キノの旅を総括したい

"世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"
そんな世界を余すことなく総括する、キノの旅まとめサイト。ネタバレ注意


 
 〜 管理人コメント 〜

小説版キノの旅23巻が
2020年11月10日発売!
恒例のレビューは年末年始
頃からになると思います


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キノの旅 登場人物目次

各キャラクターについて特徴や能力、作中での出来事を時系列順にまとめる。2018/10/19〜全体的に記事を補強修正

 

 

「キノ」
「エルメス」

 

「シズ」
「陸」
「ティー」

 

「師匠」
「相棒」

 

「フォト」
「ソウ」

 

 

 

記事掲載の順列の都合上、投稿日時を操作。 初投稿日2018/3/30

[ 登場人物 ] 19:00 - | comments(0) | trackbacks(0) |2018.02.09 Friday
キャラクター「キノ」について

2018/12/5記事修正〜項目「師匠との出会い」における説得力のリンクについて、以前は何かをするためにの前にあったが、これを何かをするためにの後に移動。放送で指摘してくれた方に感謝

 

 

 

 キノの旅における主人公の少女(平和な国でのみ記述)。年齢に関しては十代中頃と記述される事が多い(例外:人を喰った話)。声は少年のような少し高い声をしている(森の中で)。旅人として相棒のモトラド「エルメス」と共に、一つの国に三日間滞在するというルールの元世界中を回っている。出身は大人の国で、生まれた時は「×××××」という別の名前があったが、なんという名前なのかは明かされてはいない。

 

 

 

●特徴
 キノの容姿はお話の冒頭で触れられることが多く、若い人間で十代中頃、茶色のコート(さらに黒いジャケットかベスト)を着て、腰を太いベルトで締め、頭には鍔と耳を覆うたれのついた帽子をかぶり、銀色のゴーグルを装着。右腿にはハンド・パースエイダーのホルタ―があり大口径のリヴォルバーが。腰の後ろにもう一挺、自動式も付けている――これらが度々述べられている。さらに髪は短い黒色で、瞳はダークブラウンである(血液型の国)。
 キノは旅をすることを第一に考え行動する。たまに、自分以外の世界や人の生き方を美しく感じ、それらをもっと知りたくて旅をしている(森の中で)。それを続けるためなら人を殺すのも厭わない。この考え方は、移住先を探すために旅をするシズや欲望を満たすために旅をする師匠とは異なるものである。

 

 

 

●大人の国にて
 キノは大人の国で宿屋を営む両親の子供として産まれた。当時はキノという名前ではなく、×××××という名前であった。大人の国は12歳の誕生日に大人の手術をする国で、少女キノ本人も国のしきたり従い大人の手術を受ける事を自然と受け入れていた。
 しかし、12歳になる直前に出会った初代キノとの出会いが人生に大きな影響を与えた。自由な旅人としての生き方に魅せられた少女キノは、大人の手術を受けたくないなと両親に言ってみた。何気ない少女の疑問だったが両親は激昂、いままでの優しい態度が嘘のように少女キノを攻め立て、さらに初代キノにも詰め寄った。彼は予定通り出国することにし、もう行ってしまうのと聞く少女キノに三日間いたからと理由を告げた。だが両親が包丁を持って立っていた。なんでも子供は親の所有物なのだから失敗作を処分する権利があるのだと言う。そして父親は包丁をキノに向け突進した。少女キノは死を覚悟したが、その間に旅人キノが割って入り彼が死んだ。
 次は自分だと思ったその時、どこからか声がした。その声の第三の選択、逃げるを選んだ少女キノは、モトラドのエルメスに乗り故郷から脱出した。そして城壁の外にある花畑に倒れ込んだ。これからどうすると聞かれ、その時のキノは答えようがなかった。

 

 

●師匠との出会い
 その後キノは森を彷徨いのたれ死にそうになった(インタビューの国)。そんな時師匠と出会い(一期アニメ「彼女の旅」にのみわずかに描写あり)一緒に暮らすことになった。そこでキノは師匠に銃やサバイバル術について指導を受けた。
 そんなある日の事(何かをするために)、キノはかつて目の前で死んだ初代キノについての手がかりを得た。ずっと初代キノの死を気にかけていたキノは、彼の国へ行くことを決意した。彼の国に着くとスムーズに初代キノの母親に出会うことができ、キノは母親に謝罪した。すると母親は教えてくれてありがとうと言いお茶を出してくれた。しかしお茶にはしびれ薬が盛られており、体の自由が効かなくったキノは母親から首を絞められた。キノは命からがらパースエイダーを取り出し、今はボクがキノだと宣言し母親を撃ち殺した。
 気が付くとキノはベッドで目覚めた。長かった髪は血に染まったため短く切られていた。住人の老人から事情を聞き、さらに「このことで泣かなくてよくなった」と諭された。キノは師匠の元に帰ると、師匠に強くなりたいのと旅の話をまた聞かせてほしいと言った。それを受け、師匠はキノに持てる技術を徹底的に叩き込んだ(説得力)。

 

 

●旅立ち
 その後キノは師匠の元から旅立った。反対されたら決心がゆらぎそうだったので師匠に言わず抜け出した(インタビューの国)。十五歳ほどのキノは旅に不慣れなこともあってか砂漠で死にかけたが、運よく雨に恵まれ旅を続けることができた(砂漠の真ん中にて)。
 それ以来キノはさまざまな国を見て回った。当初は所持しているパースエイダーは師匠から拝借した「カノン」のみであったが、後に優しい国で「森の人」を託され、さらに英雄達の国-Seven Heroes-で「フルート」を入手した(言い換えればキノの時系列を辿るうえで重要な手がかりはこれだけである)。道中シズとの邂逅等さまざまな出来事があったが、どこかの国に落ち着いて暮らす考えはないようである(渚にて 旅の始まりと終わり)。

 

 

 

●旅で心掛けている事
・基本的に一つの国に三日間滞在すると決めている(多数決の国)。だが安全に関わる忘れない国、通せんぼされた迷惑な国、居心地が悪い正義の国等、絶対という訳ではない
・いつも夜明けと同時に起き、パースエイダーの整備と訓練をする。さらに寝ているエルメスを起こす
・国の中では必要以上の発砲を控えている(自由報道の国病気の国
・危害を加えてきた者を除き、死者には黙祷をささげる(人を喰った話日時計の国など)
・城壁の外で死体を見つけた場合、なにか使えそうなものを探す。しかし自分が殺して奪ったと思われるとたまらないので、特徴的な物は避ける(インタビューの国
・「人を助ける時は、相応の覚悟が必要ですよ」という師匠の教訓のもと、城壁の外で人が倒れていてもおいそれと助けず(復讐の国)、旅に同行者を設けることを望まない(優しい国×××××

 


●性格
 キノはさまざまな国を見て回り、時には国での込み入った事情を目の当たりにするが、基本的に距離を取り感情移入せず見ているだけである。その理由については「神様にはなりたくない」と答える時がある(二人の国彼女の旅-Chances-)。そのため、倫理観を問われる場合でも介入することは滅多にない(例外:戦う人達の国)。具体的には虐殺と取れる光景を見ても動じず(平和な国)、目の前で国が災害に見舞われても素通りし(忘れない国商人の国)、撃たれている人がいても自分に害が及ばないなら手を出すようなことはしない(彼女の旅-Chances-)。
 一方で、自身の旅の遂行に関わる場合は強引な手段を取ることもあり、危害を加えられそうになったら躊躇なく殺害し、摩耗しかかっているエルメスの希少パーツを得るために殺人の依頼を引き受けたり(歌姫のいる国)、奪われたエルメスを取り戻すために教団を壊滅させたりする(神のいない国)。
 だが人情がないのか言われると全くそんなことはなく、国々で会う人々に対しては礼儀正しく丁寧語で接し、世話になった人に対しては恩返しをするべく接している(城壁のない国迷惑な国

 


●戦闘技術・能力
 師匠に鍛えられたキノは、危険の多い旅においても無類の強さを誇るパースエイダーの有段者である
・コロシアムのトーナメントを勝ち抜いたうえ、遠くで防弾ガラスに守られた王の頭をカノンで撃ち抜いた(コロシアム
・ホールドアップ状態から仕込み銃を用い返り討ちした(人を喰った話
・七人のパースエイダーを持った手練れに一人で立ち向かい全滅させた(英雄達の国 -No Hero-
・遠方より迫りくるミサイルと、その発射装置を狙撃した(迷惑な国
・距離200mの目標をフルートなら伏せずに命中させることができる(草原の話

 

 しかし、これらの目覚ましい活躍ともいえる事柄に関してキノ自身が自慢するようなことは決してない。たくさんの修羅場を経験してきているのだろう?という問いに対しキノは「自慢するようなことは、何もありませんでした」と答え(神のいない国)、人殺しの要請を受けた際は「ボクは人殺しが好きではありません。そして、ボクが人を殺すのを期待し、それを見て楽しんでいる人がいるのは、より好きではありません」と述べ、さらにその国に対して唯一的に二度と来ないと宣言している(必要な国)。

 


●その他
・旅先の国に求める一番重要なことは「のんびりできること」である(有名になれる国必要な国
・国に入ってまずやることは、食事か暖かいシャワーと白いシーツのベッドがある安いホテルを探すこと
・エルメスに「びんぼーしょー」や「がめつい」とよく言われ(人の痛みが分かる国彼女の旅-Chances-など)、料理が食べ放題の時はひたすら食べまくり、もらえる物はエルメスに限界まで積もうとする
・一方で料理の腕は壊滅的であり、あの師匠ですら死にかけた(料理の国
・お茶を飲む際は毒を用心し「面白い香りです。なんていうお茶ですか」と言う(人の痛みが分かる国など)
・右利きかつ利き目が右である(左利きの国死人達の国30p)
・注射が苦手である(同じ顔の国など)
・「キノ」という名前の持ち主は、いつもの主人公キノ・初代キノ・戦う人達の遺児・映画の中のキノの四名存在する

 

 

 

記事掲載の順列の都合上、投稿日時を操作。 初投稿日2018/9/28

[ 登場人物 ] 21:00 - | comments(0) | trackbacks(0) |2018.02.09 Friday
キャラクター「エルメス」について

   キノの相棒。旅においてキノが乗るモトラドで、しゃべることも出来る。声は少年のようである(出典:大人の国)。モトラドなのに上手にしゃべる理由は「おしゃべりな性格」のためらしい(悪魔が来た国)。モトラドということで走っているときが一番幸せであり(森の中で)、キノが旅をするうえで欠かせない足となっている。同時にキノの話し相手であるほか、後述するような人間離れした能力を持ち合わせている。それを為せる理由は「モトラドだから」だそうだ(犯人のいる国鍵の国)。

 

 

 

●キノとの出会い

   大人の国を訪れた初代キノにより、捨てられていたところ修理された。しかし初代キノは非業の死を遂げ、いつもの主人公キノが危機を迎えた際に声を発し、キノと共に国から脱出した。そして紅い花畑にてキノによりエルメスという名前を授けられた(由来は初代キノが乗っていた昔のモトラドに似ていることから)。キノとはそれ以来の相棒であり、離れ離れになっても(神のいない国羊たちの草原)別れることなく、固い絆で結ばれている(願い)。

 

 

●特徴
   エルメスはキノと旅をするうえで常に行動を共にしており、屋内であれ同様である。国の住人との会話にも普通に参加するが、シリアスな場面で茶化すことも多い。朝、キノは常に夜明けとともに起きるが、エルメスはいつも寝坊するためキノに度々咎められている。会話中、ことわざを発することがあるがよく間違える。そしてキノにツッコミを受けるのだが、時折ツッコミを受けない際に戸惑っていることから、わざと間違えている伏しがある。そして後述する数々の能力により、キノの知恵袋として旅に多大な貢献をしている。

 

 

 

●優れた視力
・走行中、欄干に文字が書いてあることに気付く。キノは近くにいても分からなかった(橋の国
・人間には読めない大きさの文字を読める(完璧な国
・ソウ談「モトラドの視界は全周ある〜」(見えない真実)。エルメスが走行中「キノ。後ろ。七時の方向」と発言、キノは見えなかったがエルメスは相手が馬で追いかけてきている所まで把握した(塩の平原の話

・一瞬視界に入った変わった建物を気付いた(つながっている国
・映画で約千のマイクロミサイルが映った際、使用していないミサイルの個数を把握した(キノの旅の国

 

 

●計測器レベルの測定能力
・凶悪犯を見て測ったかのように身長を言い、そこから推測できる体重、ほかにも目の色まで把握していた(犯人のいる国
・今の気温を言うことができる(つながっている国
・射撃に影響する環境要素を把握。対象までの距離から風向き、湿度に至るまで(この世界の話
・現在地の緯度経度を把握している(日時計の国
・今現在からキノを名乗った時までの時間を数えることができる(時計の国

・いわゆる水平度が分かる(鍵の国

 

 

●豊富な知識
・建築物に造詣が深く、優れたものには興奮する(自然保護の国自然破壊の国ほか)
・音だけでシズのバギーを「シエノウスのバギー」と言い当てる(コロシアム
・設計図の飛行機が飛行可能か分かる(魔法使いの国
・温暖化について知識(道の話
・大砲の設計図と計算式を(数十秒間フラッシュ計算のように)見せられ、大砲の着弾地点を把握した(日時計の国
・マスドライバー(日時計の国)や大陸間弾道弾(鍵の国)を知っている
・ほとんど消えかけた古い文字を読める(鍵の国
・いわゆるゾンビ計画の真相を知っている(死人達の国

 

 

 

●その他性能
・頑張れば荷物込みで時速100キロ出せる(コロシアム

・耳もいい(海のない国見えない真実のソウ)
・臭覚も感知できる模様(税金の国
・暑いと発言(花火の国)、寒さも感じることができるがエルメスが気にするのはオイルの粘度である(消えた国
・キノが驚くレベルの声真似ができる(キノの旅ASBD特別冊子「円盤の国」)

・犬にマーキングされそうになった際、人間には聞こえないようにかなり高いところで大きな声を出した。人間の可聴域外で声を発することができる(学校の国

 

 

●その他情報

一人称は「ぼく」であるが…

・寝ているとき夢を見ることがある模様。キノに起こされた際「ああ。電報を打ちに行くんですね。了解」と発言(本の国

・走っていても退屈する(城壁のない国

船の国にて「同じ人間じゃないよしみで」機械から話を聞けた=機械とは別種のよう。また生き物でないと言われる(寄生虫の国

・老婆師匠に機関砲を付ければと提案されたが遠慮した(何かをするために

・エルメスにキーがあるかは作者も知らない謎である(著者ツイッター

 


●エルメスでも出来ない事

・自律走行。運転手にバランスを取ってもらわないとならない(大人の国
・飛ぶことは出来ない(キノの旅ASBD特別冊子「円盤の国」)。羊たちの草原は例外
・これまで幾つ国を訪れたかは分からない(忘れない国
・犬がしゃべることは知らなかった(コロシアム

・モトラドにはカンがない(犯人のいる国

・痛覚はない、もしくは衝撃を苦に思わない。キノにツッコミで叩かれる際「イテ」と言うものの、フレームが折れるかと思う衝撃(コロシアム)や、崖を飛び越える際に飛んで着地した時(羊たちの草原)も痛さは訴えなかった

 

[ 登場人物 ] 21:54 - | comments(0) | trackbacks(0) |2018.02.09 Friday
キャラクター「シズ」について

 

   キノの旅の第二の主人公で、コロシアムの時点で22歳の青年(続・絵の話より逆算)。キノに及ばないものの圧倒的な実力を持つ剣豪であり、元王子という経歴を持つ。王である父親を殺すためにコロシアムに参加するが、決勝戦でキノと対戦し敗北。しかしキノが王を撃ち抜いたことで意図せず宿願を果たした。その後はやりたいことを見つけるため、犬の陸と共に放浪の旅をしている。船の国以降はティーが仲間に加わった。

 

   シズが登場するお話一覧

 

 

 

●シズの信条
   不干渉を貫くキノとは対極で情に熱く、困っている人がいれば積極的に関わっていく。民を困らせていた盗賊を皆殺しにしたり(出典:たかられた話)、遭難した郵便局員の捜索を二つ返事で請け負ったりする(手紙の話)。これら行動理念はたかられた話でのシズの発言

「困っている人がいて、自分が助けることができるとする。その場合、自分がそれをするのに、あまり大きな理由が必要だとは思えない〜」

に裏付けられるものである。しかし、自己犠牲を貫き真実を民に説いたにも関わらず拒否されるということも多い(船の国電波の国)。だがそれに対し恨み節を言うわけではなく、常に己の信条に沿って行動している。

 


●能力
   武器は日本刀で(小説9巻人物紹介欄に記述あり)、相手がパースエイダーで武装していても刀により銃弾を弾くことができる。コロシアムにて観戦していた兵士が推察するに、相手の狙う先と目と指の動きで弾くようだ。そのため無類の強さを誇り、22人のパースエイダーを持った盗賊を全滅させたこともある(たかられた話)。

   また、はるか遠くの建造物が見渡し、陸曰く人間離れの視力を持っている(遺産の国)ともあるので、銃弾を弾く神業に一役買っている可能性がある。そのほか子供時代に王家で過ごした影響で絵の価値が分かるのと同時に(続・絵の話)、自ら絵を書くのも上手である(船の国)。

 

 


●生い立ち
   シズは王家の生まれで、叔父が王として国を統治しみなが質素に暮らすいい国の出身だった。だがシズが十五歳の時に父親がクーデターを起こし、叔父をはじめ親戚縁者を皆殺しにし王に成り代わった(王には二人の子供がいてうち一人がシズだが、もう一人がどうなったかは小説21巻を経ても明かされていない)。国から逃げたシズは復讐を誓い、父親を殺すために自分を鍛えた。犬の陸とはそんな時期に出会い(届ける話)、さらにそれ以前にバギーを戦場跡にて拾っている(川原にて)。

 

 

●ラファとの出会い
   実力をつけたシズは、復讐を果たすため陸とともに故郷へ向かった。その途中、ある少女に出会った。少女はラファと言い、シズの召使いを買って出た。最初はシズは拒否していたものの、しつこい申し出にシズが折れた。しかしそれは少女ラファの命を懸けた嘘であった。彼女は貧しい家族のためにシズから身売りのお金を得て、さらには自身の内臓も売り払い人生を捨てたのであった。彼女の命を懸けた行為を目の当たりにし、己も命を懸けて復讐をするという決意をより一層強くした(祝福のつもり)。

 


●コロシアムにて
   コロシアムに参加したシズは順調に勝ち進んだが、決勝戦にてキノが立ちふさがった。シズは刀でキノが放つ銃弾をことごとく弾いたものの、一瞬の駆け引きでキノに動きを封じられ勝敗がついた。シズは勝利してメダルを授与される時に王である父親を殺し、自分も殺されるつもりであった。しかしキノが王を撃ち抜き意図せず復讐を果たし、同時に生き延びることとなった。そのため、やりたいことが見つかるまで放浪の旅に出ることにした。

 


●船の国にて
   放浪の旅の折、シズは西の新大陸にわたることを決意、船の国に乗り海を渡ることにした。そしてティーと出会い行動を共にし船の国の危機を察知、放置する指導者の打倒を決意する。指導者側についた用心棒キノに再び敗北するものの、指導者がキノを倒されたと勘違いをし大陸へ行くことをやめると言い出したため、キノと共闘し指導者を追い詰めた。この国の王になるつもりかと言う指導者の問いに、必要ならとシズは答えた。ロボットであった指導者はそれを聞くと自壊。シズは船の国を陸地につけ、民に船の国の破滅と新天地を説いたが、現状維持を望んだ民から拒否、さらには親代わりであった指導者を倒したことでティーに刺され負傷した。しかしそれでもシズはティーに助け合っていこうと言い、ティーはそれを受け入れた。

 


●新しい仲間ティー
   負傷から回復したシズは、ティーという新たな仲間を得て再び旅にでることにした(電波の国)。いままでシズは自分がやりたいことを見つけるという考えを元に定住地を探していたが、これからはティーが暮らしやすい国であることも条件に加わった。ティーは基本的に無口であるが、突然突飛な行動に出ることが多い。時にはそれを諌めつつ、年上として教育を施している。

 

[ 登場人物 ] 00:50 - | comments(0) | - |2018.02.17 Saturday
キャラクター「陸」について

   シズと共に旅をする白い犬。言葉をしゃべることができる。自称シズの忠実な僕(しもべ)であり(出典:コロシアム)どこまでシズに付き従うと決めている。性別については小説では直接の言及はないが(キノは陸君と呼んでいる)、アニメでの声は明らかに渋い男性の声である。シズのお話における語り手で、笑っているようにみえるが生まれつきだと言うのがお約束である。

 

 

 

●性格
   シズを呼ぶ際は「〜様」を付けており、基本的に誰に対しても敬語である。しかしエルメスに対してだけは例外で、犬が喋ることを驚かれて以来目の敵にしている伏しがある。シズに対しては「逆立ちしても導くことはできない(コロシアム)」、「私の許可など必要ありません(船の国)」と述べているように、主人を最大限に尊重している。だが続・絵の話では道理を外れようとしたシズを諌(いさ)めたこともある。移住先が決まらないことに関しては「シズ様がいる場所が、私のいる場所ですから(愛と平和の国)」と答えており、何があってもシズに従う姿勢を見せている。

 


●役割や特性
・戦闘の際シズと連携、陽動をこなす(たかられた話
・シズがお茶を飲む際は毒が入っていないか匂いをうかがう(のどかな国戦って死ぬという事
・シズが刀を置き目を離す際、それを見張るのが自分の役目だと自負している(のどかな国
・シズがバギーを洗う時(川原にて)や寝る時(船の国)は見張りを務める
・鼻が訊き敵の待ち伏せを察知できると推察される(山賊達の話
・物事を細かく数えるのが得意。船の国にて複雑な街を進んだ際、数十回単位の右折左折数を覚えていたり、ティーが地図に指さした回数が143回だと数えていた

 

 

 

●シズとの出会い
   陸とシズの出会いについては小説21巻を経てもあまり明かされていない。続・絵の話にて、シズが復讐を誓い自分を鍛えようと苦労していた頃、陸はシズに出会ったと記述されている。また川原にてではシズは用心棒の仕事がないときにバギーを拾い、その後に陸と出会ったとの記述がある。それ以来陸はずっとシズに付き従っているようである。

 


●復讐の旅
   シズはいよいよ復讐を果たすため故郷へと向かうこととなった。しかし陸は最後まで反対した。故郷へ向かう途中の国(祝福のつもり)でも理由をつけてやめさせようとしたが、シズは受け付けなかった。そしてついに故郷に到着。シズはコロシアムで勝ち進み、決勝戦を前にして陸に別れを告げた。しかし決勝戦の相手であるキノに惨敗。陸は当時を思い出し複雑な心境だったと振り返っている(続・絵の話)。だが勝利したキノが王を撃ったことで復讐が果たされ、シズが死ぬ必要もなくなった。これにより再びシズに付き従うことができ、陸はそれを実現してくれたキノに大変感謝している。

 


●新しい仲間ティー
   復讐をという目的がなくなり放浪の旅をしていたシズと陸は、船の国に入り無口な少女ティーに出会う。そして紆余曲折を経て主人のシズがティーに刺される。その時、陸は重要な選択をキノに問われることになる。それは、シズを見殺しにするか、助けるためにティーを殺すかであった。考える余地もなく陸は決意しそれを言おうとしたが、負傷したシズがそれを遮った。シズはどちらでもなくティーと共に生きることを選んだのである。

   シズの傷は回復し、新たにティーを含めた三者の旅が始まった。しかし陸はティーを殺してほしいと思ったことを気にしていた。だがティーが「りくはなかまだ」と言い、陸は心からの笑顔を見せた(ティーの一日)。ティーを仲間だと認識しはじめる陸であったが、相変わらずティーが何を考えているかは分からない状態が続いた。しかし長い時を経て小説19巻首輪の国で「何を考えているか予想がつくようになってきた」とあり、ようやくティーの事が分かり始めた。

 

 

 

●喋る犬について
   コロシアムにて陸が喋った際、エルメスはとても驚いていた。あの博識なエルメスに関わらずである。そもそもキノの旅において人間の言葉を喋る動物は全く登場しておらず、ペットの国では動物が大量に登場しているものの動物は一切喋らない。こうなると喋っているのはシズの妄想とも考えられるが、少なくとも祝福のつもりにてラファが陸の発言を踏まえた会話しているので、妄想である可能性は低いのではないだろうか。一方で犬に首輪をすることが稀ということ分かるエピソード(首輪の国)もあり、逆説的にみれば一般人は陸が特異な存在ではないようである。

 

 

[ 登場人物 ] 23:31 - | comments(0) | trackbacks(0) |2018.02.23 Friday
キャラクター「ティー」について

   シズと陸の旅の新たな仲間となった少女。ティーは愛称で本名ティファナである(漂流船の名前が由来)。年齢は陸が見たところ十二歳くらい。船の国で育つもシズの行動により人生が大きく転換し、彼らと共に世界を旅をすることになる。無口であるが時折鋭い指摘を行い、そのたびにシズ達を驚かせている。

 

 


●特徴
   基本的に無口。しゃべる際は小説上ではひらがなのみで記述され、しゃべらない際は一貫して「…………」と記述される。顔色は他人から見れば仏頂面に見え、何を考えているのか分からない。髪の毛は白で短め。好きなものは携帯食料(出典:船の国人間の国)にナイフ、手榴弾である(電波の国)。手榴弾に至っては水場に投げ込み爆破することで魚を獲っている(育てる国)。一方で驚くべき記憶力の持ち主で、船の国では100以上ある破損個所を覚えていたり、地図帳を暗記しいきなり現場で活用するという離れ業をしている(渡す国)。

 


●生い立ち
   ティーは船の国の住人の子ではなく、国に立ち寄った旅人が捨てた子であった。いろいろな国を渡り歩いていた両親は、船の国を気に入り一年以上滞在、そしてティー(当時は別の名前)が産まれた。しかし両親は国に飽きたので出国、その際旅に子持ちは不便だと、偽装したぬいぐるみを抱えてティーを置き去りにした。
   そのためティーは指導者達によって育てられた。指導者達はティーに捨てられた事もはっきり伝えたらしい。また機械の指導者達は人間であるティーを使い、住人のスパイまがいなことをした。それゆえに住人達はどこからともなく現れるティーを恐れることとなった。そんな折シズが船の国に入国、指導者達は監視役としてティーを派遣した。

 


●シズとの出会い
   シズには案内役として近づき行動を共にした。当初は消灯時間までの付き合いであったが、5日目から同じ部屋で寝るようになった。その際シズは船の国の軋む音に関心を寄せ、船の国は危険な状態にあることが判明した。そこでシズは行動を起こし指導者達を打倒した。それはティーにとって育ての親が倒されることを意味したが、ティーは無言のままであった。そして指導者から最後に「―そして一緒に生きろ」という言葉を受け取った。シズは船の国を陸地に付け、住人達にここ暮らすことを勧めたが、住人達は拒否した。それを見てシズはティーにも国へ戻るよう勧めた。しかしこれは、ティーからしてみれば育ての親達を失い、さらには新しい主人を失うことを意味した。

 

「わたしにもどるところなんてない!」

 

   高く澄んだ声はティーが初めて発した声であった。そしてティーはシズにナイフを刺した。しかし負傷したシズはそれでも一緒に助け合っていこうと言い倒れた。それを見たティーは、シズが死んでしまうと思い心中しようとしたが、キノの狙撃により最悪の事態は避けられた。

 


●新たな旅立ち
   キノの適切な救命処置によりシズは一命を取り留めた。回復したシズはティーと共に移住地を探す旅に出発することにした。シズは行く先々でティーにいろいろなことを教えていき、それをティーは反応が薄いながらもしっかりと聞いていた(亡国の国)。9巻電波の国より旅立ったティーだが、しばらくして13巻旅人の国より鋭い指摘が見られるようになり、それがもとで隠れていた真実が明らかになるようになった。

 

 

 

●ティーの鋭い指摘
・探し求めていた旅人の親が本物でないと気付いた(旅人の国
・社長が仕掛けた爆弾について真偽を疑った(亡国の国
・上官が元洗脳少年兵だと見抜いた(戦って死ぬということ
・バギーを手放なすことを反対し、後にとても役立った(渡す国
・地形や環境を把握し町の破壊方法を提案した(遺産の国
・環境慈善家が嘘で木の下に秘密があると見抜いた(守る国

 


●その他
・好戦的な性格で「たたかいだな。ばくだんならまかせろ」とグレネードランチャーを取り出して言った(亡国の国
・嫌いな人からの手紙受取を拒否する女性に「よまないとだめ」と粘り強く連呼した(手紙の話

・老婆となったティーだと思われるエピソード「むかしの話」が存在する
・管理人的名言「なかみを、みてほしいもんな」(美男美女の国)。容姿で移民が認められなかったシズに対しティーが言った台詞。「〜もんな」とは男性が何気なく使う言葉だと思うのだが、それをティーが言うのが面白い

 

[ 登場人物 ] 00:53 - | comments(0) | trackbacks(0) |2018.03.03 Saturday
キャラクター「師匠」について

   キノが故郷から逃げたした先で出会った老婆。本編におけるキノの強さは師匠から鍛えられた賜物である。小説では師匠が妙齢のころのエピソードも描かれており、当時は相棒と組んでさまざまなことに首を突っ込み、金品をせしめていた。さらに、小説21巻女の国にて師匠の旅立ちが明かされた。2018/12/7追記〜ちなみに妙齢と表現される師匠の設定であるが、著者は20代前半のイメージで師匠を書いているそうだ(2017年アニメ「歴史のある国」オーディオコメンタリーでの発言)。

 

  師匠が登場するお話一覧

 

 


●特徴
   女の国の出身で本名レジー。一人称は私(用心棒)。女の国のお話の時点で両親を失っている。銃の扱いに長け愛用の大口径リヴォルバーはもちろん、ライフル(ケダモノの国)から車両搭載グレネードランチャー(昔の話)に至るまで使いこなす。そして、これまで一度も被弾したことがない(生きている人達の話)。
   師匠の旅の目的は金目の物であり、そのためであれば要人護衛報酬のために多くの人を殺したり(昔の話)、川に身を投じるという危険も厭わない(楽園の話)。ある時は分け前で喧嘩している旅人達に銃を向け金品をせしめたり(中立な話)、王の駆け落ちの協力ついでに火事場泥棒をしたりと狼藉を働いている(ある愛の国)。だがお金のことしか考えない悪人という訳では決してなく、昔の話では多くの民衆を殺した後で強力な武装トラックを民衆に売り犠牲者を減らそうとしたり、重要な研究データを研究者に渡したうえ特許料を受け取らず薬の販売価格が下がるようにしたりと善人な部分も目立つ(宝探しの話 -Generic-)。

 さらに師匠は博識であり、水晶だと思われていた石をダイヤモンドだと見抜いたり(開運の国)、長すぎるアジンの国から後日出会うミライツーの名前を把握したり、60人以上の村民の名前を一回紹介されただけで把握したり(楽園の話)と見事な完璧超人ぶりである。
   そんな無敵に思える師匠だが、唯一の弱点が「おばけ」で、森の中のお茶会の話では報酬を目前にして即時撤退した。

 

 

●旅立ち
   師匠ことレジーは女の国の出身で、二十歳そこそこの頃「"この国最強の武闘家"と言われる師匠」のもとで修行をしていた。女の国はあらゆる面で女性が優位な立場にあり、男性の権利が著しく制限されていたが、住人達にとってはそれが当たり前だった。しかしレジーだけはそれを疑問に思い、男女は体の違いはあれど、ともに協力すればよい国になると思っていた。
   そんな折、恋人のアルトは車所持の許可が下りたため小さな黄色い新車を購入した。レジーは喜び、その勢いで国外へ繰り出すことにした。しかしそこで出会った商人達により拘束され、恋人のアルトも懐柔されてしまった。絶体絶命の危機に陥るレジーであったが、一瞬の隙を突き逆襲、商人達を全滅させ裏切ったアルトとは死別した。一人になったレジーは気の向くまま飽きるまで、そして小さな黄色い新車が壊れて走れなくなるまで旅をすることにした。

 


●師匠と相棒の旅
   月日は流れ、車がボロボロになったころ。師匠は長のいる国に入国した。長旅で経験を積んだらしき師匠は依頼を承諾、長を含め山賊を皆殺しにした。その際殺しこぼれた男が師匠に同行を申し出た。師匠は初め拒否したが、自分には出来ないパースエイダーの整備ができるということで旅の同行を許可した。師匠は相棒に常に車の運転をさせたり、狙撃兵の囮(狙撃兵の話)という危険な仕事をおしつけたりとこき使った。そのような関係の元2人は長い間旅を共にし、さまざまな国に訪れては儲け話に寄り付き、金品をせしめていった。

 

 

●師匠の活躍
・国を出て早々、拘束およびゴム弾被弾から自ら肩を脱臼、隙を生み出し包囲していた商人8人を殺した(女の国
・機関砲を用い山賊のアジトを狙撃、20人以上いた山賊を全滅させた(長のいる国
・濡れ衣をきせてきた警察を相手取り警察本部を占拠籠城、大金をせしめた(歴史のある国
・商人の失礼な物言いがきっかけで、護衛4人の腰のパースエイダーを即座に撃ち抜き使えなくした(いい人達の夕べ
・戦争を吹っかけられ困っている国の軍師を買って出て、見事な統率をとった(殺す国
・多勢の民衆の包囲網の中、要人護衛のため車両搭載のグレネードランチャーを駆使し活路を見出した(昔の話
・隙のない対策のもとヒグマを仕留めた(ケダモノの国
・相棒にケガを負わせるという大胆な策を講じ、殺人犯をあぶりだした(宝探しの話 -Genocide-

 

 

●キノの師匠
   それから長い年月が経ち、師匠はひとり人里離れた森のログハウスで暮らすようになった。そしてそこにキノとエルメスが現れた(ごく一部がアニメ一期彼女の旅にあり)。師匠は国に追われ困っていたキノを保護し、一緒に暮らした。その後、キノはなにかをするためにを経験し強くなりたいと願うと、師匠は持ち前の旅の知識や戦闘術をキノにたたき込んだ。一方でエルメスの操縦は今では忘れてしまい、ぞんざいにあつかったりしている(説得力)。

 

 

 

 

[ 登場人物 ] 22:45 - | comments(0) | trackbacks(0) |2018.03.09 Friday
キャラクター「相棒」について

2019/1/5〜ガキの頃より森の人を愛用していたことを追記

 

 

   師匠が現役の頃、共に旅をしていた若い男。左利き(宝探しの話-Genocide-)で金髪碧眼(ある愛の国)。少し背が低くてハンサムな容姿。現役時代は破天荒な師匠に付き従うが、これは実力がなければできないことで、用心棒ではトレーラーより追手の車を狙撃し足止めしている。また、キノが旅をしている時代では優しい国のパースエイダースミスとして登場した。本名は明かされておらず、小説9巻の登場人物紹介においては「相棒」と書かれている。

 

 

 

●相棒の信条
   昔の話にて師匠と相棒は、要人護衛のため怒れる民衆の群れをトラックで突破することとなった。運転を任された相棒は、同乗した要人に語りかけた。他人が死んでも痛くも痒くもない。私腹を肥やす間は民は苦しんでいたであろうが知らないと。しかし最後に、良ければ自分が生きるために人が死ぬということを見ておくようにと言った。発言の是非は置いておくとして、この経験を経た要人は亡命先の国で大統領に登りつめるほどの立派な人物となっている。
   相棒は師匠と共に散々危ない橋を渡りつつも、このような生き方をしているのであればいずれ死ぬと悟っている(生きている人達の話)。しかしそう思いつつも、不意の事態で死なず、いつどうやって死ぬのか、分かっている朝が来ますようにと星に願いをかける一面もある。そしてその願いは優しい国で叶うこととなった。
   旅先においては基本的に前向きで、生きるのは楽しいものだと説いたり(殺す国)、役目を終えるつもりだった高性能機械に新しい人生を見つけることを促したり(止まった国)と、暗いそぶりを見せたことがない。

 


●師匠と出会う以前
   相棒の過去を直接描いたエピソードは存在しない。しかしながら各所で過去を匂わせる台詞が存在している。アジン(略)の国では子供の頃は優等生でテストはすべて満点で将来を期待された神童と言っており、昔の話では祖国から逃げ出したと述べ、殺す国では「仕方なく始めた旅が今の生き甲斐」と言っている。そして、森の中のお茶会の話では故郷も待つ人もいないと述べている。また冗談とも取れるが実家から出た際は編み物の途中だったらしい(止まった国)。そしてパースエイダーの森の人(相棒エピソードでは森の人直接記述なし)についてガキの頃からの愛用品と述べており、その頃からパースエイダーを扱う暮らしだったようだ。
   長のいる国のエピソードより半年前ほど前には、師匠はある国で相棒の手配書を目撃しており、元は手配されるほどの悪者であったようだ。さらに歴史のある国にて相棒の私物が明かされ、暗殺グッズてんこ盛りであったため、それに通じる過去があったとうかがえる。

 


●師匠との出会い
   師匠と出会う直前、後に相棒となる男は山賊達と共にいた。山賊達は長のいる国で捕えた長を人質に(正確には長の方が山賊を言いくるめ)、金品と食糧を国からゆすり生活していた。そんな折師匠が長のいる国に現れ山賊退治の依頼を受諾、山賊を遠くから狙撃し長以外の見える者を全滅させた。しかし、男は奇襲を知ると真っ先に長に後ろに隠れて死んだふりをし、長以外の山賊で唯一生き残った。
   師匠は山賊達が壊滅した現場に来るとまずは長を確認、そして死んでいるふりをしている男に起きるよう言った。これこそが師匠と相棒の出会いであった。その後、師匠は事の黒幕であった長を殺害。残った男からは金品の在り処を聞き出した。その際男は自分の分け前を求めたが、師匠は有無を言わせずすべてを踏んだくった。男は山賊が壊滅し居場所を失ったので師匠に同行したいと願い出ると最初は断られたが、銃のメンテナンスが出来ると言うと同行を許可された。

 


●師匠との旅
   そして師匠と相棒の旅が始まった。両者は出会いからして力関係が決しており、相棒は師匠のもとさまざまな事でこき使われることとなった。また師匠は金品にがめつい存在であったが、相棒も躊躇なくそれに付随し時には悪事を働いた(中立な話いい人達の夕べ)。
   相棒は好戦的だがそれなりの実力を持っていた。歴史のある国では、濡れ衣を着せてきた警官4人を二秒弱で撃ち殺すつもりでいたり、その後燃えに燃え針の穴に糸を通すような狙撃で篭城戦を展開したり、殺す国では点滴をつけながらも楽しむために無理して狙撃に加った。
   師匠についてはオニと言ったり(長のいる国宝探しの話-Genocide-)守銭奴だと思っていたりと(ケダモノの国)畏怖の念を抱いていたようだ。

 

 

●師匠の相棒でいるためのお仕事
・車の運転。体調不良の際は師匠が運転してくれたが(殺す国)、利き腕とは別の腕を負傷した際は運転させられた(宝探しの話-Genocide-
・なぜか裸になって危険な狙撃兵の囮をさせられた(狙撃兵の話
・脅迫相手の追跡防止のため、わざわざタイヤのバルブを押して空気を抜く作業をさせられた(いい人達の夕べ
・料理。鍋を新調を提案したところ料理を押し付けられた(求める国
・温泉を信じない住人のため、裸になって温泉に入らされた(見つけてしまった国
・羆がでる国での夜、普段使わない大口径の銃を整備をさせられた(ケダモノの国
・羆の洞窟探検。先頭はもちろん相棒の仕事だった(ケダモノの国
・事件の黒幕であり師匠等に危害を加えようとする部隊長を銃で撃ち無力化した(ケダモノの国
・遥か崖下の師匠のため、断崖絶壁でハーネスを自分と銃にしっかり縛り付け、その体勢から銃を撃った(楽園の話
・敵を油断させるため、事前告知なく腕を刃物で切り付けられた(宝探しの話-Genocide-

 


●優しい国にて
   長い年月が流れ、相棒は師匠と別れ優しい国に収まった。それからは小さな店を構え、評判のパースエイダースミスとして余生を過ごしたようだ。そんな折、師匠の弟子であるキノが来店。キノが持っていた「カノン」を見て師匠の物と確信した。そしてかつて共にいた銃として「森の人」をキノに託し、国と運命を共にした。

 


●その他

・寒いのが苦手
・子供のころから霊感がある(森の中のお茶会の話)。それが師匠の弱点だと分かり、置いてきぼりにされそうになった際化けて出るかもと言いかけたが、殺意のオーラを感じやめた(殺す国
宝探しの話の冒頭、師匠より「〜あなたが運転手以外にも使えるということを、そろそろ証明してみなさい」と言われた。その後敵を油断させるため切られる役割を与えられ、"使えるということが証明された"のはなんとも皮肉である
・小説21巻ではたった4ページしか登場しなかった

 

 

 

[ 登場人物 ] 00:27 - | comments(0) | trackbacks(0) |2018.03.17 Saturday
キャラクター「フォト」について

   キノの旅における第四の主人公。黒くて長い髪、身長155cmぐらいの17歳の少女(フォトの日々)。新天地となった国ではみなからフォトと呼ばれるが、これは安住の地で得た通り名であり過去の本名とは異なる。小説12巻において初めて登場し、15巻以降はレギュラーキャラクターとなった。フォトは最初こそ故郷で売られ奴隷という波乱の展開となったが、その後運よく自由と安住の地を得て写真屋を営むこととなった。それ以来お話は写真稼業がメインとなり、その中でもフォトが撮った写真が物語の重要な鍵を握るということが多くなった。

 

 


●生い立ち
   幼少期の頃フォトには親も祖母もいたが、彼女が学校に上がるか上がらないかの頃に流行病でみな死んでしまった。そのため、フォトは孤児院で十年近く暮らすこととなった。そこでのフォトはルールを守る"よい子"であった。
   フォトが生まれた国は一つの宗教が治める宗教国家であり、"どんな時でも人を信じなければならない"という教えや、"人類皆仲良し"、"愛は世界を救う"といった現実離れな戒律があった。そんな教えのもとで国民はこの国が世界で一番美しいと信じられていたが、余所から見れば教祖による独裁国家に過ぎなかった。

   そんな折、国の教祖は余所から来た商人との取引にて支払いが足りず困っていた。そこで教祖は孤児であったフォトを身売りとして差し出した。そのためフォトは商人達の奴隷として扱われることとなった(フォトの日々)。

 


●雲の中で
   商人の奴隷となって十日ほど経った頃。商人の一行は山岳地帯にて野営地を組んだ。商人達は楽しそうに作業をしていたが、フォトだけは奴隷としてひどい扱いを受けていた。しかしそんな扱いを受けてもフォトは故郷での教えを信じ、教祖や商人たちを憎むことはしなかった。
   食事が完成し皆が口をつけようとした矢先、フォトは食事に入れた草に毒が含まれていると気付いた。そしてそのことを言おうとしたが、ついに言い出せなかった。食事をとった商人達は全滅し、生きている人間はフォト一人となった。その場に立ち尽くすフォトであったが、そんなフォトに誰かが声をかけた。声の主はモトラドのソウであった。ソウは快活にフォトの行動を認め、毒を食べたのは連中のポカであることと、例えフォトが止めても皆は聞き入れなかったと諭した。そして共に生き残るため金目の物をトラックに積み、新天地へ向かうことを提言した(雲の中で)。

 


●安住の地へ
   そして生き残るための旅が始まった。この時フォトは、生まれた国では本名があったが奴隷の時に名はなくしたということなので、×××××・×××××という名前をソウは付けてあげた。道中フォトは初めて見る景色に感動し、絵に閉じ込められればいいのにと言った。絵を描けばいいとソウは言ったが、描き方を知らないとさびしそうにフォトは言った。
   人里はなかなか見つからず、フォトはトラックの燃料が尽きるたびに予備の燃料を補充した。そしてフォトが自由の身となってから十四日目、いよいよ燃料が尽きかけた頃にようやく国を見つけることができた。入国した国でフォトは政治家の人と面会、ソウの危惧をよそにフォトは真実をすべてぶちまけた。しかしそれが功を奏し、とてもよい待遇でこの国に移住することが叶った(フォトの日々)。

 


●写真屋の開業
   トラックに積み込んだものはオークションに出してもらい、フォトは多くの富を得た。新しい家を得ても十分な資金があったが、それでもフォトは仕事をしたいと言った。そこでソウはオークションで売らずに残しておいたカメラをフォトに教えた。
   フォトは写真にのめり込み、ソウに乗って国中を回っては写真を撮った。この国では写真が普及しておらず、そのうちに報酬込みの写真撮影の依頼が舞い込むようになりこれが仕事となった。
   そしてこのころ初めてフォトと呼ばれるようになった。これはフォトグラフやフォトグラファーを短く読んだのことから名付けられた。一方で以前ソウがつけた名前は長く発音しづらく浸透しなかった(フォトの日々)。

 

 


●写真稼業での出来事
・家族写真を撮った際に親子の容姿が異なった写真が収められ、それを喜んだ息子は完全に失明したとソウは悟った(見えない真実
・寒地の村で撮影し、後に村が雪崩に襲われた際もフォトは駆けつけて撮影した。出稼ぎの村男からは咎められたが、以前撮った村での写真を見て涙した。さらに被災した村の写真が新聞に載ったことで国から支援が入った(残されたもの
・同胞捜索隊に同行し、記録係として写真撮影をした。その際超望遠レンズで撮った写真に手を振る獣人が映っており、仲違いしたのではないと気付いた(助けに来た国
・夫婦の写真を撮影、後日スパイの夫が死に妻もスパイだと知った。せっかく撮った写真は受け取ってもらえなかったが、実は白黒写真の方を妻がもらっていった(夫婦の話
・治療を拒む父親を説得するため妻の心霊写真を作った(見える真実

 


●フォトの信条
   生まれた国にて人を憎んではならないという教え受け、奴隷になってもその教えを守ろうとした。そして運良く自由と富を得ても仕事をしたいと願う実に従順な性格であった。定住の地を得てからは住人達とは写真を撮って渡したりと仲の良い関係を築き、依頼主の喜びや悲しみを一緒になって分かち合う実に素直な性格であった(見えない真実助けに来た国)。
   写真稼業は好きな景色や人々を撮ることから始まったが、国で写真は貴重な存在でありみなから喜ばれた。素直すぎる面が目立つフォトであるが、写真と依頼主について真摯に考えているようで、見えない真実では写真は何もできず何かをするのはいつだって人間ですと説いた。また雪崩に襲われた村の撮影を咎められた際は、記録を残すことが村人の願いであり後世に伝えなければならないと怯むことなく主張した。

 


●その他
・小学校もろくに出ていないため読み書きが苦手。見えない真実時点では練習により簡単な読み書きはできるが、手紙はソウに読んでもらっている

見えない真実にて望遠レンズを、残されたものにて遠征用の小型トラックを購入した

・自由の身となってすぐのトラックの旅にて、ソウはパースエイダーの使い方を教えようとしたが、フォトはそれを頑なに拒んだ。商人達の最後の男の自殺がトラウマである模様(フォトの日々

 

 

●フォトの時系列まとめ

 キノの旅第四の主人公フォトであるが、ほかの主人公達と比べ実にユニークな点がある。それは年齢が明確に明かされているという点である。フォトのエピソードでは大抵の場合17歳と明かされ、さらに季節も明かされている。それをまとめたのが下記であるが、実はそろそろ18歳になってもおかしくはないのである。最新刊ではどのような扱いとなるのか、注目したい。

 

生まれ故郷から出る(フォトの日々139p春より1年ほど前)
ep1雲の前で 初登場奴隷(十代後半ぐらい)、国を出てから何日か後(フォトの日々141p)
初夏 ep2フォトの日々 商人達全滅後トラックで出発14日後、初夏(フォトの日々146p)
(去年の夏に移住した、渡す国発言)
写真屋開業

 

ep3見えない真実

 

17歳、季節記述なし(鑑みるに秋〜ちょうどいい気温、盲学校入学)

●トラックレンタル・望遠レンズ購入

ep4残されたもの 17歳、秋(211p住んでる中央の季節)、●トラック購入
同話、冬が終わるころに村壊滅

 

ep5渡す国

 

春半ば、陸見立て16か17、自前トラック所持

フォト「去年の夏にこの国の住人になった」

ep2フォトの日々 生活が落ち着いてからの回想=●春17歳=国を出てから一年ほど前(139p)
ep6復讐の国 17歳、春、トラック未登場(三十分の道をソウで行った)
ep7助けに来た国 17歳、夏、見えない真実時購入の超望遠レンズあり、トラック未登場

 

ep8夫婦の話

 

17歳、秋(ep3付近秋の可能性もあり)、新しいティーセット購入

文句の紅葉も仕事に利用し大分逞しくなってきた

ep9見える真実 年齢季節不明、心霊写真偽造という純粋な心ではできない?思考

 

 

 

[ 登場人物 ] 00:16 - | comments(0) | trackbacks(0) |2018.03.24 Saturday
キャラクター「ソウ」について

   フォトと共に生活をしているモトラド。折り畳み式でコンパクトな車体が特徴。声は聖歌隊のような清らかで澄んでいるが、フォトに出会った際はガラの悪い若者のように喋った(雲の前で)。素直すぎるフォトにおけるブレーキ役であり、生きていくうえではなくてはならない存在である。奇妙な成り行きで出会った両者であるが、最初からソウはフォトのことを真摯に考え、面倒見がとてもよかった(フォトの日々)。
   また、両者のお話はフォトが撮った写真が重要な鍵を握る場合が多いが、そのきっかけを生み出すのは大抵ソウである(残されたものでの新聞投稿や助けに来た国での写真の異変等)。

 

 


●フォトと出会う以前
   ソウの過去はほとんど分かっていない。売られるために商人達のトラックに積まれていたが、かなり長い間買い手がつかず(フォトの日々)荷台の端、棚の一番下のギリギリのスペースに押し込まれていた(雲の前で)。
   そんなソウであるが耳は良く、外での出来事を細かく把握することができた。そんな折、ある国でフォトが奴隷として買われた。フォトは商人達からは虐げられていたが、国での教えを信じ一生懸命働いていた。商人達はそれを嘲笑ったが、それはソウも同様であり、コイツは阿呆でこの世界では長生きは出来ないだろうなと思っていた(フォトの日々)。

 

 

●フォトとの出会い
   しかし事態が急転、商人達は毒により全滅しフォトだけが生き残った。所有者がいなくなり錆びつくことを案じたソウは、これを機に声をあげフォトに初めて出会った。商人達が死んだのは自分のせいだと打ちひしがれるフォトであったが、ソウはそれをハツラツに跳ねのけ、フォトが止めていたとしても彼らは聞き入れなかったと説いた。そして、フォトがどうやったら死ねるかと言う問いには生きればいいと答えた(雲の前で)。

 

 

●生き残るための旅
   そしてお互いが生きるための旅が始まった。ソウはフォトに金目のものをトラックに積むように指示し、さらにトラックの運転を教えた。行先についてもソウは考えをめぐらせ、フォトの身の上を考え故郷近辺には近づかないよう考えていたり、悪漢の類に出会えば助からないと思っていた。道中ソウはフォトとよく喋り、名前が無いというフォトの名前を考えてあげたりもした。
   燃料が尽きかけたころ、ソウはフォトとの別れを覚悟し自分を忘れ生き延びるよう言った。しかしそれを言った直後に国を見つかった。その時、ソウはフォトのことを壮絶な幸運の持ち主かと思った。それは間違いでなくトントン拍子で良い話が舞い込み、フォトはこの国での移住でき、さらには莫大な富を得ることになった(フォトの日々)。

 


●フォトとの日々
   せっかく安住の地と富を手に入れたフォトであったが、彼女は持ち前の従順さは変わらずで働きたいと言い続けた。ソウはそれをたしなめると彼女に写真を撮ることを提案、この国ではカメラが貴重であったため写真撮影が仕事となった。そして写真屋としてのフォトとの生活が始まった。ソウはフォトをよく見守り、お金を使い方や仕事と休みのバランス、必要投資や無理のない行動スケジュール等を適切にアドバイスし、フォトもそれに従った。

 

 

 

●その他
・ラジオを聴くのが趣味で、最低でも一日に一回はニュースを聞くようにしている(夫婦の話
・もう一台のモトラドのエルメスは多彩な能力を持ち合わせているが、ソウも同様かは不明。ちなみに全方位視界があると述べたのはエルメスでなくソウである(見えない真実
フォトの日々の冒頭にはソウのモトラドに対する見解が述べられている。この世界の誰もがモトラドについてどうして生まれなぜ喋るのか知らず、その不自然と思わない。そのことのついてはモトラドである自分も知らないとある

 

 

[ 登場人物 ] 19:53 - | comments(0) | trackbacks(0) |2018.03.30 Friday