キノの旅を総括したい

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キノの旅XVI 感想(ネタバレあり)

●キノの旅XVI -the Beautiful World-
「心に残るのは―私たちの歴史を作るのは― いつも、いい記憶ばかり―都合の、いい記憶ばかり」 -Sweet Memories vs. Sweet Memories-
発売日:2012年10月10日
登場人物:キノとエルメス、シズと陸とティー、師匠と弟子、フォトとソウ

 

 

2018/7/18以後周辺〜巻全体を通し記事を加筆修正

 

この巻について

 まさかのゾンビ展開となる「死人達の国」ほか、片思いをテーマに多めのページを割いて語られるエピローグ「恋文の国」。さらにキノの旅第四の主人公枠を確立するフォトの日々2話分の収録となった。だがこれについて2ちゃんねるのスレッドでは、既存の主人公達のお話が圧迫されてしまうと危惧する意見がやや目立った。

 そしてあとがきは全文ひらがな添削込み、だが内容は著者が事故に遭ったという衝撃的なもので、大丈夫なのか心配である。そのほか、小説17巻発売と同時に既存の巻のカバー刷新という大きな出来事があった。

 

 

目次
口絵「昼と夜がある国」(複数主人公)
口絵「転がっている国」
プロローグ「恋文の国・b」(シズのお話)
第一話「死人達の国」
第二話「育てる国」(シズのお話)
第三話「飲酒運転の国」(師匠のお話)
第四話「血液型の国」
エピローグ「恋文の国・a」
フォトの日々「見えない真実」
フォトの日々「残されたもの」
あとがき

[ 小説第16巻 ] 20:26 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.09 Saturday
キノの旅十六巻口絵 昼と夜がある国 感想

●昼と夜がある国 -Counterclockwise-
一言でいうなら:外界と昼夜が逆転している国
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:師匠と弟子、陸とシズとティー、キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:三者三様

 

 

あらすじ
 旅人達は国が完全にドームに覆われた国に入国した。それはこの地方の過酷な環境に対応するためで、ドームの中では照明に昼夜が表現され、さらには天候も自在にコントロールしていた。そして、特筆すべきは外の世界が昼の時はドームの中は夜で、逆に夜の時は昼だった。それは発電の都合上ゆえだった。

 

 師匠達が入国。国の中はいまから朝だった。どうするかと言う弟子に、朝なら寝る必要はないでしょうと師匠。普段通り過ごし、夜になったら寝た。そして翌日の朝に出国、外は夜だった。師匠はさきほどと同じように夜は寝ると言いさっさと寝た。弟子はなかなか寝付けなかった。

 

 シズ達が入国。国の中はいまから朝だった。どうするかと言う陸に、ホテルに入ってカーテンをして寝ようとシズ。そしてみなが起きると外は夜だった。シズ達はプラネタリウムのように星を眺めた。

 

オチ
 キノ達が入国。国の中はいまから朝だった。どうするかと言うエルメスに、眠いから寝るとキノ。そして夜になりキノは起きた。どうするかというエルメスに、今までやることができなかったことをするとキノ。キノがしたのは夜食だった。エルメスは暇だと言った。

 

感想
 昼夜逆転した時の過ごし方のお話。そしてキノは夜食を楽しんだ。確かに子供のころは、夜食に興奮した気が。

 

 

殺害人数:0
国の技術レベルと特産物等:近未来
収穫:夜食(キノ)

 

[ 小説第16巻 ] 21:14 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.09 Saturday
キノの旅十六巻口絵 転がっている国 感想

●転がっている国 -Take Free If You Can!-
一言でいうなら:積みきれないほど携帯食料がある話
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:ひと気のない国

 

 

あらすじ
 キノとエルメスは廃墟になった国にいた。そこは理由は知らないが放棄されてしまった国だった。そして目の前には山積みになった携帯食料があった。さらにそんな倉庫が何棟もあった。

 

オチ
 エルメスに今からトラックになるんだとキノ。今までで最大のムチャだとエルメス。キノは名残惜しそうに国を後にした。


感想
 また住めるのに放棄された国か…。そんな事例はこれまでに「つながっている国」「過去のある国」があった。一体何があったのか、もしかしたらどこかで補完されていたりするのか。今すぐにはできないがいつか吟味してみたい。

 

 

キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:37)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:48)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:45)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:積めるだけの携帯食料

 

[ 小説第16巻 ] 22:05 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.09 Saturday
キノの旅十六巻第一話 死人達の国 感想

●死人達の国 -Spirits of the Dead-
一言でいうなら:ゾンビを全滅させる話
名言:「(人を撃てるかねと聞かれ)射程内なら」


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約50ページ
備考:人外の登場(ゾンビらしき高度な存在)・戦闘あり・世界地理描写(海初見)

 

 

 

あらすじ

 キノとエルメスは海沿いの道を走っていた。来る途中に嵐に会い森で足止めをくらったため、本来なら5日は早く国に着くはずだった。国が見えたので、今夜は白いシーツのベットと食事を堪能できると楽しみしていた。


 その願いはあっさりと打ち砕かれた。国は総勢100人ほどの軍や警察官によって封鎖され、エルメスが冗談で言った敵をバッタバッタと打ち倒す展開になろうとしていた。原因は病気で、なんと死んだ人間が生き返って動き出すという。さらに死んだ感染者は見境なく生きている人を噛み、その唾液から感染した人はすぐ死にそしてふらふら動き出す。その結果国の人口は約二千人に対し生還できたのは約百人ほど、そのため普段は仲が良くない周辺諸国も連合して封鎖しているという。そして、キノに人のカタチをしたものを撃てるかと聞かれた。


 キノは感染者退治に付き合うことにした。まわりから訝しげな目で見られたが、ライフルを五回試射した結果評価が一転した。狙撃手のキノには観測手の警官があてがわれ、合図とともに作戦が始まった。キノは感染者を視界に捉え撃ちぬいていった。観測手の男が躊躇したが、キノは着実に仕事をこなしていった。それは昼休みを挟み午後も続いた。


 翌日。これまでの狙撃でだいぶ感染者は倒せたので、新たな作戦が組まれた。4人一チームが国に潜入、家々を捜索し生存者がいれば救出、感染者がいれば撃破するというものだった。キノは三日間滞在ルールと中の国を見たいがためか、そのチームに参加した。キノと男三人が選定され、ついに国の中へ潜入した。家の前で生存者はいるかと声を上げ、反応がないことを確認し突入、各部屋を探索し終わったなら玄関の扉に×印をスプレーする。それを繰り返していると、ついに感染者を発見した。各自感染者を殺していった。20代でこのチームで2番目に若い兵士は、興奮気味だった。


 一定数倒して帰還しようとした矢先、四方の道を感染者の群れに塞がれ包囲された。リーダーの男が外部と連絡し、城壁からの狙撃による援護を要請、自分達に跳弾が当たるのを避けるため自分達の上を弾が通るよう指示をした。若い兵士は一点突破による帰還を主張したが、みなから反対された。挟まれたら援護も受けられず終わりだった。そこで編み出された作戦は、四方の道につき一人を割り当て最初にショットガンの有効射程まで前進、敵の群れと歩調を合わせ後退しつつ確実に数を減らしていく作戦だった。若い兵士は動揺していた。


 そして作戦開始、キノは確実に敵の群れを仕留めていき、やがて自分の方向の敵をほとんどの敵を倒した。残った敵は援護の狙撃手にまかせ、危惧していた自分の真後ろの若い兵士のもとへキノは走った。若い兵士は錯乱し、弾切れにもかかわらず引き金を引いていた。そして感染者がその兵士の頬に手をかけた。そして噛まれる寸前でキノが手前に引き寄せた。キノは足手まとい若い兵士を気絶させ、順次敵を撃破。別の二人が敵を全滅させた頃キノは街並みを眺めていた。


 本部へ帰還し感染者の全滅が確認された。そして兵士の元へほかの三人が見舞いに行った。すると兵士は人類の敗北だ、今日のことを一生誰にも話さないと言った。

 

 

オチ
 役割を終えキノとエルメスは出国した。エルメスは仮定の話と断りを入れたうえで話を切り出した。感染者の正体は、病気ではなく人間を超えた高度な生命体であり、彼らは脳がフル回転して他人と精神がつながっており、満ち足りた精神世界を体感、みなにそれを味わってほしくて噛むことで仲間を増やそうとする。体の緑の斑点は藻であり、光合成ができ食事の必要がない。さらに、体を破壊された仲間を食べることで一つの個体に別の個体が生きることができる。そして放っておいたら世界中のみながそのようになり、そこで初めて人類は本当に幸せな生物に進化を遂げる。この計画は廃棄されたものだったが海の深いところに隠れていたのかなとエルメスは言う。

 

 証拠はないよねとキノ。そう言ったとエルメス。あと、感染者が触れた人間にはその感覚が伝わり、それを知ったらその素晴らしさゆえにそれを拒む者はいないという。キノは自分がそうなったらモトラドに乗れなくなると確認し、次の国へ行こうかとエルメスに言った。

 


感想
 まさかのゾンビ物の展開。お約束の展開を抑えつつ(こぼれツイート)、キノの安定した強さが光る。感染者に触れられた兵士の運命はいかに。噛まれたわけではないので兵士が噛むことで感染者が増えるようなことはないが、その素晴らしさを知っているがゆえ、全人類にそれを知らしめるための行動を企てるかもしれない。それにしてもなぜエルメスが事の真相らしきものを知っているのか。また、海の深いところに隠れていたといっているが、それが冒頭の嵐の影響で飛び出してきたのか、などなど謎は考察は尽きない。


 話の序盤エルメスがこの世界のようではなく、国の皆が城壁から出て他国ともっと交流する新しい世界、すなわち現実世界を見てみたいと言っている。

 

 


キノの容姿と装備:若い人間・茶色のコート・黒いジャケット・ゴーグル・カノン・借り物のスナイパーライフルとショットガン
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:37)
殺害人数:169以上(キノの累計殺害人数:これまでの数48+今回169=217)
キノが危害を加えられそうになった回数:1(累計数:47)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:報酬の食事・燃料・携帯食糧・カノンの弾丸や火薬

 

 

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[ 小説第16巻 ] 00:23 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.10 Sunday
キノの旅十六巻第二話 育てる国 感想

●育てる国 -Stand by me!-
一言でいうなら:映画スターのための養子に勧誘される話
名言:「たぶん、えいがより、おもしろい」

 

登場人物:シズと陸とティー
話の長さ:約20ページ

 

 

あらすじ
 釣りが下手なシズの代わりにティーが手榴弾を川に投下、魚を爆殺することで漁をした。いつもの旅の光景だが、今後旅で移住先を決めることはティーのためにもなる。シズも自分自身を含めそれを望んでいるが、警戒されているためかなかなか決まらない。陸はそれに対し想いを馳せる。
 入国した国で移住をするには、国民の家族になる以外ほぼ不可能とのことだった。やむをえないのでおいしい食事を取り貴重な国での滞在を満喫していた。この国では各所で映画の宣伝がなされていた。ティーに映画を見たいかと聞くと、実際の旅のほうがおもしろいとティーは答えた。
 さきほどからなにやら盗撮されているようだった。だが隠し撮りの犯人は素人らしく目的が不明だった。そしてホテルを出ようとした矢先、夫婦が話しかけてきた。どうやら盗撮の写真を見てティーを養子にしたいという。するとそれはやめるべきだと女性の声がした。彼女は最初に話しかけてきた夫婦の娘で、望まない映画スターにされそうになり絶縁したそうだ。シズはティーを養子に出すのを断った。するとまわりの人から自分の養子にならないかと口々に言われた。その光景を見て映画よりおもしろいとティーは言った。


オチ
 ティーはシズに手を伸ばし、それにシズが応じた。そしてシズはティーをバギーに案内した。陸はその光景を名シーンだと思った。


感想
 子供が両親により望まぬ映画スターにならされそうになった話。過去回の「過保護」に通じるものがあるが、子供は立派に独立を果たしたので一安心。

 

 

殺害人数:0(シズの累計殺害人数:27)
シズの主張が認められなかった回数:0(累計数:5)
国の技術レベルと特産物等:近代・映画
収穫:豚肉料理・アイスが乗ったチーズケーキ

 

[ 小説第16巻 ] 19:32 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.10 Sunday
キノの旅十六巻第三話 飲酒運転の国 感想

●飲酒運転の国 -Let's Play the Game!-
一言でいうなら:飲酒運転がスポーツとなっている国
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:師匠と弟子
話の長さ:約10ページ

 

 

あらすじ
 悪天候を経て国に入国、道路にて師匠達の車はボロボロで遅いので国の自動車がどんどん追い抜いて行った。余所では師匠達の車が遅いこともあり煽られたりするのだが、ここではみなマナーよく追い抜いて行った。
 ホテルに入った二人は客の男から飲酒運転をしに来たのかと聞かれた。よくわからないでいるとパンフレットにそのような記述があるのを見つけた。次の日、師匠達は「国営飲酒運転フィールド」に来ていた。そこは舗装道路に建物が見えたが、映画のセットのようなつくりであった。案内人に案内され場内を見学した。そこでは参加者がお酒を飲んだ後、ヘルメットとかぶりガード付きの車に乗り込み、どんどん事故を起こしていった。ルールは二つあり「安全運転ルール」と「破壊運転ルール」と呼ばれ、前者はいかに泥酔状態で安全に長い距離を走行できるか、後者はどれだけ無茶な破壊行為ができるかを競うのだという。
 師匠が一般道でお酒を飲む人はいるのかと聞くと、案内人は血相を変えて飲酒運転は重罪だと言った。


感想
 管理人も稀に車を運転して思いっきり事故を起す夢を見て、目覚めてからぞっとする事がある。規制ばかりでは息が詰まるので、特定の場所で規制解除するというのはありなのではないかと思う。というか、よくよく考えればゲームとはそういうものか。
 この話の最後にはなぜか師匠達ではなく、モトラドのエルメスに乗ったキノのイラストが載せられているが、なにか言いたいことあるのか。この国を知ったらエルメスはどう思うのか。

 

追記

 お話の冒頭、豪雨の中走る師匠の車のワイパーは一本との記述があるが、各巻のイラストを見ると二本ある気が。少し探してみると12巻口絵「山賊達の話」は明らかに二本ある。これは誤植を発見したぞと息巻いた管理人だったが、後日のニコ生放送での指摘で8巻目次の車は一本との指摘が。調べてみると確かにその通りである。そもそも師匠の車であるが、モデルは「スバル360」であり著者のツイッターによると、発案したのはイラストの黒星紅白さんだそうだ。つまり黒星さんの采配で本数が決まるのか…謎は深まった。

 

 

師匠達の容姿と装備:不明
殺害人数:0(師匠達の累計殺害人数:116)
師匠達が狼藉を働いた回数:0(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:現代・お酒
収穫:なし

 

[ 小説第16巻 ] 20:59 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.10 Sunday
キノの旅巻十六第四話 血液型の国 感想

●血液型の国 -Blood Typo-

一言でいうなら:血液型診断が間違って伝わっていた国
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約10ページ
備考:証明書にキノの容姿記述

 

 

あらすじ
 しりとりをしていたせいでエルメスと妙な会話をしていたが、キノは入国が許可され異邦人証明書を受け取った。そこには一型と大きく書かれていたのでこれは何かと聞くと、血液型だという。それを見て入国審査官がキノに、ちょっとかわっていると言われるでしょうと言ってきた。
 それを皮切りに国に入ってからそこらじゅうで、血液型になぞらえた会話が繰り広げられた。本屋に寄ってみると目立つ棚には血液型関連の本がずらりと並んでいた。住人に事情を聴いてみると、元は外国より「血液型がわかる本」という本が伝わり、それがよく当たっていたため、それをもとに多くの研究がなされ今に至るという。キノは旅に必要ではないものにお金を使いたくなかったので立ち読みで済ますつもりだったが、住人達から強引にプレゼントされた。

 

オチ
 出国ししばらくたつと、トラック二台と数人の男達が野営地を造っていた。彼らは企業の一団とその護衛だという。何をしているのかと聞くと、「血液型がわかる本」という書籍に誤植があったので回収・交換していたのだった。正確には血液型四つの項目の順番が間違っており、まるで別の血液型の診断結果がそれぞれに記載されていたのであった。
 キノはみなさんに聞いてほしいことがあると言った。

 

感想
 結局のところ血液型占いは役に立たないというお話。一番最後で真実を述べるキノは珍しいと思う。管理人の中では「レールの上の三人の男」でのスルーが印象強い。真実を知った一同はこれからどうするのだろう。

 

追記

 英題がBlood Typoであり血液型を意味するBlood Typeではない。typoとは誤植を意味しており、似たスペルとして掛けているのである。(参考URL:「typoの意味・用例|英辞郎 on the WEB:アルク」https://eow.alc.co.jp/search?q=typo

 

 

キノの容姿と装備:氏名キノ(ミドル・ファミリーネームなし)・生年月日不明・髪の色黒・瞳の色ダークブラウン・パースエイダー二丁・血液型一型
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:37)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:217)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:47)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:誤植のある血液型本

 

[ 小説第16巻 ] 21:42 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.10 Sunday
キノの旅十六巻エピローグ・プロローグ 恋文の国b・a 感想

●恋文の国 -Confession・a-
一言でいうなら:片思いの話
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス、シズと陸とティー、二人のケイト、テオ(手紙の主)
話の長さ:約80ページ
備考:複数主人公・他の話とリンク?(追記にて)

 

 

2018/7/20〜全体的に記事修正、特にbパートにおいてシズが滂沱していると以前思っていたがこれは間違い


bパートあらすじ
 フォージリー村の人口が一人増えたころ(aパートにおける村出身のケイトが出産したと思われる)、シズ達はコンサート会場にいた。この国で一番大きな劇場で一番有名な歌姫によるコンサートが開かれていた。旅人には無料で特等席をあてがわれるとのことで、シズ達や別の旅人はコンサートを聞いた。陸の隣にいる知らない旅人シズは滂沱(ぼうだ)しており陸は疑問に思ったが、本人ですらなぜ泣いているのか分からないようだった。歌姫は明るい服で明るい歌詞を歌っていた。ティーがそんな歌を歌っているのに悲しそう、そしてとても幸せそうで不思議がった。歌姫は「恋文」というタイトルで、私はいつも愛されている、私が愛しているあの人にといった内容の歌だった。

 


aパートあらすじ
 親愛なるケイト宛に、旅を出て楽しんでいると同時に故郷に置き去りにしてしまったケイトへの愛を綴った手紙があった。だが手紙の最後には病気で力尽きようとしている手紙だった。キノは肩掛けカバンを購入した際にその手紙の存在に気付いた。おそらく遺品整理の際誰かが横流ししたのが市場に出回り、それをキノが入手したようだった。キノはこの捨てがたい恋文の想いをケイト伝えたいと思い、彼女を探すことにした。ただ、この辺りは郵便システムがあるにもかかわらず、なぜ直接手紙を差し出さなかったのが謎であった。


 目的の国に入国しホテルにいると、TVでケイトという名前の喪服のような黒い服装をした歌姫が歌うところだった。手紙のケイトなのか、単なる偶然かどうかわからなかった。次の日、歌姫のケイトのことを聞くと住人達が詳しく教えてくれた。彼女は近年大成功を収めたが、歌う内容がこの国では珍しく暗い内容であり、そろそろ明るい歌を歌ってほしいとみなから望まれていた。


 キノは歌姫の出身地であり、同時に手紙書かれた住所でもある「フォージリー村」に辿り着いた。村役場に問い合わせてみると人違いだと言われた。確かにこの村にケイトがいるが、有名人のケイトとは芸名でありここに住んでいないという。キノ達が村役場を出ると、それを教えた役場の人はどこかへ連絡した。


 キノ達は歌姫のケイトが手紙の主の想い人かと思っていたが、どうやらこの村にいるケイトこと想い人であると考えを改めた。そしてケイトの家に行くと、ケイトと名乗る女性にお茶に誘われたのでキノは応じた。そしてそれとなく知り合いで旅に出た人はいないかと聞いたが、彼女は知らないと答えた。彼女は結婚して子供もおり、さらに今も身籠っているという。彼女の家を後にし、これはどういうことなのかとキノは考えあぐねた。

 

 ホテルに戻ってきたキノに背広姿の男が話しかけてきた。彼はフォージリー村へ行ったキノに会ってもらいたい人がいるという。キノは高級なバンに乗せられ高層ビルに入った。なかには多くの警備員がいた。そして応接室で出迎えたのは歌手のケイトであった。彼女からなぜ村を訪問したのかを聞かれ、キノはこれまでの経緯を話した。すると彼女は全財産を投げ打ってもいいので鞄と手紙を売ってほしいと言った。そして問題の手紙を読ませてもらった後に真実を語り始めた。


 手紙を出したのはテオという男で、恋文の相手は確かにフォージリー村で出会ったケイトだった。だがそれはテオの一方的な片思いで、ケイトはテオのことを全く認知しないまま結婚した。テオはいままで告白せず、いつかケイトが振り向いてくれると信じていたが、彼女の結婚にショックを受け国を出て行ってしまった。だが思いを捨てきれず、彼女を国に置いてきたという設定で旅をし、手紙を書くだけ書いていたのだった。


 そして、どうして歌手のケイトがそこまで知っているのかというと、彼女もテオに片思いしていたのであった。そして感情を爆発させ告白しなかったことを後悔した。そして、彼を待つ暇に飽かせて歌を作ったらそれが受けたとのことだった。最後にケイトはこの手紙が自分宛なのよねキノに聞いてきた。キノが答えた結果、とても嬉しそうな顔をした。

 


感想
 最後、ケイトがこの手紙が自分宛なのよねと聞いてきた際、キノが何と答えたかは伏せられている。だがその言葉によりとても嬉しそうたったとキノ達が後日談で述べている。果たして何と答えたのかについてだが、余所様のブログ

yea_raさんの雑記『「キノの旅16」を読みました』http://yeara0.blog12.fc2.com/blog-entry-44.html

にて、とても説得力のあるご意見を知ることができた。キノが答えたのは 「フォージリーのケイトさん宛です」 という意見。これには納得した。

 

 

追記

 歌手のケイトが真相を述べる場面、ここでの口語は丸3ページに及び、その間鍵括弧が閉じることなく続く。この鍵括弧の長さはシリーズでも最長のはずである。ほかに思った点として冒頭のテオが書いた手紙であるが、これらはキノが以前立ち寄った国と似ている気がする。2枚目の手紙は正義の国、3枚目の国というより地方は寄生虫の国、4枚目は思いつかないが5枚目はフォトの故郷の宗教国家ではと勘繰る。さらに、このお話ではエルメスについて一つの疑惑が提示される。それはエルメスだけ残していったホテルの部屋にて、消えていたはずのTVがついていたことである。そのことをキノが指摘すると、エルメスは細かいことは気にしないと答えた。なんらかの方法でエルメスはTVをつけることができるのか。

 

 そして、今回一番注目したいのが小説の冒頭にあるプロローグである。そう思ったきっかけはやはり2ちゃんねるのレスである。このレスを要約すると、プロローグにて陸の隣にいる知らない旅人は手紙を書いたテオであり、彼は回復し故郷へ帰ったのではといっている。だがレス主が指摘するように鞄の経緯は説明できない。さら反論として元住人のテオが旅人待遇なのはおかしいのでは(レス)という意見がある。

 

 管理人はこれらの指摘を組み合わせ、新しい説を考え付いた。要点にしてまとめていくと…

・プロローグで陸の隣にいる知らない旅人はテオではないか?(明確な根拠なし、ただあえて言及されていることに意味があるのでは)

・元住人のテオが旅人待遇でこの場にいるのは不自然+自分でも分からないが号泣している→病気が元で記憶を失ったのでは。それがもとで鞄を手放し(やや苦しい)、故郷と知らず入国(3年経過+大きな国なので元住人と思われなかった)、ケイトの歌を聞き記憶はないものの自身の境遇を体が覚えており号泣したのでは

 こんなところである。根拠に欠けるが旅人=テオと仮定しこのような説を思い付いた。

 

 

 

キノの容姿と装備:白いシャツ・黒いベスト・パースエイダー(持っている全ての)
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:37)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:217)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:47)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:ケイトがだしたハーブティーとお菓子・鞄と手紙引き換えの報酬

 

[ 小説第16巻 ] 00:26 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.11 Monday
キノの旅十六巻フォトの日々 見えない真実 感想

●見えない真実 -Family Picture-
一言でいうなら:目が不自由な子の家族の真実
名言:「〜。写真は、何もできないんです。何かができるのは―、いつだって人間です。」

 

登場人物:フォトとソウ
話の長さ:約30ページ

 

 

あらすじ
 フォトの写真屋宛に手紙が届いた。それを送った子によると、お金がないので3枚分だけだが家族写真をぜひ撮ってほしいという。今は仕事が詰まっているわけではないので、さっそく赴くことにした。

 住所にあった家に行くと、両親はまったく事情を知らず何かの間違いではないかと言った。すると、手紙の主が登場、家族写真を撮ってもらうために呼んだと息子が両親に話した。この国でカメラは高価であり、祝いの場程度でしか写真撮影が行われない。なので両親は喜ぶかとソウは思ったのだが、両親は露骨に写真撮影を嫌がった。いろいろな理由をつけ、しまいには一人で撮ってもらいなさいと両親は言うが、息子はどうしても三人じゃないとだめだと言った。フォト達は息子に詳しく話を聞いてみると、息子は数日後にはここを離れ、自立した仕事に就くため盲学校に通うのそうだ。そして目がとても悪いため、いままで家族の顔をちゃんとみたことないが、写真であれば家族の顔をみれると思ったのだという。そこでソウは望遠レンズを用いた隠し撮りを提案した。
 三時間スタンバイ状態の末、息子の手引きにより家族達が家の前に集まった。写真映えする態勢を作るのは困難に思えたが、少年が体操を始めたことで家族が同調、いい笑顔の家族写真が撮れた。それを見てソウはあることに気づいた。写真が現像されすぐに届けると言うフォトに、ソウは現像された両親と息子の顔が似てないこと、両親が異様に写真を拒んだことから推察、それにより写真を息子で起きる影響を考慮し、写真を渡さない手もあるとフォトに言った。だがフォトは拒んだ。 フォトは事前に両親に会うと、両親は息子が実の子供でないと認めた。まだ息子には見せていないが、フォトは依頼人からの仕事を完遂させるめ息子に見せるという。

 

オチ
 息子が写真を見た。はじめて両親を見れてとても嬉しいと言った。その反応を見てソウと両親は息子がもう写真ですら視力が悪くて見えないと察した。そうとは思わずフォトだけは喜んだ。

 

感想
 これまでのサバイバルから写真屋開業を経て、フォトの写真屋シリーズの第一弾となる。フォトのお話は今回のように写真を通じて真実が解き明かされる展開が基本となる。話の序盤に「モトラドの視界は全周ある」と書いてある。すごいものである。

 

 

[ 小説第16巻 ] 19:47 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.11 Monday
キノの旅十六巻フォトの日々 残されたもの 感想

●残されたもの -Return-
一言でいうなら:以前訪問した村が災害に遭う話
名言:「破壊されたとしても! それも村の記録です!〜悲しい記憶でも、残さなければならないんです!」

 

登場人物:フォトとソウ
話の長さ:約30ページ

 

 

あらすじ
 「雪景色が撮りたい!」とフォトが言った。いままでさまざまな風景を撮ってきたが、雪景色はまだ撮ったことがなかった。行くこと自体はいいのだが、さすがにソウで雪の道を走るのは無理なのでトラックを購入した。宣伝ついでに写真屋とわかる塗装をトラックにしてもらった。機材一式と必要物資をそろえ出発、ホテルで一泊した後に雪の積もった村に着いた。
 拒絶される可能性もありどきどきしながら村に入ったが、そこでは大歓迎された。この村は過疎化が進んでおり、男達は出稼ぎに出ているとのことだった。フォトは雪景色を撮ると同時に村人たちの素顔も撮影していった。フィルムがなくなるまで撮影、春になったら写真を届けに再び来ると決め帰還した。
 もうすこしで冬が終わろうとしていたこと、未曽有の雪崩で村が壊滅、村人の二割が亡くなったとのニュースが入った。フォトは行かなくちゃとはやるが、ソウは冷静に仕事を終えてからだと諭した。そして出発、再びホテルに泊まった後に村に到着した。村の家は雪崩により押しつぶされていた。
 フォトは三秒ほど逡巡(しゅんじゅん)した後、一枚写真に収めた。すると一人の男が抗議してきた。男はこんな惨状の写真を撮って楽しいかと言ってきたが、フォトは前にここに来た時に老人達から村の記録を残してと頼まれたと毅然と言い放ち、村が復興した時の重要な資料となる写真を今自分が撮らなきゃいけないと訴えた。そしてフォトは男にファイルを差し出した。男が見たのは雪崩が起きる前の村人達の素顔であり、そこに自分の親を見つけ涙した。写真が普及していないこの国において、再び親の顔を見ることができたのだ。それからフォトはみなが復興作業をするなかで撮影を続けた。誰も咎める者はいなかった。そんな中、ソウはある提案をした。
 新聞にフォトの写真が掲載された。この事件は注目を浴び、それによって国の支援や義援金が集まった。フォトがまた村に行きたいので仕事を減らしてもいいかと聞いてきた。フォトはお金持ちでそもそも仕事をしなくてもいいのであり、もっと人生を楽しむよう生きるべきだとソウは言った。

 

感想
 現実世界において報道カメラマンはどのような姿勢で写真を撮っているのであろうか。事件が起きたら写真を撮りに行くが、人がいてもやみくもに写真を収めているのであろうか。フォトのように被写体に敬意を払っていることを望む。

 

[ 小説第16巻 ] 23:27 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.11 Monday
キノの旅十六巻 あとがき 感想

●あとがき ーぷりふぇいすー
一言でいうなら:ひらがなによる添削込みのあとがき

 

 

内容
 クレー射撃をしたことに対する感動、40歳で日本で合法的に鉄砲を持てることになった事、それを実現するに至ったきっかけである事故、あちこちの骨折に数時間の全身麻酔手術と一週間の入院、そしてこれから夢を実現していくという決意。それらが全文がひらがなで、さらに各所に添削のメモ書きがなされている。

 

感想
 そんな事故があったとは…復帰されてなによりです。ネットで適当に調べたものの、大きく公表していないせいかどんな事故だったのか不明。初出はメグとセロンのあとがきだそうで、当時の2ちゃんねるのログを見てもツイッターでは言ってなかったとの情報あり。事故があった時期は「メグとセロン察徃売前の2012年5月以前の模様。

[ 小説第16巻 ] 00:29 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.09.12 Tuesday