キノの旅を総括したい

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キノの旅XXII
the Beautiful World
(電撃文庫)

   


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キノの旅 感想(ネタバレあり)

●キノの旅 -the Beautiful World-

「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい」 -The world is not beautiful. Therefore. it is.-

著者:時雨沢恵一/イラスト:黒星紅白/出版:電撃文庫

発売日:2000年7月25日
登場人物:キノとエルメス、シズと陸

 

 

2018/4/5以後周辺〜1巻全体を通し全面的に記事を追加修正

 

この巻について
   記念すべき第一巻である。管理人は歳をとってしまったが、手にした当時は高校生であった。発売日は2000年、もうだいぶ昔である。


   この巻をかわきりに現在20巻を超える人気シリ−ズとなるが、早くも「大人の国」でキノの旅立ちが明かされる。ほかにも、「コロシアム」ではシリーズ第二の主人公となるシズとの白熱した対決が描かれたり、「レールの上の三人の男」では国外で人に出会うというレアな話が描かれる。


   各話は一見類似性がないかに思えるが、1話では「人の痛みが分かる人」を追求した結果の失敗、2話では「多数決」の堅守した結果のなれ果て、3話では「指令」を聞いたままでいる事による無意味という、どれも教えや決まりを鵜呑みにするとおかしな事になるというテーマがあるように思える。


   当時のネットでの反応を探してみると、見慣れない短編形式で童話的であることの新鮮さや、キノの性別はどちらなのかが話題になったようである。キノが女である根拠としては1話でのエルメスが住人の男とラブラブだったのかと言った点や、コロシアムの最後でシズがキノの呼び方を君からさんに変えた点、平和な国で「子供を産んだら」と言われた点が指摘されている。また平和な国の228pにはシリーズを通しても唯一的に「キノと呼ばれた少女」と記述されている。
(参考:2ちゃんねる「キノの旅」スレッドhttp://salami.5ch.net/test/read.cgi/magazin/964296943/
 

 

目次

プロローグ「森の中で・b」

第一話「人の痛みが分かる国」

第二話「多数決の国」

第三話「レールの上の三人の男」

第四話「コロシアム」

第五話「大人の国」

第六話「平和な国」

エピローグ「森の中で・a」

あとがき

[ 小説第1巻 ] 20:22 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.07.25 Tuesday
各話ページの情報項目について

全話のページを作成するにあたり、統一した書式を定める。これより必要項目とその説明を書き記す

 

 

記事タイトル=キノの旅巻数+話数 (題名)

 

●(題名) -(英題)-

一言でいうなら:(どんな話だったかを思い出せる文章)

名言:(管理人が名言だと思ったものや好きなセリフ)

 

登場人物:(主人公達の名前。もしも作中で固有名詞をもつキャラクターがいるなら記録。入国審査官等肩書きだけの人はめんどうなので書かない)

話の長さ:(おおまかなページ数を書く。十ページ単位で四捨五入とだいぶアバウト)

備考:(この話の特徴やタグ、リンク等々)

 

 

あらすじ
(オチ手前までの出来事を書く。各記事によって力の入れようは異なるが、お話のキーワードを見極め成り行きを書くよう心掛けている)

 

オチ
(物語のオチとなる事柄からラストまで)

 

感想
(お話を読んで感じたこと)
 

追記

(後日記事を見直して感じたことや、ネットの見解をまとめる)

 


キノの容姿と装備:(話の序盤に書かれている事の多いキノの容姿や装備を書き連ねる。帽子とバンダナに関してはさして変化がないので書かない。「カノン」と言う単語が出ればそう書く。「リヴォルバー」としか書かれていない場合ほぼカノンで間違いないのだが、初代キノを探す観点から「リヴォルバー」と書く)

 

エルメスの言い間違い:(エルメスの言い間違えた慣用句と正しい慣用句を並べる。間違えた累計回数も併記する)

 

殺害人数:0(作中主人公が殺した人数を書く。正確に分からない場合は最低限殺したであろう人数を適当に推察して書く。累計殺害人数も併記)

 

キノが危害を加えられそうになった回数 :(作中キノが殺されそうになった回数および累計数。数の判定については複数人一組で襲ってくる場合は1、同一犯が数回襲ってくる場合は1、時間を開けて複数人が襲ってくる場合は個々で襲われた数の合計。キノ以外が主人公の場合別項目)

 

国の技術レベルと特産物等:(中世・近代・現代・近未来の中から適当に推察できる技術レベルを書く。だいぶアバウト。国外の場合はそれ。さらに国の特産品や観光名所があれば記録)

 

収穫:(作中得た収穫。美味しい食事や仕事の報酬など)

 

 

 

注:記事掲載の順列の都合上、投稿日時を操作。初投稿日2017/10/3

[ 小説第1巻 ] 20:45 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.07.25 Tuesday
キノの旅一巻第一話 人の痛みが分かる国 感想

●人の痛みが分かる国 -I See You.-

一言でいうなら:下心まで伝わる国
名言:「申し訳ないんですが……。ボクは旅を続けたいと思います」

 

登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約30ページ
備考:ひと気のない国・他の話とリンク(多数決の国

アニメ一期「人の痛みが分かる国」ページ

 

 

あらすじ

   行先に国が見えたという事で、キノはおなかが空いているにも関わらず携帯食料を食べるのを我慢していた。あの国に人間がいなかったらどうするのとエルメス。その時さと答えるキノ。
   入国した国の町は立派で通りもよく舗装されていたが、ひと気が全くなかった。レストランやホテルでは、必要なことはすべて機械がやってくれた。ホテル代は豪華なのにとても安価で、キノは機械に料金が間違えていないか何度も確認した。それを見たエルメスは「びんぼーしょー」と言った。
   人を見つけるために町を散策したところ、民家に人はいるようだがそれぞれが相当離れていた。見かけた人に話しかけてみると、彼はとても驚いた様子だったが、キノが旅人だと知りこの国で何が起きたかを話してくれた。

 

オチ
   この国では過去にテレパシーのような他人の気持ちが分かる薬が発明され、国民がみな飲んだ。だが、下心や劣等感など必要以上のことまで伝わってしまい、国が大混乱に陥った。薬の効果は距離が離れれば切れるので、みなが距離を取り別々に暮らすようになったのだった。


感想
   記念すべき最初の国。人を探している最中にキノが「この前みたいに、後一人しか残っていない、ってことはないね」と述べているが、これは次の話の「多数決の国」のことを指しているようである(別の一人しかいない国、例えば「つながっている国」の可能性もあるが、この国と似ているためおそらく多数決の国で合っていると思う)。また何気なくスコープを使用しているが、これは「彼女の国」で得たスコープかもしれない。だが同話漫画版で見受けられるスコープの描写は長距離狙撃用の物に見えるため、フルートのスコープの可能性の方が高そうである。

   久方ぶりに第一話を読んでみて気になったのは、モトラドの運転に少し難儀しているところである。最近の作品は走っているという記述はあれど、運転でバランスを崩すような描写は記憶がない。そのことから旅に出始めて日が浅く、モトラドの運転が少し不慣れという解釈もできる。

   キノは基本的に一つの国にいるのは三日間と決めているが、この国では2日間で去っている。

(コメントのご指摘で間違った解釈をしていることに気付きました。打ち消し線を入れさせてもらいます。)

   発売当時思ったことと言えば、この話だけでなく次の話も崩壊した国なので、キノの旅の基本形は「国の崩壊とその理由」となるのかと思っていた。しかし20巻一通り読み終えてみると、そういった国はそこまで多くはなかった。その実は…それについては今後取り上げたい。

 

追記
   人の痛みが分かることが必ずしもいいことではなかったお話。一般的に正直や素直は美徳とされている。だが欲望丸出しの発言については許されはいない。どちらも本音なのは変わらないのにも関わらずである。人間は無意識に発する言葉を検閲していたが、心を全てさらけ出すというのはその検閲がない、無法地帯のような状態だったのだ。
   キノの旅の最初の国のお話であるが、最初より今後のシリーズの定番をしっかり押さえられ、キノが携帯食料をケチったり、ベット好きだったり、安い食事をたらふく食べるというがめつい性格というのが強調されている。また銃については最初の話とあってか特に事細かく、カノンの単手動作式=一発撃つごとにハンマーを手であげるものであり、一般によく知られたダブルアクション式とは違うと分かりやすく記述されている。

 

 

キノの容姿と装備:黒いジャケット・カノン・森の人・スコープ・薄汚れた鞄
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:0)

殺害人数:0(キノの累計殺害人数:0)

キノが危害を加えられそうになった回数 :0(累計数:0)
国の技術レベルと特産物等:近未来・発達した機械
収穫:安価で豪華なホテル・食事

[ 小説第1巻 ] 19:30 - | comments(3) | trackbacks(0) |2017.07.26 Wednesday
キノの旅一巻第二話 多数決の国 感想

●多数決の国 -Ourselfish-

一言でいうなら:多数決し続けた結果一人になってしまった国
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約30ページ
備考:ひと気のない国

アニメ一期「多数決の国」ページ

 

 

あらすじ
   入国した国には誰もいなかった。ただ、道は整備され建造物はとても立派だった。そして一つの国に三日間滞在するというルールの最終日、この国で唯一の男に出会えた。

 

オチ
   この国は革命を経て民主主義が始まったが、もろもろの問題を全て多数決で決め、少数派だったものは死刑にした。新政府が始まって死刑執行回数は一万三千六十四回、その結果住人は男一人となってしまった。
   男はキノにこの国に残らないかと懇願、あげくの果てに銃を取り出すが、キノは拒否し国を出た。


感想
   立て続けに入国した国が崩壊している「ひと気のない国」シリーズ。1話と似た展開が続くのだからこれが話の基本系なのかと思いきや、そういうわけでもなかった。
   それにしても反対派はことごとく殺すとは、うかうか自分の意見も言えない。キノも(訂正:小説ではエルメスが「さよなら王様」と発言、キノが同様の台詞を発したのはアニメにて)エルメスもこの男を最後に「王様」というわけである。知識をひけらかしたいわけではないが、有名なフランス革命とは本当におかしいねぇ。マリーアントワネットをギロチンで終わりではなく、革命首脳部もことごとくギロチンにするのだから。

 

追記
   上記を書いた際は意識していなかったのだが、このお話はフランス革命がモデルのようである。フランス革命は圧政から市民が立ち上がったとして有名だが、革命後も混乱が続きで首脳部はことごとくギロチンにかけられた。そのためこのお話と展開が酷似している。
   このお話ではキノの世界における市民は特異であることが見て取れる。普通多数決で負けたからといって死刑になるはずがないのだが、この国ではそれが受け入れられており、少数派になった人もそれを受け入れている(最後の多数決は3人であり、死刑が嫌なら逃亡も容易にもかかわらず死刑が行われている)。どうもこの世界の市民は"ばか正直"な傾向が強いようである。

 

 


キノの容姿と装備:黒いベスト・白いシャツ・ところどころが剥げた銀色のゴーグル・カノン・パースエイダー・茶色のコート持参
エルメスの言い間違い:どういう風の吹き溜まり?→正:吹きまわし(累計言い間違い数:1)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:0)

キノが危害を加えられそうになった回数:1(累計数:1)

国の技術レベルと特産物等:現代(農業トラクター)・綺麗な石造の王宮
収穫:なし

[ 小説第1巻 ] 22:15 - | comments(2) | trackbacks(0) |2017.07.26 Wednesday
キノの旅一巻第三話 レールの上の三人の男 感想

●レールの上の三人の男 -On the Rails-
一言でいうなら:3人それぞれがレールで徒労している話
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:十数ページ
備考:国外・徒労な話

アニメ一期「レールの上の三人の男」ページ

 

 

あらすじ
   方角がつかみづらい森を進み、目印となるレールを発見した。レール沿いに進むと一人の老人がいた。
   老人の先にはレールがピカピカに磨かれていた。彼は十八のころに鉄道会社に入って以来、まだ止めろと言われてないので五十年もの間、一度も国に帰らずレールを整備しているという。先に進むため、綺麗に整備されたレール進んでいると、再び別の老人を発見した。

 

オチ
   老人の先にはレールがなくなっており砂利がひかれていた。彼は十六のころに鉄道会社に入って以来、まだ止めろと言われてないので五十年もの間、一度も国に帰らずレールを外しているという。先に進むため、砂利の上進んでいると、再び別の老人を発見した。

   老人の先にはレールが作り直されていた。彼は十五のころに鉄道会社に入って以来、まだ止めろと言われてないので五十年もの間、一度も国に帰らずレールを整備しているという。
   三人の男全員から、旅人さんはどこに行くのかと聞かれた。

 

感想
   三人のことを考えると、その徒労具合にもはや腹立たしくなってくる話。会社はなぜ止めないで一方通行なのか、そもそも三人の男も五十年も国に帰らず会社の指示の確認や家族に会わずおかしくないか、ちょっと前や後ろへ進んでみる気はないのかなどなど。でも、だからといってキノが先に人がいますよと言い始めると、話がややこしくなるのでこの形が良いのか。
   これが別の主人公シズだったら、わざわざ道を引き返して三人を出会わせて会社まで抗議に行きそうだ。

 

追記
   改めてこのお話を読み返してみると、「宝探しの話 -Genocide-」でのドクターの台詞を思い起こす。依頼主から遠く離れた地で、師匠達はドクターを確保しようとしていた。その際ドクターは「〜誰も見ていない場所で、仕事なんかしなくてもいいじゃないか!〜」と言う。さすがに今回のレールの仕事に関してはその通りとしか言いようがない。

 

 

キノの容姿と装備:十五、六ほどの髪の短い人間・黒いジャケット・二丁のパースエイダー
エルメスの言い間違い:なし (累計言い間違い数:1)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:0)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:1)
国の技術レベルと特産物等:国外
収穫:なし

[ 小説第1巻 ] 20:12 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.07.27 Thursday
キノの旅一巻第四話 コロシアム 感想

●コロシアム -Avengers-
一言でいうなら:シズをかわし王を殺す話
名言:「たまには、自分の最高の実力を出すべきだ。そうしないと、知らない間に腕はにぶるものさ」

 

登場人物:キノとエルメス、シズと陸
話の長さ:約60ページ
備考:戦闘あり・汚い国・公式人気投票上位

アニメ二期「コロシアム」ページ

アニメ一期「コロシアム」(前編)ページ
アニメ一期「コロシアム」(後編)ページ

 

 


あらすじ
   良い国だという噂を信じ入国したはずが、問答無用でコロシアムに出ろと言われた。入国した者は市民権獲得を賭けて強制的に戦わなければならないという。ルールは相手を動けなくした(大抵の場合は殺した)方が勝ち、一方が降参を申し出て相手が認めれば降参が成立するそうだ。さらに優勝者には国の新たなルールを制定できる。

 

   押し問答の末、キノはコロシアム参加を決意。エルメスはキノが珍しく猛烈に怒っていることに気付いていた。キノはトーナメントを進め、鉄球持ちの大男、鉄片投げの男、火炎放射の初老の男、パースエイダーの女を無力化し、降参を認めた。


   そして決勝戦。決勝相手はシズと名乗る刀使いの男だった。彼もこれまでの対戦相手をキノのように降参させたらしい。そしてキノに降参を勧めるが、ここで戦いたいとキノは拒否した。勝負が始まり白熱した戦いとなるが、一瞬の駆け引きでキノはシズの動きを封じた。それを見ている王。殺せと合唱する観客。

 

 

オチ
   キノはシズの背後にいた王を撃ち抜き、さらにコロシアムの掟に沿って国の新ルールを宣言した。新しい王を決めるため、国民皆が勝負し最後に残った者を王にするという。国中が大混乱に陥った。


   キノはエルメスに跨り国を後にした。森のに隣接した湖のほとりでエルメスを止めると、エルメスはかなり前にある奥さんに出会いこの国は素晴らしい国だから行くべきだと言われた話をした(事前に夫婦が知らずに入国し、運よく初戦で二人があたり妻の降参を認め、旦那は次の戦いで死んだ話を聞いていた)。


   シズがその場にやってきて、キノに王であり父を殺してくれたことを感謝した。これからどうするのかと聞くキノに、やりたい事がみつかるまで適当にぶらつく、とりあえず北にいこうかなと言った。そして傍らにいた犬をぽんと叩くと、その犬が喋った。驚くエルメス。そしてエルメスと陸という名前の犬は舌戦を始めた。


   二組は別れを告げた。走り去るキノとエルメスを、シズと陸は見送った。

 


感想
   戦闘回にあたる話。名言からも意気込みが分かる通りキノは対戦相手を圧倒し、果てには王までも殺害し復讐を完遂する。


   話終盤の奥さんの件、奥さんにとっては旦那が犠牲になりつつも救われた話かもしれないが、そんな国にキノも行くべきだというのは何たることか。死に行けと言っているとしか思えないのは、筆者の感覚がへりくだっているせいなのか。アニメ二期「コロシアム」ページでも再度触れているので、こちらの方が詳しいかもしれない。また、Yahoo知恵袋に同様の質問と答えが寄せられている(Yahoo知恵袋「キノの旅コロシアムの話について」https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1448846824)。

 

   小説掲載順において初めて人を殺した回である(作中時系列となればおそらく元祖キノの母親)。シリーズを読み進めるとキノは相手の殺意を感じてから殺すのが基本なので、自ら殺しにかかるのは珍しいパターンである。


   話序盤のキノはなかなか普段とかけ離れている感がある。エルメスに「〜お前急に老けたのかい?」とお前呼ばわりしたり(まあ他に当てはまる言葉が思いつかないが)、コロシアム強制参加時に「知るもんですか」と声を上げたりと見慣れない口調である。先に続くシリーズを読んでしまっていると、その程度なら嫌がりつつも「そうですか、わかりました」と言ってのけそうに思う。まあ当時はまだ経験が少なかったという事なのだろう。(森の人を所持しているのでそれなりに経験を積んでないとおかしい)

 

 

追記

   小説においては初の戦闘描写となり、キノが圧倒的実力を持ち合わせていた事が初めて明かされた。このお話は小説、アニメ一期、アニメ二期、そして漫画とキノの旅における鉄板エピソードであり、それぞれの媒体によってさまざまな描写がなされている。中でもアニメ一期では小説では触れられなかった王様の思考が表現されていたり(原作者の意図が汲まれているのかは不明)とそれぞれ個性がある。

 

 

 

キノの容姿と装備:茶色のコート・銀色のところどころ剥げたゴーグル・カノン・森の人・銀色のカップ
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:1)
殺害人数:
キノ1人(キノの累計殺害人数:1)
シズ2人(シズの累計殺害人数:2)
キノが危害を加えられそうになった回数:6(累計数:7)
国の技術レベルと特産物等:近代(ヘルメット)・コロシアム
収穫:王冠(シズ)

[ 小説第1巻 ] 22:01 - | comments(2) | trackbacks(0) |2017.07.27 Thursday
キノの旅一巻第五話 大人の国 感想

●大人の国 -Natural Rights-
一言でいうなら:幼いキノが故郷から逃げ出す話
名言:「第三の選択だ」


登場人物:キノ、初代キノ、エルメス
話の長さ:約30ページ
備考:キノが旅に出る前の話・公式人気投票上位

アニメ一期「大人の国」ページ

アニメ二期「大人の国」ページ

 

 

 

あらすじ
   私はキノという旅人に出会った。宿を探しているというので私の両親がやっている宿を紹介した。キノは壊れていたバイクを修理し使えるようにしていた。彼によるとこのバイクは昔の使っていたバイクにそっくりらしい。そして明日にはモトラドと話すこともできるそうだ。私はキノにどんな仕事をしているのかと聞くと、旅をしていると答えた。いやなことはあるかと聞くと、楽しいことが圧倒的に多いと答えた。私は仕事とはつらいものであり、そのために自分は明日手術を受けると言った。キノがそれについて教えてほしいと言った。


   この国は12歳から大人でそれより前は子供である。大人は生きる上で大切な仕事をする。12歳になったら手術により頭から子供の部分を取り出すことですっかり大人になれる。そしていやな仕事でもきちんとできる「ちゃんとした大人」になれる。また12歳の直前である一週間は「最後の一週間」と呼ばれ、その国の人間はだれもその子供に話しかけてはいけない(対象の子供から話しかけるのは可)。


   いやなことができる事が「ちゃんとした大人」なのか疑問を持つキノ。私はキノとはこの国でいう大人なのか子供なのか聞くが、どちらでもないといい、好きな旅をしていると答える。そして私が好きなこと何かとキノに聞かれると歌と答えた。私の歌を聴いてくれたキノは歌手になるのはどうかと聞かれるが、親は自分の職業を継がせるために子供を作るのが昔からの決まりだと私は答えた。その晩、キノとの会話の影響で大人になる手術を受けたくないと思った。次の日、そのことを何気なく両親に言った。この言葉が運命を大きく変えた。

 


オチ
   両親は激怒。私への罵倒の嵐。そしてそれを吹き込んだ犯人がキノだと確信すると、キノの元へ詰め寄った。キノは冷静にやり過ごした。近くにいた偉い人に、国には国のしきたりがあると言われキノは出国すると言った。私は止めようとするが、3日いれば国が分かるしそれ以上だと多くを回れないからとキノが言った。


   キノが出国しかけたとき、そばには包丁を持った父親がいた。偉い人によると、子供は親の所有物なので失敗作を処分する権利も当然あると言う。そして父親が私に勢いをつけて包丁を刺しに来た。死ぬと思ったその時、キノが身を挺してそれを阻止した。包丁に刺されキノが死んだことが分かった。
   年下の男の子のような声がした。その声に従い私はモトラドにまたがり、発進して国から脱出した。


   だいぶ国から離れた。私はここで初めて、男の子のような声がモトラドから発せられていることに気付いた。

 

   「で、これからどうするの?」。私達は紅い海の真ん中に立っていた。私には答えようがなかった。

 

 

感想

   地元でだれでもなってた「ちゃんとした大人」。だが元祖キノに出会ったことで疑問を感じ、それを口にした途端罵倒、さらに殺しにかかってくるという、いつもの主人公キノの原点ながらひどいお話。結果、初代キノは死んでしまったが、幼いキノはその国で言う「ちゃんとした大人」にならず、後々好きな旅をして生きていくことになった。エルメスの言う「第三の選択」。悪者の意向から逸れることができたことは良かった。

 

   キノの子供時代の名前は「×××××」となっており、判明していない。何かの花の名前読み方を少し変えるととても嫌な悪口になるということがヒントである。


   終盤、キノは紅い海の真ん中、おそらくは花畑におり、そこでこれからどうするとエルメスに聞かれる。これは4巻の「紅い海の真ん中で」と同じやりとりであり、今はまだ答えられないが、旅に出た4巻ではしっかり答えを返している。


   この話は「私がキノと名乗る旅人と出会った〜」という書き出しから始まる。実際の所ここでの「私」とはいつもの主人公キノの事である。ではなぜ「私」という表現を使ったのだろうか。―藐時にいつもの主人公キノに出会ったのだろうとミスリードするため。△海力辰砲茲蠅い弔發亮膺邑キノの一人称を「私」→「ボク」に変わったことを強調するため。そしてだが、こんな解釈ができないだろうか。それは「この件を回想しているは長い年月が過ぎ去さった末の、キノの一人称の私になっている時期なのではないか」ということである。長い年月が経ったという根拠は、当時の名前を覚えていないと記述があること。また文章の節々に過去を思い出すような表現がなされていることに基づく。事実はどうであれ、少ない記述でそういった解釈からキノの世界の想像が膨らむことは面白い。

 

 

追記
 一人称の私のキノについて追記。アニメ二期大人の国では「私がキノと名乗る旅人と出会った〜」のナレーションを少女キノがしている。しかし本記事のコメント欄にて海産物様より「何かをするために」のキノは本名を覚えているとの指摘があり、矛盾が生じる。管理人としては上で挙げたの可能性があるとしつつも、アニメの通り少女キノの私は矛盾だと否定したくはないので、どちらも可能性があるという優柔不断な立場を取ることをご容赦願いたい。

 

 


キノの容姿と装備:十一歳の少女
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:1)
殺害人数:0、カウントは主人公達が殺した数に限る(キノの累計殺害人数:1)
キノが危害を加えられそうになった回数:1(累計数:8)
国の技術レベルと特産物等:現代(モトラド屋)
収穫:命・エルメス・大人の手術を受けずに済んだ

[ 小説第1巻 ] 22:12 - | comments(2) | trackbacks(0) |2017.07.28 Friday
キノの旅一巻第六話 平和な国 感想

●平和な国 -Mother's Love-

一言でいうなら:第三者達を殺すことで戦争する国
名言:「館長さん、ボクには分かりません。今のあなた方が間違っているのか、それとも昔の人々が正しかったのか」

 

登場人物:キノとエルメス

話の長さ:約30ページ

備考:戦闘あり・ホヴィー登場

アニメ一期「平和な国」ページ

 

 

あらすじ
   道中、たくさんの死体が転がっていた。どうしてなのか分からないまま国を目指すと「ようこそヴェルデルヴァルへ」と書かれた城門にたどり着いた。パスカードを渡し入国。この国を知るには歴史博物館に行くのがいいらしい。そこに行き女性の館長のガイドで国の歴史を見て回った。この国は隣国と長い戦争状態が続いていたが、15年前にそれはぴたりと止まり平和が訪れたという。今日は時間がないから説明できないが、明日あるものを見せてくれるそうだ。それは何かと聞くと、「戦争」だと館長は答えた。
   ホヴィー=浮遊車両の一団のひとつに乗り遠出すると、別の一団が見えてきた。宿敵だった敵国レルスミアの軍らしい。そして、目下のタタタ族を見据え、まずは目印の線となる赤い粉を引き、それを境に2つの軍がタタタ人を殺した。時間になると死体の重さを計測、重い方が勝利だという。そして計測に使った死体は母国の東方、キノが入国する前に見た死体の場所に捨てられるのだという。

 

オチ
   再び歴史博物館で館長に話を聞くと、彼女は戦争で旦那と息子たち全員を失ったのだと言う。そこで彼女は戦争のかわりになるものはないか考え、今回のような戦争が確立されたのだという。殺されたタタタ人はどうなるのかと聞くキノに、平和には犠牲が付きものであり、それは自分たちの子供であってはならない、タタタ人を殺して平和が保たれるのなら歓迎しなければならないのだという。言っている事が正しいか分からないと言うキノに、あなたが子どもを宿したときに分かると館長は言う。
   国を出るとタタタ人たちが道を塞いだ。あなたには我々の復讐心を満たすため、八つ裂きになって死んでもらいますとタタタ人。そして若者が棍棒をキノに振り下ろしてくるが、それを躱しキノは若者を殺した。逃げる他のタタタ人。キノはモトラドに乗り再び走り出した。


感想
   ヴェルデルヴァル人とタタタ人には共通点がある。憎しみを発散させるために、とりあえず誰かを殺したいということである。それは普通の人間のストレス発散と同類のものであり、それを発散するために戦争ではないにしろ何かを犠牲にしている。そう思うと人間とはつくづく不完全な生物であることを思わせる。
   あっ、いいことを思いついた。タタタ人の代わりに「殺す国」の人たちを呼んできて、彼らを標的に×××××すれば万事×××××じゃないか。
   珍しく「ヴェルデルヴァル」という国名が登場する。まあ二国間の戦争を取り上げる都合上、国名があった方が分かりやすいという配慮かもしれないが、シリーズとしては極めて異例である。おそらくこの国しかないのではないだろうか(あのやたら長い国もあったか)。さらに「パスカード」というものを、キノが何気なしに取り出して機械に読み込ませている。この世界で言うパスポートなのだろうがこの存在も極めて異例である。
   館長は家族を全員を失ったが、これを聞くと洋画「パール・ハーバー」にて筆者が知った「ソウル・サバイバー・ポリシー」なるアメリカの制度を思い出す。この制度は戦争で家族全員が死んだという事態を起こさせないため、家族が最後の一人になってしまった場合、その一人を強制的に戦線から離脱させるというものである。

 

 

キノの容姿と装備:大地と同じ色のコート・ところどころ剥げた銀色のゴーグル・カノン・もう一丁のパースエイダー・銀色のカップ
エルメスの言い間違い:ジャンキー→正:ジャーキー(累計言い間違い数:2)
殺害人数:1(キノの累計殺害人数:2)
キノが危害を加えられそうになった回数:1(累計数:9)
国の技術レベルと特産物等:近未来(浮遊車両)・戦争システム
収穫:美味な見たことのない魚料理・積めるだけ積んだタダ同然の携帯食糧

[ 小説第1巻 ] 22:14 - | comments(2) | trackbacks(0) |2017.07.28 Friday
キノの旅一巻エピローグ・プロローグ 森の中でb・a 感想

●森の中で -Lost in the Forest-
一言でいうなら:キノが旅をする理由
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:国外

アニメ二期「森の中で」ページ

アニメ一期「森の中で」ページ

 


bパートあらすじ

   そして暗闇が生まれた。

   「ボクはね、たまに自分がどうしようもない、愚かで矮小な奴ではないか? ものすごく汚い人間ではないか? なぜだかよく分からないけど、そう感じる時があるんだ。そうとしか思えない時があるんだ……。でもそんな時は必ず、それ以外のもの、たとえば世界とか、他の人間の生き方とかとかが、全て美しく、すてきなもののように感じるんだ。とても、愛おしく思えるんだよ……。ボクは、それらをもっともっと知りたくて、そのために旅をしているような気がする」
   キノは答えた。


aパートあらすじ
   森の夜の中。エルメスは唐突に、モトラドは走っている時が一番幸せであり旅はとても楽しいと言う。そして人間、さらにキノはどうして旅をするのかとキノに聞く。
   人間は行ったことのない所へ行きたい、見たことのないものを見たい…など、キノは言う。じゃあキノはなんで旅をするのとエルメス。


感想
   キノが旅をする理由を語る話。うまくキノの台詞を咀嚼(そしゃく)できないが、言わんとしている魂のようなものは伝わってくる。旅とは発見の連続であり、知らない世界を知ることで、自分自身の見方すら変わることがあるのだ。

 

 

キノの容姿と装備:コート・イラストでは白いシャツ・森の人
エルメスの言い間違い:三段憲法→正:三段論法(累計言い間違い数:3)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:2)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:9)
国の技術レベルと特産物等:国外
収穫:なし

[ 小説第1巻 ] 09:45 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.07.29 Saturday
キノの旅一巻 あとがき 感想

●あとがき -Preface-
一言でいうなら:まだ落ち着いているあとがき

 

 

内容
   作者はあとがきを最初に読む人間であり、本によってはネタバレがあって困る。だから自作の本ではネタバレを入れないように決めた、等の内容。
   そして追伸で本書の購入をさらっと勧めている。

 

感想
   一巻目ということもあって、これから始まるさまざまなあとがきと比べれば鳴りを潜めている。

 

[ 小説第1巻 ] 13:02 - | comments(0) | trackbacks(0) |2017.07.29 Saturday