キノの旅を総括したい

"世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"
そんな世界を余すことなく総括する、キノの旅まとめサイト。ネタバレ注意


 
 〜 管理人コメント 〜

小説版キノの旅23巻が
2020年11月10日発売!
恒例のレビューは年末年始
頃からになると思います


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キノの旅XVIII 感想(ネタバレあり)

●キノの旅XVIII -the Beautiful World-
「私は、人間など信じない人間だ。」 -I Wish I Were a Bird- 背景イラストについて
発売日:2014年10月10日
登場人物:キノとエルメス、シズと陸とティー、師匠と弟子、フォトとソウ

 

 

2018/7/31以後周辺〜巻全体を通し記事を加筆修正

 

この巻について
   見開きでフルートの全体像が拝める口絵「草原の話」、成長を制御できる国の行く末を描いた「止まった国」、パースエイダ―好きの作家の末路を描く「私の戦争」。そしてチョコレートが毎日三食の「主食の国」。これは電撃文庫と森永ダースのコラボ企画によって単行本より先行公開されたエピソードである。さらにコラボ企画にて森永ダースでキノのピクセルアートを作るという凄い企画もあったので該当ページを参照の事。一見の価値あり。
   そして、頭のいい人には見えないあとがきが。

 


目次
口絵「牛の国」
口絵「草原の話」
プロローグ「キノの旅の国・b」
第一話「スポーツの国」
第二話「止まった国」(師匠のお話)
第三話「税金の国」
第四話「主食の国」
第五話「チョコレートの話」
第六話「遺産の国」(複数主人公)
第七話「復讐の国」(複数主人公)
第八話「お金の国」
第九話「私の戦争」
エピローグ「キノの旅の国・a」
頭のいい人には見えないあとがき+カバー裏あとがき

[ 小説第18巻 ] 21:32 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.19 Tuesday
キノの旅十八巻口絵 牛の国 感想

●牛の国 -Fountain.-
一言でいうなら:ひたすら牛乳を生産している国
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:ひと気がない国・他の話とリンク(止まった国

 

 

あらすじ
   寒々しい荒野を越えて入国すると、そこは牛だらけの牧草地で別世界であった。そして仕組みが分からないが牛たちは時たま地下へ一列になって入っていった。そこでは機械が牛乳を搾って集めていた。その国は商人達でも賑わっており、牛乳をタンクに詰めて行き来をしていた。キノが話を聞いてみると、この国は牛の国と呼ばれ人間はもういないのだという。そして牛乳はタダであり、どういう仕組か分からないが牛達は完全な管理体制がしかれているのだという。

 

オチ
   商人は不思議がったが、キノはやっぱりこの国かと呟いた。


感想
   この話だけでは真相は明かされないが、同巻「止まった国」にて経緯が明かされる。それにしても牛の動きすら制御する技術とは一体。

 

 

キノの容姿と装備:黒いジャケット(イラストのみ)
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:40)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:49)
国の技術レベルと特産物等:近未来・牛乳
収穫:なし

[ 小説第18巻 ] 22:33 - | comments(1) | trackbacks(0) |2017.09.19 Tuesday
キノの旅十八巻口絵 草原の話 感想

●草原の話 -Ringer-
一言でいうなら:弔いの鐘がある話
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:国外

 

 

あらすじ
   道を走っていると石碑のような板が道の脇に立っていた。それはどんな材質でできているか分からないが銀色でピカピカで、真南に進めば二つ目の看板があると文字が書かれていた。指示通り探してみると看板があり、今度は200メートル先に大きな金属の板があるのでパースエイダーで撃ってくださいと書かれていた。キノは弾の無駄だと嫌がったが、エルメスに押されて狙撃することにした。

   キノはサプレッサー付きフルートと取り出し目標を見事に狙撃した。すると、優しく涼しげな音色が聞こえた。撃った金属が鐘のように作用したのだった。さらに次の瞬間、キノの四方八方から音が響き渡った。エルメスによると共鳴であり、どこか見えない場所にも板があるのだという。音は当分続きキノは終わるまで聞いていた。キノはフルートをしまい空薬莢を回収、なんだったんだろうねとエルメスと話し、発進した。

 

オチ
   キノが狙撃した板の裏には、「一冬で四万八千七百三十三人が飢えて死んだ」「八百七十三人は彼らを忘れない」「一人は、この鐘を鳴らす」と書かれいた。

 

感想
   この素晴らしい仕掛けは死者を弔うものだった。このお話は見開きにより横長になり、それを存分に生かしたフルートを拝む事ができる。これは本巻あとがきによると、著者の架空銃だったフルートをイラスト化してくれたとのこと。


   よく知らないのだが、サプレッサーを付けたまま狙撃するのか。ゲームのメタルギアソリッドをやっている身からすると、サプレッサーは弾丸以上に消耗が激しい貴重品のイメージがある。まあこのお話だとサプレッサーを付けないと良い音色を妨げるかもしれない。

 

追記

   銃をデザインのは漫画家の秋元こうじさんで、著者時雨沢さんとの打ち合わせの末デザインが決まったとのこと。経緯をまとめた秋元さんのツイッターまとめはこちら。⇒https://togetter.com/li/736409

 

 

キノの容姿と装備:黒いジャケット(イラストのみ)・フルート
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:40)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:49)
国の技術レベルと特産物等:国外
収穫:なし

[ 小説第18巻 ] 22:41 - | comments(1) | trackbacks(0) |2017.09.19 Tuesday
キノの旅十八巻第一話 スポーツの国 感想

●スポーツの国 -Winners and Losers-
一言でいうなら:スポーツで戦争する国
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約30ページ

 

 

 

あらすじ
   その地域には5つの国々があった。キノが最寄りの国に入国すると、住人が四年に一度の大戦争があると興奮気味に言った。その後もほかの国を回るとみなが一様に戦争があると言った。道中、別の旅人に出会った。それは七人の男達で構成された商人の一団で、みな頑強な体つきであり統制が取れていた。彼らは商売のネタを求めはるばるやってきたのだという。

 

   キノは彼らにこれら5つの国の歴史と戦争について話した。5つの国は度々貴重な資源をめぐり争っていた。だが国が疲弊したことで会議が開かれ、その際スポーツで裁量権を決めればいいのではと提案がなされ、試してみたところスムーズに進んだらしい。そして四年に一度のスポーツ戦争が近日始まるのだという。商人達は呆れた様子だった。

 

   そしてスポーツ戦争が開幕しキノ達は観戦、エルメスは興奮しっぱなしだった。優勝国はその日のうちに決定し、キノと商人達はその国元へ行った。国は祝賀ムードでキノ達は豪華な食事をした。商人達が国の案内人に軍隊を廃止したのは本当かと聞くと、本当だと言われた。


   キノが出国すると再び商人達に出会った。一緒にお茶休憩しているとエルメスが早く軍隊を送りたいよねと言った。エルメスは彼らの体が屈強だったり、女性が不在だったり、商人にしては不自然な点を指摘した。リーダーはそれを認め、いまから国へ帰還しこの呆れた国を侵攻するのだと言う。部下がキノを始末すべきだと言うが、リーダーは旅人は無関心を貫くものだと押しとどめた。


   7人の男達が去った後で、エルメスはいいの言わなくてとキノに言った。キノは自分の利益に関係ないことはしない、今から去ろうって人達がどうなろうと知ったことじゃないと言った。そして何かを待つように時間をつぶし出発した。

 


オチ
   さきほどの7人が死んでいた。彼らはそれぞれ弓矢・槍投げ・木登り等々、スポーツの技能を生かした殺され方をしていた。彼らはこうなる可能性に気付くべきだったとエルメス。キノは次に来るまでに、虚を突かれた兵士の死体だらけにならないか心配した。

 


感想
   軍がいないのは迂闊かと思いきや、意外としっかりしていた国。そりゃスポーツがうまいのなら応用次第で戦闘力もすごいか。

 

 

追記

   例によって自身のニコ生放送の指摘により気付かされたことが。オチを踏まえた上でもう一度タイトルのイラストを見ると、真ん中の選手が持つの矢の先から血が滴っている。さらに左の選手は弓のケースより血が滴っている。これは戦闘力のある選手ということを暗示しているようだ。

 

 

 

キノの容姿と装備:十代中頃・黒いジャケット・パースエイダー・もう一丁の自動式・ゴーグル
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:40)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:1(累計数:50)
国の技術レベルと特産物等:中世以上・スポーツ戦争
収穫:豪華な食事

 

[ 小説第18巻 ] 22:49 - | comments(1) | trackbacks(0) |2017.09.19 Tuesday
キノの旅十八巻第二話 止まった国 感想

●止まった国 -From the Cradle to the Cradle-
一言でいうなら:赤ちゃんが成長を拒絶した話
名言:「〜必要なのはたぶん、あなたの"強烈な意志"だけですよ」

 

登場人物:師匠と弟子
話の長さ:約20ページ
備考:ひと気がない国・他の話とリンク(牛の国

 

 

あらすじ
   師匠達の行く手にある国は、百年前の情報によると医学がとても発達しており皆が幸せに暮らしているそうだ。城門の前に辿り着くとひと気はなかったが、声をかけてみると老人の声がして城門が開いた。国の中はなぜか牧草地に牛という組み合わせで、やはりひと気がなかった。だが二人を誘導する声だけははっきりと聞こえた。その声が言うにはこれから国内ツアーを開始するのだと言う。

   誘導された末に地下の入り口を進むと、そこにはサッカー場ほどの敷地一面にベビーベッドが並んでいた。そしてこの場所こそ我が国民全てが住まう場所らしい。ベビーベッド内では機械により完璧に赤ちゃんの育成管理がなされていた。そして彼らはもうすぐ死ぬのだという。


オチ
   この国は過去に医学が発達し、ついには不老を成し遂げた。百歳程度の寿命は変わらなかったが、自分の望む年齢の容姿を保つ薬が発明されたのだった。だが意図せず乳児達は成長を拒絶してしまった。乳児達には投薬せずにいたのだが、飲んだ大人の影響が生まれた子供に作用してしまったのだという。事態の解決を断念した人々はやがて死にゆき、国土は乳児のために粉ミルクの生産に適した土地に改良した。そしてやがて乳児もみな死ぬのだという。
   師匠が声の主のあなたはどなたかと聞くと、自分は機械だと言った。そして師匠はこの機械が自ら考える意思を持っていることを見抜いた。最後に機械はここの皆が死ねば自分の役割を終えると言うが、弟子はそれ以外の何かを考えてみればと言った。機械はとまどいつつも考えてみると言った。


感想
   作中そこらかしこに「どんな仕組みかは分かりませんが」と書かれるように、魔法のような科学技術がいくつも登場する。このお話は本巻冒頭の「牛の国」へと続く。機械は新たな国民である牛の育成に注力することにしたようだ。
   管理人が高校の頃、保健体育の授業で幸せな時とはどんな時かという先生の問いに対し、友達が寝ている時だと言ったことがあった。理解できるがやはりその答えは人間的にどうなのかなと思う。

 

 

師匠達の容姿と装備:リヴォルバー・自動式のパースエイダー・ライフルタイプのパースイダー
殺害人数:0(師匠達の累計殺害人数:116)
師匠達が狼藉を働いた回数:0(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:近未来
収穫:なし

 

[ 小説第18巻 ] 22:55 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.19 Tuesday
キノの旅十八巻第三話 税金の国 感想

●税金の国 -Supply and Demand-
一言でいうなら:税金を払わないと見殺しにされる国
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約10ページ
備考:高報酬

 


あらすじ
   高級住宅街を走っているとエルメスが火事に気付いた。現場に行くと消防車が来たのだが、目の前で燃えている家を消さず隣接している家の保護に努めていた。火事元の怪我を負った家主の男が叫ぶが、消防隊員は防火税金を払っていないですねとピシャリと言い放った。燃える家にはまだ妻が取り残されおり、三階の窓から助けてと叫んでいた。だが助けられる梯子車があるにもかかわらず無視された。女性はやむを得ず身を投げ芝生に落下、負傷した。救急車が来たが、税金を払っていないことがわかると救急隊員は手出しをやめた。家主は金なら払うと言ったが、それは贈賄だと断られた。
   キノが事情を隊員に聞いてみると、この国の税金のシステムについて教えてくれた。税金の支払いは任意であり、納税者が必要だと思わなければ税金を払わなくていい、家庭教師等がいるので子供を学校に行かせなくてもいいと思えば、教育関連の税金を払わなくてもいいとのことだった。


オチ
   家主はずっと叫んでいてキノに助けを求めてきた。キノはこの男が交通事故の税金を払っていること確認すると、エルメスで家主と妻を軽く轢いた。それにより彼らは救急サービスを受けることができた。後日。キノはたっぷりと報酬をもらった。

 

感想
   とても狂気じみて怖いお話。目の前の人を平然と見殺しするというなかなか笑えない展開であり、情よりも国のシステムが優先という実にキノの旅らしいお話である。今回キノは今までで最も多くの報酬を受け取っている。冒頭、エルメスがビックビジネスと言っていたが、こういった非常時に手を貸して報酬をもらうというのもビジネスになるかもしれない。

 

 

キノの容姿と装備:黒いジャケット
エルメスの言い間違い:号泣上達値→正:キノは指摘しなかったが高級住宅地(累計言い間違い数:41)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:50)
国の技術レベルと特産物等:現代・税金システム
収穫:携帯食糧・弾薬・たくさんの宝石

 

[ 小説第18巻 ] 22:58 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.19 Tuesday
キノの旅十八巻第四話 主食の国 感想

●主食の国 -Staple Diet-
一言でいうなら:チョコが主食の国
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:口語がメインの話

 


あらすじ
   出された食事にありつこうとしたキノが手を止めて、この料理は何かと聞いた。珍しいと茶化すエルメス。キノは出された各料理に共通して入っていた黒いものが気になっていた。それはウェイトレス曰くチョコレートだと言った。サンドイッチ・豚肉・蓮根いずれもチョコが入っていた。料理を完食したキノは美味しくなくはないと言い、次はチョコなしの料理がいいなと言った。だがホテルの夕食もやはりチョコばかりだった。理由を聞いてみると、たくさん採れ栄養がいいのでこの国の主食だという。


オチ
   後日、社会科見学の小学生に囲まれた。他の国もチョコレートはこの国のように食べられているのかと聞かれ、キノは正直に答えた。するとみながキノの旅の同行を求めた。


感想
   主食ということでチョコだらけという国。管理人もチョコが好きだが毎食というのはやはり無理そうだ。ただ、作中に出てきたいろいろな料理のチョコアレンジはぜひ食べてみたい。

 

追記

   このお話は巻末の「初出」項目によると、「電撃文庫×森永ダース20周年コラボ短編(2013年12月)」にて公開されたとのこと。調べてみると掲載ページ(森永の公式ページ)は現在閲覧できなくなくなっているが、ウェブアーカイブより見ることができる。⇒http://bit.ly/2vrfF10

   このページでは本編のほかに森永ダースを作ってキノを作るという企画が。上記ページからではYouTubeのリンクに飛べないようなので掲載(サムネと違うので別動画の可能性あり)。ふうむ、これは凄い。

 

 

キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:41)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:50)
国の技術レベルと特産物等:現代・チョコレート
収穫:なし

 

[ 小説第18巻 ] 00:10 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.20 Wednesday
キノの旅十八巻第五話 チョコレートの話 感想

●チョコレートの話 -Gift-
一言でいうなら:有名人のチョコを処理する話
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ

 

 

あらすじ
   国の外、寒い気温の中トラックを見つけた。運転手いないトラックは遭難したようでもなく、荷台には大量のチョコがあった。それをもらうこともできたが、キノは何か「人の想い」のようなものを感じそのままにして去った。


オチ
   二日後、大きな国に辿り着いた。お菓子屋の店主に聞いてみると、それらはアイドルに送られるはずのバレンタインチョコとのことだった。なんでもこの国には女性に絶大な人気のハンサム男ばかりの歌劇団があり、いわゆるバレンタインには大量のチョコが贈られるが、安全上の問題で食べるわけにはいかなかった。そこで、チョコレートをもらう代わりにチョコレート券を貰い、お店でチョコレートを貰って食べるという形にしたのだという。だが発注されたチョコレートをお菓子会社に戻すわけにはいかないので例のトラックに放置したところ、次の季節にはなくなったのだという。どうやら近隣の国が持ち去ったらしい。
   これにより、歌劇団のファンはチョコを贈れ、お菓子会社は儲かり、歌劇団は食べたことにでき、チョコを持ち去った国は儲け、チョコも無駄にならないという利益の循環になっているという。


感想
   利益がうまく循環している話。アイドルは数多くの贈り物やファンレターを貰っているが、果たしてどのように処理されているのだろうか。う〜む、考えれば考えるほど夢がなくなるので辞めておこう。

 

追記

   ちなみにキノの旅著者である時雨沢氏もアイドルと同様の措置を講じているそうだ。つまりファンからの食べ物は安全上の問題で口にできないとのこと。ソースは著者ツイート

 

 

キノの容姿と装備:防寒着・レンズが一つのゴーグル・手袋
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:40)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:50)
国の技術レベルと特産物等:現代・歌劇団
収穫:おまけのチョコレート

[ 小説第18巻 ] 00:45 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.20 Wednesday
キノの旅十八巻第六話 遺産の国 感想

●遺産の国 -Protector-
一言でいうなら:遺産が不便なので壊したい話
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:シズと陸とティー、キノとエルメス
話の長さ:約20ページ
備考:複数主人公

 


あらすじ
   シズ達は高層ビルが並ぶ大きな国に入った。移民はあっさり拒否されたが、ティーの学習になればということでとりあえず入国した。高層ビルが立ち並ぶ区画はもとは小さな国であり、小さな土地ゆえに時代とともに高層化、のちに周辺の国が合併し広大な国土と一部の高層ビル群からなる街ができたのだという。
   ティーがあきたと言うように見るところがなくなってしまったので、古風な街並みがある人気観光地を教えてもらった。そこに赴くと確かにすばらしい遺跡の町であり、シズ達は観光した。だが地元に住んでいる人達は観光地になったことを喜んでいるかと思いきや、その逆で地元が保護遺産に認定されたことで満足に家の修理ができず、さらに他の国民が快適な暮らしをしているのにここに限ってできなくて嫌がっていた。それにより、生まれた地で暮らせればと思いつつも都会へ行くという人口流出が続いていると言う。こうなったら自然災害でも起きてくれればいいのにと住人。自然災害であれば不慮の事故ということで復興からの快適な住宅が望めた。するとティーが方法ならあると言った。
   そして二日後、ティー発案の作戦が遂行されようとしていた。シズは何度も考え直すようにと言ったが住人達はその気であり、ティーがいいと言っているとまくしたてた。ティーの作戦とは地下道を水浸しにし、大きな石に圧力をかけることで地滑りが起こり町の崩壊につながるのだという。そして住人の家財を含めた避難が完了した後、ついに限界が訪れ地滑りが発生し町が崩壊。住人達は歓喜に沸き、ティー様万歳と言った。


オチ
   キノが入国した。かつて保護遺産だった区域が災害により崩壊、それにより地下に謎のドームの側部が現れ、いまだに入ることもできずにいた。そのためこの区域は超特別遺産となっていた。


感想
   保護区のため不便であり、地元民は便利に暮らしたいと願うお話。観光する分には素晴らしい土地だが、それ故に地元の人間は問題が発生してしまう。超保護遺産となった現在、地元民はどう生活しているのか。

 


殺害人数:0
シズの主張が認められなかった回数:1(累計数:6)
国の技術レベルと特産物等:近未来
収穫:山菜を使った夕飯

 

[ 小説第18巻 ] 05:00 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.20 Wednesday
キノの旅十八巻第七話 復讐の国 感想

●復讐の国 -Protector-
一言でいうなら:主人公三組が見た女性の話
名言:「自分の力を認識し、それ以上のことはしないことも重要ですよ、キノ」

 

登場人物:キノとエルメス、フォトとソウ、シズと陸とティー
話の長さ:約30ページ
備考:複数主人公

 


あらすじ
   キノは草原でスコープ越しに女を捉えていた。女は倒れており、身なりが悪く手には枷が付けられていた。エルメスが師匠の声真似でした「人を助ける時は、相応の覚悟が必要ですよ」という言葉を肝にどうするか考えあぐねていると、どこからか車がやってきて、車にいた3人の人影が女性を保護した。

 

   フォトは国に旅人が来たということで写真を撮りにいくことにした。なんでも不思議な形をした車だと言う。行ってみたところ大きなタイヤで車体の高い車があった。そこには車の持ち主の男と顔立ちの整った妻がいた。二人はとても仲がよさそうだったが、聞くところによると二人で旅をしている期間は長くないそうだ。以前は従妹夫婦に男が付き添っていたが、ある時後に妻となる女性を発見、彼女は山賊に襲われ誘拐の末に置き去りにされたという。そして従妹夫婦は引退し、男が旅一式を受け継ぎ彼女とも結婚したという。また、彼女以前は美人とは言えない顔立ちだったが、彼女自らが望み整形をしたそうだ。フォトは夫婦のために写真を撮り、さらにロケットペンダント用の写真もプレゼントをした。


オチ
   シズ達は移民を受け入れてくれそうな国の情報を得た。そしてその国の城門まで来たのだが、国の中は死体だらけであった。どうやら毒で死んでいるらしい。シズ達は警戒しながら進むと、発砲音がした。遠目から見るとそこには男と女がいて、男は住人が死んだ事に絶叫していた。そしてそれをしたのはそばにいる女のようだった。女は目的を果たし自分を殺してもいい、あなたを愛していると言った。察するに女は国外追放した国を復讐するために再入国し、住人を毒で皆殺しにしたようだった。シズはもういいと言いこの場を後にした。最後に男が持っているはずのショットガンの銃声が一発聞こえた。


感想
   主人公3組を見ることで真相が浮かび上がるお話。いくつか伏線が仕掛けられ回収される。最後の一発は何が起きたのだろうか。シズ達は初めに一発の銃声が聞こえ男達を見つけるが、その銃声は男による威嚇射撃だと思う。つまり、最後の一発は威嚇射撃ではないはず。となるとやはり男が女を撃ち殺した可能性が高いと思う。

 

 

キノの容姿と装備:黒いジャケット・スコープ付きフルート・ゴーグル
殺害人数:0
国の技術レベルと特産物等:近代・石細工
収穫:なし

 

[ 小説第18巻 ] 20:28 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.20 Wednesday
キノの旅十八巻第八話 お金の国 感想

●お金の国 -Easy Money-
一言でいうなら:お札類をひたすら集めた国
名言:「実際に人を幸せにするのは、貯め込んだお金ではありません。それを、自分の使いたいように使うこと、です」

 

登場人物:キノとエルメス、師匠
話の長さ:約10ページ
備考:口語がメインの話・キノが旅立つ前の話

 


あらすじ
   ログハウスに師匠とキノがいた。2人は流れ作業でパースエイダーの分解・整備・組立をした。師匠は作業をしながらお金の国の話をした。師匠が現役当時、どの国のお金でもいいので集めている国があると商人に聞いた。そこで師匠達はインフレが激しすぎる国にて大量のお金を集め、その国に持って行った。お金を集める国では地下から昔の人の道具や機械等が掘り出され、それとお札や硬貨を交換していた。師匠はお金とプラスチックでできた可愛い女の子の人形を交換し、別の国で儲かったそうだ。お金の国の人になぜそんなことをしているかと聞くと、貧乏国をから抜け出すためにお金を集めまくり幸せになれると思ったらしい。


オチ
   そんな師匠の話を思い出しつつキノはお金の国へ向かっていた。もう掘り出せるものがなくなったのではとキノは予想していたが、城門前にはトラックが並んでおりまだ売れるものがあるようだった。並んでいる商人に話を聞いてみると、この国は今ではお金コレクターの国であり、周辺諸国は電子マネーが主流なためお金は貴重で高値で売れるとのことだった。だが、当の売っている国は実に無欲で、毎日の暮らしができればいいとのことだった。キノはなおさら中に入って確かめたくなった。

 

感想
   住人達にどのような心境の変化があたったのか、それが分からないまま物語は終わってしまう。やはり「見つけてしまった国」のような心境の変化か。不思議なのはこの国が自国のお金を刷らないということ。まあ刷ったところでお金がたくさんのほしいこの国だとインフレが起きるしかないのだが。

 

 

キノの容姿と装備:修業時代〜長い髪をした十二、三歳に見える女の子・ちょっとだけ大きめのワンピース・二五口径のパースエイダー
エルメスの言い間違い:下手の物好き→正:下手の横好き(累計言い間違い数:42)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:50)
国の技術レベルと特産物等:中世(物々交換)
収穫:師匠〜多くの美少女フィギュア・商人護衛の報酬

 

[ 小説第18巻 ] 21:12 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.20 Wednesday
キノの旅十八巻第九話 私の戦争 感想

●私の戦争 -Lone Sniper-
一言でいうなら:スナイパーごっこをする元作家のお話
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約30ページ
備考:第三者が主体の話・戦闘あり

 

 

 

あらすじ
   敵兵を狙撃し移動した。自分の相棒である銃「カロン」は見事に役目を果たしてくれた。狙撃した兵はきょろきょろしていたので、自分の狙撃位置を掴めないだろう。この国は遠くにあった大国に占拠された。国民は奴隷となり下がったが、自分をはじめ住人がゲリラ活動を展開している。首都から家へ帰った。家には母親がいて珍しく自分の小屋に来た。ゲリラ活動をしていることは気づかれてないはずだが。


   再び首都へ赴き、仕事を探すふりをして狙撃対象を探した。射程が400メートル以内であること、逃げやすいこと、スコープの反射を避けるために逆光の位置がいいことが条件だ。昼休みをとっていると声をかけられた。旅人風情の少年に道を聞かれたが、知らないと答えた。その旅人は礼を言い去った。

 

   そして狙撃対象を決定、位置につくと引き金に指をかけた。その瞬間、手に激痛が走った。自分は撃たれた。なんと撃ってきたのはさきほど見た旅人だった。自分は怒りながらも逃げるしかなかった。そして地下道へ逃げ込んだ。今度あの旅人を見つけたら撃ち殺す。そう思っていたが意識が途絶えた。

 

 

オチ
   そこへガスマスクをしたキノが現れた。キノの目の前には男が倒れており傍らにはリュックサックが、その中には木製のテニスラケットがあり柄には飲み物の空き缶が付いていた。


   救急車が来て男が運ばれた。キノは背広の男に最小限の怪我で確保したのはさすがだと言われた。キノとしてみては、公園で声をかけ顔をしっかり確認、尾行してビルの向かいから手だけを狙撃、血の跡をたどって催眠ガスで眠らせただけだという。背広の男曰く例の男は元有名作家であり、彼の作品はパースエイダーがよく出てきていた。だが母親によると、最近箒やスポーツ道具を銃に見立て振り回すという奇行が目立ちはじめ、しまいには首都に赴いて狙撃兵ごっこをしはじめたそうだ。だがそれだけで逮捕は体面が悪いので、こうしてキノに捕獲を依頼。彼はこれから入院し、カウンセラーに見てもらうのだと言う。

 

   男は目覚めた。普通なら自分は鍵付きのベルトで拘束されているはずだが、鍵はついていなかった。院内に協力者がいるからだろう。俺の本当の戦いは、ここから始まる。

 


感想
   ごっこだったとはいえ、狙撃描写は読んでいてスリルがあり面白い。男は完全にゲリラになりきっており、負傷の際も頭脳戦だと言い逃走したが、キノは血の跡を辿っただけであっさりと居場所が判明した。これが作家とプロの差か。今回の話でも作家が登場。キノの旅著者は銃が好きとの事で、将来自分がこうなってしまうのではないかと危惧してるのか。

 

   男が持っているつもりのカロンだが、イラスト化するならどんな銃となるだろうか? イラストを描ける方や、銃マニアな方でないとイラスト化は難しいところだが、ここであるサイトをご紹介。
「Pimp My Gun (beta)」http://pimpmygun.doctornoob.com/app.php
   このサイトであれば、銃の多種にわたるパーツを画面上に呼び出すことができ、そこから自分のオリジナル銃を作成できる。もし「カロン」の自信作ができたらここで紹介したいと…いや、いまだにイメージがわかないのでどなたか作っていただけないだろうか。

 

 

 

キノの容姿と装備:十代中頃・黒い髪・黒いジャケット・茶色のコート・黒い長ズボン・銀色のフレームのゴーグル・森の人・借りたガスマスクとガスボンベ
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:42)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:1(累計数:51)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:燃料と携帯食料

[ 小説第18巻 ] 00:06 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.21 Thursday
キノの旅十八巻エピローグ・プロローグ キノの旅の国b・a 感想

●キノの旅の国 -Road Show-
一言でいうなら:キノが映画化された話
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約30ページ
備考:三日間ルールキャンセル・世界地理描写

 

 

bパートあらすじ
   そして戦いは終わった。全滅とは容赦ないねとエルメス。物足りねえぜ!とキノ。雑すぎる口調なんとかした方がいい、このままだとキノは一生独り身だよとエルメス。考えておくぜとキノ。凄腕レディと万能モトラドエルメス。彼等(かれら)の旅の行先は風だけが知っていた。

 

aパートあらすじ
   映画が完成したらしい。普通はこんなに早く完成せず、映画を見れる旅人はほとんどいないという。エルメスは喜んで見る気でいたが、キノは躊躇していた。だが、ジュースやお菓子が無料とのことでキノは見ることにした。
   四ヶ月前のこと。季節は冬に差し掛かり、キノ達は旅の継続が危ぶまれていた。そこで冬季滞在を許可してくれる国なら滞在し、そうでないなら暖かい地方へ向うことにした。その結果、辿り着いた国は映画産業が盛んで、旅人が映画のモデルになってくれるのであれば長期滞在が認められた。キノは長い時間をかけて旅のエピソードを提供、その後はのんびりと暮らした。そして季節は移り変わり、出国前日になって映画は完成したのだった。
   完成した映画はキノのそれとずいぶんかけ離れていた。主役の女性からして二十代中頃のセクシー女優だったり、使ったことがない銃を使っていたり、普通なら逃げるか降伏するほどの一軍に立ち向かったりしていた。キノはその都度指摘したが、やがてあきらめお菓子をおかわりした。一方のエルメスは映画にて、自ら動きキノの楯になったり、エルメスミサイルを発射したりで、モデルのエルメスは大興奮だった。ほかにも、自分の故郷に帰ったり、シズが登場したりした。そしてキノは最後の戦いに赴き…終わった。

 

感想
   大胆な解釈でキノを映画化した話。まあこれまでインタビューなどされても、ありのままを記事にしてくれた事なんてなかった。なので映画ならまだ開き直ることができる。キノが女優と同じ年になったらどうなるのだろうか。今回みたいには…あんまりなるとは思えない。

 


キノの容姿と装備:パースエイダー・ナイフ
エルメスの言い間違い:タイラップ→正:タイアップ(累計言い間違い数:43)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:51)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:四ヶ月間滞在中の衣食住・映画館のおやつ

 

[ 小説第18巻 ] 00:37 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.21 Thursday
キノの旅十八巻 頭のいい人には見えないあとがき+カバー裏あとがき 感想

●あとがき -Preface-
一言でいうなら:まっさらなあとがき

 

 

内容
   4ページに渡る見えないあとがき。
   カバー裏には「手抜きかっ!」と大文字からはじまり、カバー裏に文字を入れることについてや、カバーを取った文庫表紙にやりたかったが編集に却下されたこと。さらにキノの旅がいつまで続くのかについてや、フルートをデザインしてくれた漫画家の秋元こうじさんをはじめとした皆様への謝辞となっている。


感想
   あなたにはあとがきが見えましたか?
   カバー裏については…普通すぎて特になにも。

 

[ 小説第18巻 ] 21:59 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.21 Thursday