キノの旅を総括したい

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キノの旅供ヾ響曄淵優織丱譴△蝓

●キノの旅 -the Beautiful World-

「何が正しいのか? 誰が正しいのか? 何か正しいのか? 誰か正しいのか?」 -What is "right"?-
発売日:2000年10月25日
おもな登場人物:キノとエルメス、シズと陸、師匠と弟子

 

 

2018/4/12以後周辺〜巻全体を通し記事を加筆修正

 

この巻について

   口絵「狙撃兵の話」にて、キノの旅シリーズでも最強と言っても過言ではない師匠と弟子のコンビが堂々登場。ほか、熾烈な生存競争ともいえる「人を喰った話」が後味悪い一方で、人気投票No.1の「優しい国」が登場。この話ではあまりに穏やかで珍しく調子の狂うキノや、老いた師匠の弟子らしき人物から「森の人」を譲り受ける重要な出来事が起きる。

   さらにシズと陸も登場。だが目次にも未記載の隠れた登場となる。まだシリーズの主人公として扱うか、確定していなかったのかもしれない。

 

 

目次

口絵「狙撃兵の話」(師匠のお話)

プロローグ「砂漠の真ん中で・b」

第一話「人を喰った話」

第二話「過保護」

第三話「魔法使いの国」

第四話「自由報道の国」

第五話「絵の話」

第六話「帰郷」

第七話「本の国」

第八話「優しい国」

エピローグ「砂漠の真ん中で・a」

特別編「続・絵の話」(目次未記載・シズのお話)

あとがき

[ 小説第2巻 ] 23:02 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.07.30 Sunday
キノの旅二巻口絵 狙撃兵の話 感想

●狙撃兵の話 -Fatalism-
一言でいうなら:割合の分狙撃してもらう話
名言:「前払い金を両方からもらっています。それを持って逃げます」


登場人物:師匠と弟子
話の長さ:数ページ
備考:国外

 

 

あらすじ
   森の中。狙撃兵の構えた銃が裸の男を捉えた。引き金に指をかけた直後、動かないでと女性の声がした。声の主こと師匠に銃を突き付けられたのだ。だが彼女の話すところ、殺しの依頼と不殺の依頼を両方受けたためどうしようか悩んでいるそうだ。


オチ
   そこで狙撃兵は提案した。これまで狙えそうな人は全て撃ってきた。これからは師匠の言われた数のうちの一人しか狙撃しない。すると師匠は複雑な計算が必要な数を教えた。そして師匠は裸の弟子と合流し、車に乗って名言を言った後に走り出した。すぐ近くで銃弾が炸裂した。


感想
   師匠と弟子の初登場回。だがこの話は、今後の師匠達のお話からするとどうも歯切れが悪い。最後に狙撃された命の危機に瀕したためである。これは、今後の師匠達のお話の中でも最も死ぬ可能性が高い。師匠達はこれよりさまざまな危ない橋を渡ることになるが、基本的に敵とあいまみえる際はそれなりの準備の上で立ち向かい、敵を封じたうえで多額の金品を気持ちよくかっさらっていくものである。

 

 

師匠達の装備:大口径のリヴォルバー
殺害人数:0(師匠達の累計殺害人数:0)
師匠が狼藉を働いた回数:1〜契約不履行、前金持ち逃げ(累計数:1)
国の技術レベルと特産物等:国外
収穫:二者からの前金

 

[ 小説第2巻 ] 22:24 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.07.31 Monday
キノの旅二巻第一話 人を喰った話 感想

●人を喰った話 -I Want to Live.-
一言でいうなら:助けた男達が人を喰っていた話
名言:「怖かったよ。終わってしまうかと思った」


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約30ページ
備考:国外・戦闘あり・他の話とリンク(「マニアの国」の後日談)

アニメ一期「人を喰った話」ページ

 

 

あらすじ
   雪上を走っていると、トラックとテントがあった。そこには三人の男がおり、トラックが雪で立ち往生したため飢え死にしそうだった。キノは彼らのために狩りに出てウサギを仕留めた。男達はキノが調理したウサギを喜んでたいらげた。キノは次の日もウサギを狩り、彼らの体力回復に協力した。
   彼らと会って三日目、男達はだいぶ回復した。そして彼らはキノに銃を向けた。


オチ
   男達は奴隷商人で、仕事が出来るようになった以上それをすると言い出した。武器を外せと言われ従うキノ。だがキノは、最後に残った仕込銃のナイフを使い反撃。3人を殺し絶対絶命のピンチを乗り切った。
   彼らのトラックの荷台には大量の骨があった。彼らが奴隷を喰ったのであった。


感想
   ほぼ身ぐるみをはがされたうえでのギリギリの反撃。シリーズでも上位に入るピンチである。キノが反撃する際の拳銃仕込みのナイフは、「マニアの国」で銃マニアから手に入れたものである。持っているナイフすべてを外せと言われナイフが凄い数になるという展開は、アーノルドシュワルツェネッガー出演映画「ラストアクションヒーロー」を思い出す。

   話の中盤、男達は神に感謝の言葉を述べるが、これは人を喰った上での発言だと分かる。そしてキノの名言。それはキノは決して無敵というわけではない、強くてもちゃんと怖いと感じているという、純粋な少女の感情が垣間見える貴重な台詞である。
   そしてとても珍しいことに、冒頭のキノについて十代後半ほどと定義している。これは幾多の冒頭における説明が十代半ばほどといった類なのに対し、後半だと踏み込んでいるとても珍しい記述である。さらにはゴーグルが黄色といった定例外しがなされており、時系列の想像を膨らませる。

 

追記

   助けた恩を仇で返された後味の悪いお話。改めて読み返すとキノは狩ったウサギに最大限に敬意を表していることに気付く。狩った際に立つ瀬がないと言ったり、男達の感謝に対しウサギにも促したり、去り際に「悪く思うなよ。ボク達は人間なんだ」と言っている。最後の台詞は、ウサギ達の死が結果的に無駄になってしまったことを気にしつつ、汚い面もあるのが人間と言いたげである。

 


キノの容姿と装備:十代後半ほど・防寒着・オーバーパンツ・毛皮のついた帽子・黄色いゴーグル・フェイスウォーマー・カノン・森の人・多種のナイフ・レーザーサイト・補助スキー装備のエルメス
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:3)
殺害人数:3(キノの累計殺害人数:5)
キノが危害を加えられそうになった回数:1(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:国外
収穫:なし

[ 小説第2巻 ] 00:02 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.01 Tuesday
キノの旅二巻第二話 過保護 感想

●過保護 -Do You Need It?-
一言でいうなら:鬼畜両親の話
名言:「疲れたよ」


登場人物:キノとエルメス、まーくん、よっくん(言及のみ)
話の長さ:数ページ

 

 

あらすじ
   エルメスの元へ行くのを遮る夫婦と子供がいた。彼らは戦争に行かせる息子に防弾チョッキを持たせるか否かで揉めていた。息子の意見はどうなのかとキノ。まーくんの意思を一番尊重すると両親。


オチ
   息子は戦争に行きたくないと言った。だが将来のためだ、クラスのみんなが行っていると両親は言った。そのくせ行かない子がいると息子が指摘しても他人は他人ウチはウチと言った。キノは3人で話し合えばとアドバイスをするが、まるで聞き耳を持たず新兵募集所へ行ってしまった。


感想
   やるせない消化不良なお話。両親が息子のことを大切しているとはとても思えない。現実でも言っている事とやっていることが違うという人は存在する。

   息子のまーくん。あだ名とはいえ主要人物以外で名前が出てくるのは初めてである。

 

 

キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:3)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:5)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:なし

[ 小説第2巻 ] 19:41 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.01 Tuesday
キノの旅二巻第三話 魔法使いの国 感想

●魔法使いの国 -Potentials of Magic-
一言でいうなら:飛行機を魔法だと誤解される話
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス、"ニーミャ・チュハチコワ"
話の長さ:約40ページ

一期アニメ「魔法使いの国」ページ

 


あらすじ
   入国して国賓待遇を受けるキノ。豪華な食事、そして国長のつまらない話を遮ったのは、国の銅像を壊せと訴える女性であった。彼女は締め出されるが、キノはいいタイミングとばかりにこの場を後にした。街を走ると先ほどの女性がいた。彼女が銅像を壊せと言った理由は、自作の飛行機を飛ばすために滑走路が必要なためだった。設計図を見せてもらったところ、エルメスはこれが飛ぶと確信した。しかし銅像を排除しないことにはどうしても必要な滑走路を確保できない。ニーミャとエルメスが議論を交わし発言機会がなかったキノであったが、ふと言ってみた発案により実現性が大きく増した。そして作戦開始。みなが見守る中、ついに飛行機は飛び立った。


オチ
   飛行機は無事飛行、着陸しニーミャはみなに自身の正当性を説いた。だが、みなからあなたは魔法使いだったのですねと言われた。キノも魔法使いならこの国を導いてほしいという熱い視線を受けたが、すぐに出国した。

   実はキノも飛行機が飛ぶとは思っていなかった。なんで協力したのかというと、国長の話に退屈していたからだった。


感想
   自作飛行機を飛ばすと言う壮大な計画と、それに協力するキノ。このような話のシチュエーションは珍しい。キノはたいていの場合は国のシステムを見学して終わりということが多く、住人の細かい事情までにはつっこまない。本人も言っているように退屈していたから付き合ったのだった。

 

追記

   ニーミャ・チュハチコワというフルネームがわざわざ明かされたので検索してみた。するとこのモデルはライト兄弟よりも早く飛行機の原理を考案した日本人「二宮忠八」 がモデルらしい。

 


キノの容姿と装備:シャツの上に黒いベスト・ゴーグル・リヴォルバー
エルメスの言い間違い:鳩が入鉄砲→正:豆鉄砲(累計言い間違い数:4)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:5)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:近代・銅像
収穫:国賓待遇の豪華な部屋・豪華でタダな食事

[ 小説第2巻 ] 00:05 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.02 Wednesday
キノの旅二巻第四話 自由報道の国 感想

●自由報道の国 -Believers-
一言でいうなら:どの新聞が正しいのか分からない国
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス、新聞記事に固有著者名
話の長さ:約20ページ
備考:国外・固有年月記述(八九三年鹿の月五日等)

 


あらすじ
   ある新聞では被害者の側に立ち、ふとモトラドに興味を示した男性に、持ち主の旅人が過剰に反応し発砲したという記事。その新聞の傍らにはパンダの名前の選考に落ちたが、受賞したのは自分の一文字違いでデキレースなのではと投稿。
   ある新聞では旅人の側に立ち、泥酔しモトラドを触るどころか掴みかかってきた男性に、旅人が正当防衛として発砲したという記事。その新聞の傍らにはパンダの名前の選考に落ちたが、それをバネに一層努力すると投稿。末尾には編集部一部添削とも。


オチ
   という新聞記事をキノは読み上げた。エルメスはその場にいたモトラドの意見がないと憤慨した。しかしキノにとって古新聞は、何がが書いてあっても火をつけるのに役立つ火口(ほくち)でしかなかった。


感想
   旅人=キノと思わせぶりな記事だが、作中で言われる通りキノではない。ネットではマスコミに対する見解が厳しいが、それらは貴重な情報源だと思う。せめて真実だけは正しく伝えてほしい。

   このお話ではフルートだと思われるライフルタイプの銃が登場する。今回がシリーズで初登場である。

 

 

キノの容姿と装備:十代半ばほど・黒いジャケット・パースエイダー・ライフルタイプのパースエイダーとスコープ
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:4)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:5)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:国外・自由報道
収穫:薪がない時に役立つ古新聞

[ 小説第2巻 ] 21:35 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.02 Wednesday
キノの旅二巻第五話 絵の話 感想

●絵の話 -Happiness-
一言でいうなら:勝手に絵を解釈されている話
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約10ページ
備考:他の話とリンク(続・絵の話

 


あらすじ
   その国では戦車の絵がそこらじゅうに飾られていた。住人達はこの絵と画家が、過去の内戦を反省する平和のシンボルの創造主だと絶賛した。

 

オチ
   その画家に出会えた。彼は戦車が大好きで、それだけを考えて絵を書いているに過ぎなかった。


感想
   もしかしたら「キノの旅」も、巷では哲学的だなんだ言われているが、実際は著者が好きなことだけを書いてるだけなのかもしれない。あまり著者のインタビューやツイッターを読んだことがないので真実は分からないが。
   作中、絵を絶賛する住人がこの絵を5年以上たった後に見てどう思うか知りたいと言うが、そこまで経たないうちにすぐ分かることになる。(続・絵の話
   作中「反応爆薬装甲」なる単語が出てくるが、なにかで管理人はその単語をどこかで見た記憶が。キノの旅じゃなくて、メタルギアだったか、いやガンダムポケットの戦争のアレックスのチョバムアーマーの件からだったかなぁ。

 

 

キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:4)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:5)
キノが危害を加えられそうになった回数 :0(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:現代・戦車の絵
収穫:なし

[ 小説第2巻 ] 00:15 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.03 Thursday
キノの旅二巻第六話 帰郷 感想

●帰郷 -"She" Waiting For You.-
一言でいうなら:人違いしてしまいキノに殺される話
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス、シュヴァルツ、トート(義妹)
話の長さ:約10ページ
備考:第三者が主体の話・ひと気のない国

 


あらすじ
   生まれ故郷の城壁が見えてきた。

   家族は母、そして母が引き取った五歳下の女の子がいた。女の子は名前はトートといい、よく水鉄砲ゲームをしていた。毎日が退屈で十五歳のときに憧れていた旅に出た。トートに残るように懇願されたが、最後には帰りを待っていると言われた。しかし旅に出ても自分が望むような展開にはならなかった。そこで故郷に帰ることにした。
   国に近づくと少女が水浴びをしていた。トートだ。旅に出るなんて浅はかで、母親やトートのいる退屈な日常こそが魅力あるのだ。家に帰ったら真面目に仕事をしたい。なによりもまずはトートに無事帰ったことを伝えたい。昔やった水鉄砲ゲームの時のように彼女に近づいた。


オチ
   キノはいきなり銃を向けて近づいてきた男を殺した。

   目の前の国が流行病で骸骨だらけなのを確認した後であった。キノは少し切った髪についてエルメスに聞いた後、エルメスに乗り森を去った。

 

感想
   まったく報われない話。旅に出てうまくいかなかったので反省して帰ろうしたら、人違いと気付かぬまま殺された。例え殺されなくても、故郷は全滅し絶望しか残っていないのだから報われない。
   男とキノ。2人は旅人であるが、旅に対する見解や境遇がここまで違うのはなぜだろうか。やはりキノは師匠にサバイバル術を叩きこまれているため、この技術を持って日々食糧を確保できたり、用心棒を請け負うことができる。旅に憧れていても、スキルがないとうまくいかないという事か。
   ところでこの話には珍しくキノの肌着のままの水浴びシーンなるものが。そんなシーンがあるものの管理人はキノに色気をほとんど感じたことがない。というのもキノは作中でもせいぜいシャワーをあびたという記述だけであり、色気を感じる類の記述はまるでない。なので管理人はキノを少年の感覚で見ている。

 

 

キノの容姿と装備:カノン
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:4)
殺害人数:1(キノの累計殺害人数:6)
キノが危害を加えられそうになった回数:0、その気がないのでノーカウント(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:国外
収穫:水浴びができた

[ 小説第2巻 ] 20:04 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.03 Thursday
キノの旅二巻第七話 本の国 感想

●本の国 -Nothing Is Written!-
一言でいうなら:作家になるために旅に出る話
名言:
「そうですね。でも、あまり考えすぎないように。考えるだけで、終わってしまわないように」
「〜。どんな時でも、他の生物ではなく、自分が生き残ることを最優先にしてください。〜」

 

登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約20ページ
備考:口語がメインの話・作家シリーズ

 


あらすじ
   読書が盛んな国で、キノは珍しく図書館のハシゴをしていた。暇なので昼寝したエルメスは、朝珍しくキノより早く起きた。キノが起きるとエルメスに寝ている時に見た変な夢を話した。キノが本を図書館に返却すると、住人が話しかけてきてキノが読んだ本について長々と評価し始めた。そんな住人に対しキノが反応に困っていると、別の住人がやってきて議論をはじめた。キノは一応断りを入れてその場を去った。
   図書館を出るとエルメスを物色している男いた。話を聞くと彼は旅に出たいという。理由はこの国では本の評価が盛んだが、自ら書くと言う考えがまるないからであった。しかし男は旅の知識もなければ自転車にも乗れないのだという。キノはそれならこの国で暮らすしかないと言った。
   キノが出国すると先の男がいた。自転車に乗れなくても自分の足がある、雪が得意のスキーを使ってみるのだという。そんな男にキノは最低限の旅の知識を教えた。男と別れ、あの人うまくいくと思う?とエルメス。一回沈黙した後、いいや思わない、物事を成し遂げられるのは十人中一人成功させればいいほうだとキノ。それは前に師匠に言われた言葉と同じだとエルメス。
   「そうさ。だからー」。その台詞を最後に物語は終わった。

 

感想
   備考にも書かれているが、この話は口語のみで構成される。今後の話でもいくつか口語のみの話があるが、初登場なのはこの話である。また、本と言えば今後の巻で本を大量に捨てるという国がある。

   この話の前は「帰郷」で旅に失敗した話の次にある。そして、キノは旅の困難を十分理解し旅に出るのを思い届ませようとしている。だが男はやはり旅に出た。人間は困難なことでも理想を夢見て進みたくなる生き物のようだ。
   本作は「そうさ。だからー」で終わる。この終わり方は読んだ人に委ねるということである。キノは何を言いたかったのであろうか。「だから」という言葉を使うのということは、「既に行動した」という旨が来るのが自然だと思う。管理人が思いつくのは「そうさ。だから(成功確率は低いけど、できれば成功してほしいので)出来るだけアドバイスはした」といった感じである。

 

こぼれ解釈:管理人のツイッターでの舌足らずな考察

https://twitter.com/umidorinakoto/status/893096314438688768

https://twitter.com/umidorinakoto/status/893096503392075776

https://twitter.com/umidorinakoto/status/893096656052207616

 


キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:下手の考え休んでニヤリ→正:休むに似たり(累計言い間違い数:5)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:6)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:近代以上・本
収穫:たくさん本が読めた

[ 小説第2巻 ] 22:07 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.03 Thursday
キノの旅二巻第八話 優しい国 感想

●優しい国 -Tomorrow Never Comes.-
一言でいうなら:キノが調子狂うほど優しい国
名言:「その、もう一日二日滞在できませんか?」


登場人物:キノとエルメス、さくら、師匠の弟子
話の長さ:約50ページ
備考:公式人気投票上位・(ひと気のない国)

アニメ一期「優しい国」ページ

アニメ二期「優しい国」ページ

 

 


あらすじ
   旅人の評判が最悪の国に入国、のはずだったが住人からは大歓迎を受けキノとエルメスは拍子抜けした。住人にいいホテルはないかと聞くと、さくらという少女が両親の経営するホテルに案内してくれた。その後、街の機械工に頼みエルメスのメンテナンスをしてもらった。それからも行く先々で人々から歓迎のあいさつを受けた。


   二日目の朝、紹介してもらったパースエイダースミスの元へ行き、カノンのメンテナンスを頼んだ。待つ間、公園で街の歴史の劇を見た。打ち上げパーティーに誘われるとキノは楽しそうに参加した。ガンスミスの元に戻ると、メンテナンスを受けたカノンは初めて手にした時以上の感触だった。そしてパースエイダースミスは師匠と呼ばれた人を知らないかと聞いてきた。しかしキノは師匠の言いつけ通り知らないと答えた。その後、パースエイダースミスは森の人と呼ばれる銃をキノに強引に渡した。

 

   ホテルに帰る途中、さくらに素敵な高台に連れて行ってもらった。そしてさくらは両親の仕事を立派に継ぎたいと言った。きっとなれるとキノ。ホテルに帰ってからさくらの両親が来て、さくらに旅に出たくないかと聞いた。しかしさくらはここで勉強したいと言った。キノはその光景を別世界の出来事のように眺めていた。


   三日目の朝、キノが寝坊した。その後、結婚式を見に行った。花嫁と花婿がたくさんの袋をばらまいた。その中から木の種が入った袋を見つけ、それを持って次の朝を迎えると次に幸せな花嫁になれるそうだ。それを見つけたキノはさくらに渡した。ホテルに戻ると、兵士に出国の準備をお願いしますと言われた。キノは何気なく追加で滞在できないかと聞いたが、ルールだからと断れられた。そして出国間近。多くの人に見送られる中、キノは皆にこんなに親切で楽しかった国は初めてだと感謝の弁を述べ、出国した。

 

 

オチ
   国から離れて眠りにつくが、嫌な予感がして目を覚ました。すると火砕流がさきほどの国を飲み込んだ。キノは呆然とし、ぺたんとそこに座りこんだ。


   夜が完全に明け、出国前にさくらとその両親からもらった野外食を食べ終わると、そこに手紙が入っていたことに気付いた。それはさくらの母親からの手紙で、この国が火砕流に飲み込まれること。国を捨てるか留まるかと考えたとき、余所からは理解されないかもしれないがここしか場所を知らないので留まると選択したこと。自分達はいなくなるがこの国を記憶しているのは悪い印象を持った旅人しかいないこと。そうなっては悲しいので次の旅人は大歓迎すると決め、そしてキノが来たこと。追伸として、この事実を知っているのは参政権を持つ12歳の人間であり、さくらが12歳になるのは本日であること。キノに連れて行ってもらおうかと思ったが、さくらが親の仕事を継ぎたいと言ったので一緒に連れて行くとのことであった。


   「エゴだよ……。これはエゴだ」とキノは言った。さらにさくらの手紙も入っていた。結婚式の時の種と、これは自分が持っていても仕方ない、私たちのことを忘れないでと書かれていた。


   それを読み終え、キノはエルメスに乗り走り出した。

 


感想
   キノの旅15周年スペシャル投票企画「人気の国」(http://kinonotabi.com/result.html)にて人気投票第一位となったのが本作である(それに関する管理人レビューはこちら)。評判が悪いはずが一転、大歓迎を受けるキノとエルメス。住人からの歓迎、そしてやさしさを感じる描写が丁寧に描かれている。そのことからも人気投票一位であることが頷ける。


   そしてさくらと自分の関係を見て、キノと元祖キノの関係を感じるキノ。さらにさくらと両親の温和な関係に、自分と両親の理想的な光景を感じているであろうキノが描かれている。キノが国から逃げ出しさなければ今のキノはないが、それと同等にこのようにキノも生きれればなと思わせる。


   キノが寝坊するのはシリーズが20巻迎えた中でも唯一今回のみだと思う。そして、旅が困難な冬以外で三日間ルールを捨ててもっと滞在できないかと聞くのも極めて異例。それを驚くエルメスに「いや、なんとなく……。そんなに驚くなよ」という言葉遣いも聞き慣れない台詞である。


   話の終盤、「エゴだよ……。これはエゴだ」という台詞、さらに続いてエルメスがしゃべる言葉は四巻「×××××」でも出てくる台詞である。またこのセリフに関しては作者が本来の意図が伝わりづらいとして、アニメ二期で補完がなされている。

 

 

追加考察:最後のさくらの手紙について
 自身のニコ生放送にて「さくらは噴火の事を知っていたか否か!」について取り上げてほしいとの事で考えてみたい。結論から言うと知っていたと思われる。母親の手紙によると、噴火の事実は12歳以上でないと知らされないとある。そのため親からさくらに伝えるということはない。しかしさくらの最後の手紙には種入りの袋と共に「これはわたしが持っていてもしかたありません」とある。種入りの袋とは、その種を持って次の日の朝を迎えた人が次の幸せな花嫁になれるという言い伝えがあり、それを持っていてもしかたないとさくらが言ったことは、やはり国が崩壊するのを知っているからこその発言と思われる。さくらが"しかたない"と書くほどの理由はやはりこの理由しかないと思う。

 

 


キノの容姿と装備:十代半ばほど・茶色のコート・ゴーグル・カノン・カップ
エルメスの言い間違い:家財道具→正:火砕流(累計言い間違い数:6)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:6)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:近代以上
収穫:森の人・とても美味しい食事・エルメスのメンテナンス・カノンのメンテナンス・森の人用のホルタ―改造・ただ同然の燃料と携帯食糧・伝統的な野外食・花嫁になれるという木の種

[ 小説第2巻 ] 19:39 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.04 Friday
キノの旅二巻エピローグ・プロローグ 砂漠の真ん中にてb・a 感想

●砂漠の真ん中にて -Biginner's Luck-
一言でいうなら:ミイラになりそうなところに雨が降る話
名言:「旅人に一番必要なのは、最後まであがいた後に自分を助けてくれるもの―。運さ」


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:国外・旅に出て間もない話

アニメ一期「砂漠の真中にて」ページ

 


bパートあらすじ

   この地方ではめったに降らない雨だった。
   「あはは! あははははっ!」
   キノは笑い続けた。

 

aパートあらすじ
   あたりは砂と岩の砂漠だった。キノは空井戸を前に立ち尽くしていた。水がないなら旅は無理だ、いまからでも師匠のところに帰ろうエルメス。聞く耳を持たないキノ。
   そろそろまずい。死ぬか帰るか、旅人に必要なのは決断力だとエルメス。だがキノはにやりと笑いながら、いや運だよと言った。
   雨が降り出した。


感想
   キノが旅に出て間もない貴重な時期の話。
   あまりの歓喜にキノが少し壊れている。
   国以外の場所で井戸があるの不自然なので、もとは国があった場所なのかもしれない。

 

 

キノの容姿と装備:十五歳ほど・カップ
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:6)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:6)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:10)
国の技術レベルと特産物等:国外
収穫:雨水

[ 小説第2巻 ] 23:41 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.04 Friday
キノの旅二巻特別編 続・絵の話 感想

●続・絵の話 -Anoymous Pictures-
一言でいうなら:絵の話のその後
名言:「どこに飾るおつもりですか?」


登場人物:シズと陸
話の長さ:約20ページ
備考:他の話とリンク(絵の話

 

 

あらすじ

   かつてキノが滞在していた国にシズ達は来た。
   ホテルに戦車の絵が飾ってあった。だが見ている目の前で外されてしまった。それについてホテルのオーナーが説明しづらそうで、広場に行かれたかと言ってきた。そこでは大きなたき火がなされ、燃やしていたのは戦車の絵や本であった。トラックでたくさんの関連書籍が運ばれてくると、人々が群がって罵声を浴びせながら書籍を火に投じた。シズは近くの人に理由を聞いた。少し前内戦に心を痛めていた時期に、戦車の絵を見たひとりの評論家が高評価をし、それが発端で皆が戦車の絵を大枚はたいて買い漁った。しかしブームは去り、大したことのない戦車の絵に大枚をはたいていたことに皆は気付いたのだという。詐欺か、どう思うとシズ。自業自得だと陸。
   国から出ようとすると、例の絵描きを見つけた。自分の絵をいらないのはまだしも燃やしてしまうのは悲しいと言った。今は、戦車の絵は書く気にならないから別のものを落書きしているという。

 

オチ
   その絵は、かつて城住まいをしていたシズの見立てでは相当値段のつく作品であった。別の国で売り出さないかと言うが、すでにお金持ちの絵描きはまるで興味を示さなかった。シズにあげて余所で売ってもいいと絵描き。
   絵描きが今しがた書いた絵を手に取るシズ。すると陸が名言を述べた。シズは絵を手放しバギーのエンジンをかけた。


感想
   師匠なら、迷わず頂いただろうね。(どうでもいいこの文章の元ネタ
   シズの欲望がせめぎ合う話。だが陸の名言「どこに飾るおつもりですか?」がシズを引き留めた。この言葉は文章の裏側に別の意味が込められているはずである。言うまでもないが飾る場所なんて気にする局面ではない。もちろん陸はそれを気にしたのではない。きっと「絵本来の使い方以外するべきではない」や「絵師の本心に沿わない金儲けをするつもりですか」といった意味が含まれているはずである。台詞を発して台詞と別の意味を伝える。とても奥深い文章表現だと思う。
   世の中には流行がある。自分は疎い方だと思うが、流行に乗るのは楽しくて良い事だと思う。ただブーム去ったからと言ってポイと捨ててしまっては、作者がかわいそうだと思う。
   コロシアム以来の登場となったシズ。シズが主人公の話は今回が初めてであるが、この話は目次にも未記載の隠し話となっている。

 


殺害人数:0(シズの累計殺害人数:2)
シズの主張が認められなかった回数:1(累計数:1)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:なし

[ 小説第2巻 ] 12:29 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.05 Saturday
キノの旅二巻 あとがき 感想

●あとがき(注・本文のネタばらしを一切含みません)-Preface- (contains no NETABARASHI of the text.)
一言でいうなら:薬の説明欄のような本の紹介
 

内容
   項目が、御挨拶・特徴・成分・効能効果・用法用量・使用上の注意からなる。


感想
   うん、おもしろい。
   本の効能効果の項目にはインスタント麺のフタなんてものも。

[ 小説第2巻 ] 14:31 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.08.06 Sunday