キノの旅を総括したい

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小説22巻を語るニコ生放送を
8/2(金)の23:00から行います
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キノの旅XXII
the Beautiful World
(電撃文庫)

   


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キノの旅二十二巻第二話 退いた国 感想

●退いた国 -Leader-
一言でいうなら:鉱山になる前は国があった話
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス、師匠(言及のみ)
話の長さ:約20ページ
備考:口語がメインの話

 


あらすじ
 巨大な採掘場がある谷に着いた。師匠から聞いた話ではこの谷に国があるはずだった。どこへ行ったか話していると、いきなり声をかけられた。声の主である眼鏡のお爺さんが事情を話してくれるという。現在採掘されているのは「ルスジェルトニウム鉱石」というもので、ホヴィーの原動力となる貴重な鉱石だ。四十年ほど前、ここより西にある大国がそれを発見した。しかし採掘するには元々あった谷の国が邪魔だった。退いてくれれば見返りをすると頼んだが谷の国は応じない。そこで大国はスパイを派遣、寝返ってそうな一人を見つけ出した。その一人が新たなスパイとなったことを皮切りに谷の国は分裂、多くは大国へ移住し最後まで残った者は自害した。


 そのスパイが語り手のお爺さんだねとエルメスが言い、本人はそれを認めた。お爺さんには昔妻がいたが、大国の技術があれば助かる病気だった。寝返ったことで薬を得て妻は生き永らえたが、本人は大国へ移住を拒否していた。妻に全てを打ち明けたところ自分を滅多刺しに自らも自決した。しかしお爺さんだけは大国に監視されていたため一命を取り留めたという。それからは顔を整形して別人として生き、不自由なく暮らし年を取ったそうだ。

 

オチ
 そこへホヴィーが来て、お爺さんは護衛らしき人に連れ去られていった。キノは護衛の人にお爺さんについて聞くとこう言われた。我が国の大統領だと。

 

感想
 かつて国があったが、スパイにより失われた話。ホヴィーはキノの旅シリーズに幾度か登場するが、エネルギー元が「ルスジェルトニウム鉱石」だと明かされたのは初めてのことである。加熱後にロッテルラセルバーム式精製をすると純粋ルスジェルトニウムの結晶体になってリフターの中心核になり、これによってホヴィーを浮かすことができるそうだ。


 語り手が当事者というのはキノの旅でよくあるパターンである。しかし最後の台詞によりこれまでの話が疑わしくなった。少なくとも管理人にはそう思えた。一方で自身のニコ生放送では「やった」という趣旨のコメントが寄せられ、その方はスパイのお爺さんは国と妻を失うも、大統領となったことで大国を制したのだと感じたそうだ。果たして語られた内容は全て真実なのか? 本編冒頭にて"人を簡単に信じるな"という師匠の教えが記述されているのも伏線のように思える。今は結論はだせないが、考えがまとまったら追記したい。

 

 

キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:ババ抜き根性→正:立ち退き交渉(累計言い間違い数:50)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:57)
国の技術レベルと特産物等:国外・ルスジェルトニウム鉱石
収穫:なし

 

[ 小説第22巻 ] 22:49 - | comments(0) | trackbacks(0) |2019.10.05 Saturday
キノの旅二十二巻第一話 仮面の国 感想

●仮面の国 -persona-
一言でいうなら:仮面をつけ続けたため顔が退化していた話
名言:「やらなくてすむようになったらやりたくなるとは、なんとも皮肉なもんだね、キノ」

 

登場人物:キノとエルメス、師匠と相棒、シズと陸(ティー加入前)
話の長さ:約20ページ
備考:漫画登場話・三者三様

 

 

あらすじ
 師匠達が辿り着いた国の人々は、他人と顔を合わせることを極端に嫌っていた。国の偉い人によると、顔の美醜を気にするあまりお互い顔を見ることが怖くなってしまったそうだ。それでも社会は回っているが、いいことではないのでなにか改善案はないかと聞いてきた。ないと思った相棒だが、師匠はあると答えた。

 

 それでお師匠さんの解決策って?とエルメス。仮面を渡したんだよとキノ。国の人はとまどったが、せっかくなのでみなで使ってみることにしたそうだ。そして今から行く国がその国だ。国に着くと住人のみなが笑顔の表情の仮面で出迎えた。師匠が持ち込んだ仮面を住人が進化させ、操作により表情の変化がつけられるようになっていた。住人達は仮面の生活にとても満足していた。

 

 シズと陸もこの国に来た。キノ達と同様住人は仮面をつけて生活していた。実はみな素顔でいたいがきっかけがほしいではとシズ。そこでみなで仮面を外してみないかと大衆の前でシズは訴えた。意外と住人は関心を持ってくれ、みなで同じタイミングに仮面を外すことにした。


オチ
 シズと陸は絶句した。仮面を外したことで現れたのは、仮面のような素顔だった。怖くて逃げたしたくなるほどの顔が無数にこちらを見ていた。昔より表情を動かさなかったことで、表情を作る能力が失われてしまったのだ。仮面を外してみたものの居心地が悪いようで住人達は再び仮面をつけた。陸がシズに声をかけると、シズは仮面をつけて泣きそうな表情を作った。仮面の操作が苦手なシズなので、表情の操作が正しいのか間違っているのか陸には分からなかった。

 


感想
 かつて管理人が学生の頃教科書で読んだ「素顔同盟」のように、やっぱり素顔が良いよね、となるかと思いきや衝撃の展開を迎えたお話。このお話は現在キノの旅で別メディア展開されている漫画シオミヤイルカ版の第5巻にて、小説よりも先に公開されたお話である。まず原作者がお話を書き下ろし、それをシオミヤイルカ版として漫画刊行、そして今回の小説刊行に至ったのである。管理人は漫画版を先に読み、そして今回の小説となった。その結果、同じストーリーでも印象が大きく異なるものとなった。

 

 まずオチの顔のイラストである。漫画版はもちろん小説版でも挿絵が添えられ、仮面が外された際の光景が描かれる。どちらも衝撃的な光景であるが、やはり管理人は漫画版での衝撃の方が大きい。漫画版を見た際の無数の不気味な表情に、思わず「ヒエッ」と声を出すほどだった。一方小説版の「顔」という漢字の大量の羅列だが、不気味というよりは「?、なにこれ」というのが第一印象だった。

 

 小説における事の異常さを説明する文章も、管理人にはイメージしづらい物だった。別に文章表現がうまいへたというわけではなく、漫画の絵と比べるとどうしても分かりやすさに差があった。漫画ではその時の光景が絵によって提示され、作者と読者のイメージが共有される。一方で小説は文章であり、そこから読者が個々の引き出しを使いその時の光景をイメージする。つまり同じ文章であっても抱くイメージは個々で異なるのである。そして管理人は、キノの旅に限らず小説を読んでいてうまくイメージできないことが多い。これでは表現媒体として小説より漫画の方優れているかと思いきや、そうともいえない。

 

 「仮面の国」小説版には漫画版で知り得なかったさまざまな事実があった。例えば、物語のラストでシズは泣きそうな仮面の表情となる。漫画版を読んだ際はまさかの展開にシズは悲しくなったのだろうと管理人は疑いの余地もなく思った。しかし小説版では泣きそうな仮面の表情について、仮面の操作が下手なシズなので正しく操作できていたのか分からないとあった。つまり漫画版では気にも止めなかったことに、小説版では考える余地を与えている。

 

 そもそも、シズが仮面の操作が下手という点も漫画では気付くことができない。漫画を読んだのはしばらく前で確認はできないのだが、例え漫画でシズが露骨に仮面の操作に手間取っていても、不自然でない限りはさして気にも留めないはずである。その点、小説にて仮面の操作が下手と文章があることで、シズは不器用という可愛げのある情報を得られた。師匠達に関するタダ飯食べない理由はないという記述も同様である。漫画では何気なく食事をしているが、タダ飯の記述があることでがめつい師匠達にクスリと笑うことができるのである。もしこれを漫画で表現しようとした場合、絵の動きだけで見せるのは難しく、吹き出しでキャラにしゃべらせればくどく感じる気がする。

 

 漫画版が先に公開された今回の「仮面の国」、それにより漫画媒体と小説媒体の特色を見出すことができた。漫画はイメージがはっきりしており、それゆえに今回のようなお話では衝撃が大きい。しかし、小説では考察余地の提示やキャラクターの情報をテンポを削ぐことなく自由に付け加えられるのだ。

 

 

キノの容姿と装備:防寒着
殺害人数:0
国の技術レベルと特産物等:近代(仮面技術と石造りの建物)・仮面
収穫:仮面と交換して得た報酬(師匠)

 

 

 

[ 小説第22巻 ] 10:31 - | comments(0) | trackbacks(0) |2019.09.29 Sunday
キノの旅二十二巻口絵 誕生日 感想

●誕生日
一言でいうなら:誕生日埋めに協力してあげた話
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:キノとエルメス
話の長さ:数ページ
備考:人口数万

 

 

あらすじ
 国に入ると挨拶もそこそこに誕生日を聞かれた。キノとエルメスは分からないと答えた。残念がる住人に事情を聞いてみる。この国では誰かの誕生日を盛大に祝う文化があり、以前は親しい仲の人だけの行事だったが、今では同じ国の人であればみなで祝うという。そのため毎日のように誰かの誕生日を祝えて幸せなのだが、七月十日と十一月十一日だけ誰の誕生日でもないらしい。キノ達の誕生日がその日ならと住人は残念がる。するとエルメスが、キノにちょっとタンクを叩いてみてと言った。キノが従うとエルメスは誕生日を思い出したと言った。

 

オチ

 今日はキノの誕生日だよとエルメス。キノはあの国で誕生日をでっちあげた事を思い出し、エルメスの誕生日の時もあの国で祝ってもらえるだろうねと言う。いつだったっけとエルメスは答えた。


感想
 この日だけ誰の誕生日でもなく祝えない。そこでその誕生日埋めに協力してあげたお話。最初に読んだ際、2ページ目下段のアスタリスク3つに気付かなかった。これがあることでアスタリスク以降が後日談だということが分かる。どちらがどちらの日付にしたかは伏せたようだ。

 埋まってない誕生日である七月十日と十一月十一日、この日付になったのには理由があるのか。七月十日は本書初版発行日=発売日と同じである。一方で巻末の書籍情報によるとこのお話の初出は電撃マガジン2018年7月号であり、加えて文庫収録にあたり加筆修正しているともある。こちらは2018年6月9日発売なので、発売日に合わしているとすればこちらでは日付が6月9日になっているはずである。申し訳ないが個人的に調べる機会がないため、ここまでの推測止まりとなる。

 このお話は「キノの旅」らしさが詰まっているように感じる。そのらしさとは、言葉にするならば「行事の誇張とその影響」である。誕生日という「行事」を現実のものと変え「誇張」し、それゆえに起こった「影響」を挙げる。これまでキノの旅ではさまざまな行事や習わしが誇張され、それゆえに起きた出来事がお話になってきた。キノはそれを聞き入れ、時には今回のように協力してあげるのだ。
 

 

キノの容姿と装備:不明
エルメスの言い間違い:なし(累計言い間違い数:49)
殺害人数:0(キノの累計殺害人数:244)
キノが危害を加えられそうになった回数:0(累計数:57)
国の技術レベルと特産物等:不明・誕生日をみなで祝う
収穫:誕生日を祝ってもらえた

 

[ 小説第22巻 ] 23:35 - | comments(0) | trackbacks(0) |2019.09.16 Monday
キノの旅二十二巻口絵 知らない話 感想

●知らない話
一言でいうなら:シズだけがオーロラを知らない話
名言:(強いてあげるものはなし)

 

登場人物:シズと陸とティー
話の長さ:数ページ
備考:国外

 

 

あらすじ
 夜の雪原にて、空が光っていた。陸にはそれがオーロラだと分かったが、シズはオーロラのことを知らず世界の終わりなのではとあたふたしていた。陸がシズにオーロラのことを教えようとすると、その口をティーが塞いだ。ティーはオーロラを知っているようだが、シズに対しこんな時だけ饒舌に知らないと言った。

 

感想
 あたふたするシズをティーがからかうお話。こんな時だけ饒舌にしゃべるティー、もう調子がいいんだから。思えばこの行動も、ティーがシズに信頼を寄せてるからこそ生まれる行動である。

 


殺害人数:0(シズの累計殺害人数:27)
シズの主張が認められなかった回数:0(累計数:6)
国の技術レベルと特産物等:国外
収穫:オーロラが見れた

 

 

 

[ 小説第22巻 ] 22:58 - | comments(0) | trackbacks(0) |2019.09.11 Wednesday
キノの旅XX 感想(ネタバレあり)

●キノの旅XX -the Beautiful World-
「誰もが幸せになれる方法はない。 誰にも幸せになれた方法はある。」 -So Many Men, So Many Right Routes.-

発売日:2019年7月10日
登場人物:キノとエルメス、シズと陸とティー、師匠と弟子、フォトとソウ、イライザ

 


この巻について
 前21巻の発売日が2017年10月7日なのに対し、本22巻は2019年7月10日の発売となった。第8巻以来、毎年10月発売が通例だったものがここで途絶え、約1年9ヶ月ぶりの待望の巻となった。今後のシリーズ展開を占う意味でも注目したい。
 すでに漫画版で先行公開されている「仮面の国」、思わぬ強敵に出くわした「餌の国」、シズと陸の出会いを描いた「届ける話」などなど。お話もさることながら、いつも小説を彩る黒星紅白さんのイラストは今回特に印象に残った。第六話「来年の予定」の最後に登場し「うわっ」と声が出てしまったイライザの容姿。祝20周年として描かれたみなの20年後の姿。そして一番印象に残ったのが目次ページの背景の師匠と相棒、平然と立ち尽くし銃を構える相棒とそれにクロスする師匠はとてもカッコいいものであった。

 


目次
・プロローグ「川の畔で・b」
口絵「知らない話」
・口絵「誕生日」
・第一話「仮面の国」
・第二話「退いた国」
・第三話「取り替える国」
・第四話「議論の国」
・第五話「届ける話」
・第六話「来年の予定」
・第七話「餌の国」
・エピローグ「川の畔で・a」
・巻末特別短編「二十年目のボク達」+あとがき

 

[ 小説第22巻 ] 21:12 - | comments(0) | trackbacks(0) |2019.08.29 Thursday
キノの旅22巻が7月10日発売!+記念ニコ生放送のお知らせ

キノの旅最新巻となる小説22巻の発売日が、7月10日(水)に決定しました!
情報源は電撃文庫公式サイトの書籍情報「7月」のページとなります。
待ちに待ったキノの旅新刊、もうすぐです! 


それを記念して、管理人によるニコ生放送を発売日前日となる7月9日(火)の夜11時より配信します。
前回の記事では金曜日を予定としていましたが、変更となってしまい申し訳ありません。金曜日にするとやや日にちが開いてしまうため、発売日前日の火曜日とさせてもらいました。
待望の新刊となるキノの旅、ご一緒に楽しめればと思います。


放送コミュニティ

[ 小説第22巻 ] 16:33 - | comments(2) | trackbacks(0) |2019.06.09 Sunday
キノの旅最新22巻の発売が発表されました!

2019/6/9〜発売日が決まりました⇒最新記事へ

 

 

 ややお久しぶりです。今年の初めに本サイトは22巻発売まで休止すると宣言しましたが、このたび最新22巻が発売される運びとなりました。それに言及した著者のツイッターがこちら。

 

 

 ということで、今年7月中に22巻が発売されます。通例であれば一年に一冊、2018年10月発売のはずでしたが今回は大きくズレこむこととなりました。ですがなにより22巻が発売されキノの旅が続くことを喜びたいです。そして発売を記念して管理人によるニコ生放送も考えております。発売日がはっきりしていないためまだ日にちは決まっていませんが、まずは発売日前の7月上旬になるはずです。金曜日の夜11時からの予定ですが、発売日が金曜日になったら変更すると思います。決まり次第再びこの場にて告知するのでよろしくお願いします。

 

 キノの旅22巻発売までもうすぐです! 楽しみに待ちましょう。

 

 

[ 小説第22巻 ] 00:30 - | comments(0) | trackbacks(0) |2019.05.17 Friday