キノの旅を総括したい

"世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"
そんな世界を余すことなく総括する、キノの旅まとめサイト。ネタバレ注意


 
 〜 管理人コメント 〜

小説版キノの旅23巻が
2020年11月10日発売!
恒例のレビューは年末年始
頃からになると思います


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フォトが登場するお話 全話リスト

[ 各話リスト ] 22:19 - | comments(0) | - |2021.03.24 Wednesday
師匠が登場するお話 全話リスト

 

小説版「キノの旅」にて師匠が登場するお話の一覧。キノの言及のみの回は除く

 


妙齢時代
第21巻九話「女の国」(師匠が旅立つ話)

 

第2巻口絵「狙撃兵の話」
第5巻第八話「用心棒」
第6巻口絵「中立な話」
第6巻四話「長のいる国」
第7巻二話「ある愛の国」

第7巻五話「森の中のお茶会の話」

第8巻一話「歴史のある国」
第9巻口絵「なってないひとたち」
第9巻二話「いい人達の夕べ」
第9巻六話「自然保護の国」
第9巻八話「殺す国」

 

第10巻三話「保護の国」
第11巻三話「アジン(略)の国」
第12巻口絵「山賊達の話」
第12巻三話「求める国」
第12巻五話「努力する国」
第13巻口絵「生きている人達の話」
第13巻一話「昔の話」
第13巻スペシャル収録「いろいろな話」
第14巻口絵第一話「情操教育の国」
第14巻四話「開運の国」
第15巻口絵「見つけてしまった国」
第15巻一話「ケダモノの国」
第16巻口絵「昼と夜がある国」
第16巻三話「飲酒運転の国」
第17巻口絵「ファッションの国」
第17巻口絵「遊んでいる国」
第17巻七話「楽園の話」
第18巻二話「止まった国」
第19巻「捨てる国」

 

第20巻二話「仲の悪い国」
第20巻五話「宝探しの話 -Genocide-」

第21巻八話「鍵の国」

第22巻一話「仮面の国」

第22巻三話「取り替える国」

第23巻口絵「演技の国」

第23巻「赤い霧の湖で」

 

 

老婆時代
第3巻二話「説得力」
第7巻「何かをするために」
第9巻十一話「説得力II」
第10巻「在る男の旅」
第11巻五話「学校の国」
第18巻八話「お金の国」
第20巻四話「宝探しの話 -Generic-」

第23巻一話「ロボットがいる国」

 

 

[ 各話リスト ] 22:17 - | comments(0) | - |2021.03.24 Wednesday
シズが登場するお話 全話リスト

 

小説版「キノの旅」にてシズが登場するお話の一覧。一部回想のみの登場回も含む

 

 

第22巻五話「届ける話」(陸との出会い)

 

第1巻四話「コロシアム」

第2巻特別編「続・絵の話」

第3巻口絵「愛と平和の国」

第4巻四話「伝統」

第4巻九話「たかられた話」
第5巻六話「のどかな国」
第6巻口絵「中立な話」
第6巻八話「祝福のつもり」
第7巻三話「川原にて」
第8巻「船の国」「渚にて 旅の始まりと終わり」(ティー登場)
第9巻口絵「なってないひとたち」
第9巻四話「電波の国」
第9巻十話「むかしの話」

 

第10巻口絵「ティーの願い」

第10巻六話「ティーの一日」

第11巻口絵「お花畑の国」

第11巻四話「国境のない国」

第12巻口絵「山賊達の話」

第12巻一話「正義の国」
第12巻三話「求める国」
第12巻七話「手紙の話」

第13巻口絵「嫌いな国」

第13巻一話「昔の話」
第13巻四話「旅人の国」
第13巻スペシャル収録「いろいろな話」

第14巻六話「亡国の国」
第15巻口絵「見つけてしまった国」
第15巻「戦って死ぬということ」
第16巻口絵「昼と夜がある国」
第16巻口絵プロローグ「恋文の国・b」
第16巻二話「育てる国」
第17巻口絵「ファッションの国」
第17巻「渡す国」

第18巻六話「遺産の国」
第18巻七話「復讐の国」
第19巻口絵「首輪の国」
第19巻四話「守る国」
第19巻あとがき短編「十五歳の話」

 

第20巻一話「人間の国」

第20巻二話「仲の悪い国」
第21巻二話「美男美女の国」

第22巻口絵「知らない話」

第22巻一話「仮面の国」

第23巻口絵「演技の国」
第23巻口絵「ペンの国」

第23巻五話「戦える国」

 

 

[ 各話リスト ] 21:15 - | comments(0) | - |2021.03.24 Wednesday
キノの旅二十三巻 わらしべキノの旅(巻末あとがき的スペシャルSS) 感想

 

●わらしべキノの旅 the Beautiful Trade
一言でいうなら:わらしべ長者になるキノ


内容
 携帯食料が底をつき腹ペコのキノが、紐(ひも)を拾ったことをかわきりに対戦車地雷→ボート、最後には放棄され物資があり余った国を手に入れわらしべ長者となるお話。


感想
 あとがきということで作風無視のメタ発言が多めで進行するお話。う〜ん、正直なところあまり面白いとは思わなかったか。でもエルメスの言い間違いで「この本の海外翻訳者が嘆きそうな会話…」とツッコミが入ったのは面白かった。


エルメスの言い間違い:カジバのバカジ・カラ→正:火事場の馬鹿力(あとがきのため未カウント)
 

[ 小説第23巻 ] 15:55 - | comments(0) | - |2021.03.21 Sunday
キノの旅二十三巻エピローグ・プロローグ 赤い霧の湖でb・a 感想

 

●赤い霧の湖で -Soared-
一言でいうなら:湖に出現する赤い霧の話
名言:(強いてあげるものはなし)


登場人物:師匠と弟子、カチュア
話の長さ:約30ページ

 

 

bパートあらすじ
 光はクルクルと回転して踊るように漂っていた。船は進みやがて窓から光は見えなくなった。


aパートあらすじ
 西へと進む師匠達の前に大きな湖があった。先へ進むには大型のフェリーを使うのが最も効率的らしい。だがリスクもあり、強い毒性がある赤い霧が立ち込めたエリアを通る必要があった。フェリーには毒を防ぐ空調対策がなされているが、事故があった際は責任が取れないとのこと。さらに不思議なことに、その毒は15歳までの子供なら吸っても重症化しにくいそうだ。そのためフェリーの船員はほとんどが15歳以下の子供で、彼らは大学へ行ける程度の大金を得るために危険な仕事に就いていた。

 

 船に乗り自室に入った相棒の元に、給仕の女の子がやってきた。相棒にサービスのお湯を渡すと、魔法瓶が積まれたとても重そうなカートを押して次の部屋へと向かった。これくらい大人がやればいいのになと相棒は思った。次の日、起床した相棒はお湯を飲もうとして給油室へ行った。昨日の女の子はと聞くと、カチュアは体が動かずもうだめなんじゃないかと言われた。

 

 相棒はそのカチュアを師匠の部屋に運び込んだ。ベットに横たわるカチュアは弱々しかった。なんとかしゃべったカチュアは、自分はもう死ぬだろうから最後に好きな男の子に会いたいと言った。その男の子とは命を救われたことがきっかけで仲良くなり、将来結婚まで約束したそうだ。赤い霧のエリアにて向こうから来る船と船同士を着け船員の交換をするそうで、男の子はそれに乗っているらしい。

 

 船と船を着けるタイミングで、相棒はガスマスクを持って出ていった。10分ほどで帰ってきた相棒は、体格のいい男の子の手を繋ぎ引き連れてきた。相棒が自分と体格が同じくらいの男の子の手を引いていることに師匠は少し首を傾げた。男の子はカチュアに駆け寄り、感動の対面を果たすとカチュアは力尽きて亡くなった。カチュアの最後を見届けると、相棒は師匠に船員の大人の上司にカチュアが亡くなったと伝えてほしいと言った。師匠が部屋から出ていくと、部屋には一人の死んだ人間と、一人の生きた人間が残った。
 
 お昼は他の乗客との会食だった。乗客の一人であるお爺さんが、あの霧について分かったと言った。あの霧は人の意識を吸い取るもので、脳が完成されている大人は意識が取られやすくすぐ死ぬが、まだ未完成の子供は死なない。だが子供でも人生の目的がはっきりしている子供は死にやすい。そして赤い霧の中では吸い取られた意識が自我を保ったまま存在している可能性があると言った。他の客が怪訝な反応を返す中、相棒だけはその話を信じると言った。窓の外を見ている相棒の目には、二つの赤い光が見えていた。


感想 
 実質相棒が主役のお話。相棒の行動は所々ぼかされ、どうやったのかという師匠の追及に「俺にしかできないこと」をしたと相棒はかわしている。そして注目したいのがカテュアが亡くなり師匠が出ていった際の「部屋には、一人の死んだ人間と、一人の生きた人間が残されました。」という文章。よくよく考えてみると部屋いるのは亡くなったカチュア、そしてそれを見届けた相棒に加え男の子がいるはずである。なのになぜ生きた人間が一人だけと書かれているのか? そこから導き出されるのは、男の子が生きた人間にも死んだ人間にも属さない存在、つまり霊的な存在だということである。わざわざ相棒が手を繋ぎ男の子を連れてきたのもそれに伴うことのようだ。シリーズを通して相棒は霊感があることが明かされており、一方で師匠は霊的なものが大の苦手。そのこともあって今回の話は相棒が主役であった。

 

 とまあこのように解説を書いてみたのだが、自分が読んだときは文章のトリックに全く気付かず、例によって掲示板など他の読者の方の指摘で気付いた。相変わらず管理人に大したことをしておらず、凄いのは気付いた読者の方々だということを伝えたい。話は変わるが220ページに書かれているタイトル部分、-Soared・a-のところのaがなぜかフォントの種類が異なっている。これはミスなのか意図したものなのか? まあ次のページでは普通なのでおそらくミスである。

 


師匠達の容姿と装備:不明
殺害人数:0(師匠達の累計殺害人数:120)
師匠達が狼藉を働いた回数:0(累計数:12)
国の技術レベルと特産物等:現代
収穫:なし

 

 

[ 小説第23巻 ] 20:58 - | comments(0) | - |2021.03.14 Sunday
キノの旅二十三巻第七話 始まりと終わりの国 感想

 

●始まりと終わりの国 -Starting Over-
一言でいうなら:感想記録を引っ越し前の国に置き忘れた話
名言:「重要なのは場所じゃない。人さ。…」

 

登場人物:キノとエルメス
話の長さ:約10ページ
備考:ひと気のない国

 

 

2021/3/27〜追記項目にてこれまでキノが経験したいわゆるゴーストカントリー数について加筆


あらすじ
 たどり着いた国には誰もいなかった。有名観光国と聞いていたのだが、城門は開放され農地には雑草が生えていた。しばらくして元住人の男に会うことができた。この国は半年前に放棄されたそうだが、元の住人は新しい場所に国を興し、今まで通り頑張っているらしい。人が残ればまだまだやれることがあると男は前向きに語った。ちなみにこの男がここへやってきたのは、かつてこの国を訪れてくれた旅人の感想記録をここに置き忘れてしまったからだった。


感想
 国に人がいないのは住人が引っ越ししただけ、単にそれだけの話かと思いきや実はしっかり意味があるらしい。掲示板で知ったのだが、このお話は雑誌「電撃文庫MAGAZINE」最終号に寄せて書かれたそうだ(巻末書籍情報に電撃文庫MAGAZINE Vol.71初出と書かれている)。このお話のように電撃文庫MAGAZINEは終わってしまったが、中の人たちは前向きでここで得た評価もしっかり受け継いでくれるようである。

 「重要なのは場所じゃない。人さ。…」という台詞を聞くと、洋画「マイティーソー バトルロイヤル」を思い出す。あと、全くジャンルが異なるが美少女ゲーム「タユタマ2」の菜乃ルートも同様の展開があった。

 

追記

 作中、エルメスが旅人人生何度目かのゴーストタウンならぬゴーストカントリーだと言い、これが何度目かと言いかけたところでキノが遮ぎる。その数を管理人が割り出したところ、この国を含めざっと14度目だった。この数は小説に出たものに限られており、それ以外のBD特典冊子話といったものは含まれていない。14度目か…多いような少ないような。ちなみにこれまでキノが滞在した国の数は約150。そう考えると多いように思える。

 


キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:51)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:59)
国の技術レベルと特産物等:不明・観光
収穫:なし
 

 

[ 小説第23巻 ] 20:55 - | comments(0) | - |2021.03.06 Saturday
キノの旅二十三巻第六話 狙撃犯のいる国 感想

 

2021/3/6〜誤植について追記

 

●狙撃犯のいる国 -Trigger Control-
一言でいうなら:キノvs狙撃犯
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス、ドクター・メンダ
話の長さ:約80ページ
備考:戦闘あり、他の話とリンク(英雄達の国

 

 

あらすじ
 雪国にて、選挙演説をしていた男が遠距離狙撃され死亡した。目撃者となったキノは、駆けつけた刑事に協力することにする。担当医であるドクター・メンダ立ち合いのもと死体を検証したところ、国外から持ち込まれた高性能な狙撃銃が用いられたことが分かった。狙撃による被害者はこれで5人目だという。

 

 翌日、ドクターが誘拐された。本人は行方不明となっており、誘拐の証拠として彼女の小指が送り付けられてきた。犯人の要求は警察署長に対し丘陵地帯のある場所に一人で来いとのこと。そこで警察署長を狙撃するつもりらしい。キノに犯人を返り討ちほしいと依頼がきた。なぜドクターと署長さんが狙われたのかを聞くと、一連の被害者はある金持ちの男と売春婦の事件の関係者らしい。金持ちの男が売春婦に襲われ反撃し売春婦が死亡、金持ちの男は正当防衛と判決が下されたが犯人はその判決を逆恨みしているそうだ。

 

 犯人に指定された場所へ雪上用のトラックで進む。署長の身代わりを命じられた警官が運転し、キノは犯人に悟られないよう乗り込む。指定場所に到着、キノは身代わりの男に的確な指示を与え自身は周囲を警戒した。だが犯人は一向に見当たらない。そこでキノは罠だと気づいた。急いで近場で待機している署長の元へ引き返す。だが署長はすでに狙撃されていた。警備は他の者にまかせ一人だけ暖かい車内で休んでいたため狙われた。キノは犯人を発見、身代わりだった警官は逃げてしまったためキノがトラックを運転し追跡する。犯人が撃ってきたためキノは車外に身を投げ、犯人の銃を狙い撃ちした。狙い通り犯人の銃に命中、反動で銃が犯人の頭に当たり気絶させた。

 

オチ
 犯人の正体はドクター、動機は正当防衛をでっちあげた関係者の殺害することだった。諸悪の根源は正当防衛が下されたお金持ちの男であり、彼は売春婦を一方的に殺害しお金と権力に物を言わせ罪を消し去ったのだった。ドクターも担当医として正当防衛に加担していたが、その見返りの恩恵を受けていたことを知ったドクターの父は、治療を拒み亡くなった。さらに金持ちの男が再び売春婦を殺し、関係者は再び正当防衛をでっちあげた。その際ドクターは関係者は自分も含め死ぬべきだと思った。また旅人が国外から銃をドクターの元に持ち込んだため今回の犯行が実現した。

 

 真相を聞き出した直後、刑事が飛び込んできた。刑事はドクターが犯人であることを知らず、ドクターが人質から解放されたと誤解した。そのままドクターは口車を合わせ刑事を言いくるめたが、キノは特別追求しなかった。キノが出国した翌日、ラジオでは大抜擢された俳優の中継が行われていた。俳優が観客席に近づくと、松葉杖を持った女性がそれを彼に向けた。そして大音量の発砲音が鳴り響いた。


感想
 キノの旅23巻における長編。狙撃事件から始まり人質事件、被狙撃対策、狙撃対決と物語が進み、その都度さまざまなセオリーが語られる。例えばトラックの車内にいた方が頭を狙われ即死しやすいという話や、トラックで犯人追跡中に犯人からの発砲に対しキノがフルートを盾として最大限に活用した描写などである。そのジャンルに精通した作者ならではの表現が光り、さしてマニアではない管理人からしてみれば読み応えのあるものであった。

 

 ただ残念だったのは犯人の目星をつけるのが容易かったこと。察しの悪い管理人でもドクター・メンダは明らかにサブキャラクターの範疇を超えており犯人としか思えなかった。一方で物語の元凶であるお金持ちの男は物語の最後で殺された大抜擢の俳優である。この俳優だがお話の中盤にラジオ中継で軽く触れられており、管理人は気に留めなかったが自身のニコ生放送の視聴者にお金持ちの男だと察した方がいた。その洞察力には敬服するばかりである。

 

追記

 このお話には誤植が存在する。ツイッターにて知ったのだが、189ページの三行目に「帽子とゴールをした頭へと命中し、…」とあるが正しくは「ゴーグル」である。

 

 

キノの容姿と装備:防寒着・黒いレンズのゴーグル・冬用のグローブ・カノン・森の人・フルート・スコープ・サプレッサー
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:51)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:1(累計数:59)
国の技術レベルと特産物等:近代・肉まんらしき料理
収穫:無料の食事と宿、犯人撃退の報酬


 

 

[ 小説第23巻 ] 17:42 - | comments(0) | - |2021.02.28 Sunday