり

 


あらすじ

   商人のトレーラー一団を護衛する仕事を師匠達は引き受けた。出発前、師匠は商人の娘に用心棒はいらないと吐き捨てられた。理由は人の運命を決めるのは神様であり、用心棒はそれを邪魔するからだと言う。師匠はそれでもあなた達を守るのが仕事だと言った。

   トレーラーが荒野を移動中、襲撃者達のバギーが押し寄せてきた。そのうちの一人がトレーラーに飛び移り、娘を人質に取った。たすけてと叫ぶ娘。師匠は隙を作り相棒が狙撃、撃たれた襲撃者はトレーラーから滑り落ちて行った。

 

オチ

   目的地の国に到着し、商人は商品である奴隷達をトレーラーから出した。娘は師匠に感謝すると抱きついた。付近では動けなくなった奴隷を撃ち殺す発砲音が聞こえた。師匠は商人の帰りのルートを聞き、乗っていくかという提案を断った。

   ルートは分かったと男。彼らはさきほど襲ってきた襲撃者達で、師匠達は事前に商人の帰りのルートを教えるという契約をしていたのだった。リーダーの男はなぜ弟を殺した、奴らに殺されずに済んだ唯一の肉親だったと詰め寄ったが、相棒が体に巻きつけたプラスチック爆弾を見せると、報酬を受け取り帰るよう言われた。

   いつもの車にて、相棒は体に巻き付けていた携帯食料を食べた。そしてあのトレーラーは襲われるがいいのかと師匠に聞いた。師匠は何も答えなかった。

 

感想
   師匠と弟子の旅の話は久しぶりで、初登場したキノの旅二巻口絵「狙撃兵の話」以来の登場となった。師匠達が人を殺したのも今回が初めてである。襲撃者達を脅す際の弟子が巻きつけていたのは、プラスチック爆弾ではなく携帯食糧だったようだ。娘が死んでいいのかと聞く弟子に、沈黙で答える師匠。彼女はわだかまりを残しているものの、情より仕事を取るようだ。

 

追記

   改めて読み返してみると、このお話は正義の側がひっくり返るお話だと分かった。中盤までは商人や師匠達に正義があると思いきや、護衛対象は奴隷商人で非道な輩であり、襲撃者達はその被害者であった。師匠も結果的に娘を見捨てており、物語の主人公らしからぬ展開である。

 


師匠と弟子の装備:大口径のリヴォルバーとライフルタイプのパースエイダー・細身の自動式とドラム式弾倉の大口径ライフル
殺害人数:1(師匠達の累計殺害人数:1)
師匠が狼藉を働いた回数:1〜二重契約(累計数:2)
国の技術レベルと特産物等:国外
収穫:奴隷商人および襲撃者からの報酬

[ 小説第5巻 ] 19:28 - | comments(2) | trackbacks(0) |2017.08.12 Saturday
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[ - ] 19:28 - | - | - |2019.06.09 Sunday
この話は黒澤明の映画『用心棒』を下敷きにしていると思うのですが、ストレート過ぎて逆に誰も突っ込まないのか同じ意見を見たことがありません。
黒澤明の『用心棒』も主人公が二つの組織を行ったり来たりしてそれを内側からぐちゃぐちゃにしていく話で、こちらの主人公は最終的に義理と人情によって両方を壊滅させますが、果たして師匠は?
私はこの話は勝手に「最後まで語られなかった話」だと思っています。情にほだされた師匠がその後小説一冊分もの冒険活劇を披露したのか、師匠は師匠、三十郎とは違うのさと風のように去っていったのか、読み手にゆだねるラストだったと思います。

まあ、師匠だからなぁと思いつつ、彼女の優しさスイッチってどこにあるんだろう、とか考えるのでした。
| 陽佐倉 | 2018/05/03 3:40 AM |
ううむ、黒澤明作品で『用心棒』という映画があるのですか。知らなかったです。個人的に映画はSFの洋画に目が行きがちで…。やはり黒沢映画は王道で、著者はさまざまなお話でモデルにしているようですね。
| 管理人 | 2018/05/04 4:18 AM |









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